4話 和葉編
フユカちゃんたちと別れた後、私もログアウトした。
ログアウトして、起き上がって机を見るとふとFAOの説明書が目に入った。
「そういえばまだ呼んでなかったわね」
そう思った和葉は手にとって読み始めた。
そして剣術というスキルのページを見つけた。
そのページには剣士(片手剣、両手剣使い)の専門スキル、剣術が乗っていた。
そのページに興味をもち、読み始めようとしたとき、廊下から
「おーい!和葉!」
という声が聞こえた。
そういえば昼ごはんがまだだった。
「なんですかお兄様?」
部屋から出る。
「悪い昼ごはんこれからなんだ。和葉も少し手伝ってくれ」
さて困った。
和葉は料理が下手なのだ。
「でもお兄様の頼みだから……」
「いいですよ。あまり役に立てませんが」
と。
私はお兄様のことが好き。
なぜなら……私の知らないことをよく知っているからだ。
それだけではない。
お兄様は……オタクだからだ。
しかし誰になんと言われようと私はオタクなお兄様のことが好き。
でも血縁と言うものが私たちの邪魔をする。
「愛だけではどうにもならないのかな」
そんなことを考えているうちに台所に着いた。
時山家は私とお兄様の二人暮らし。
なんでも両親は事故でなくなったらしい。
そのころの記憶はないのだが……。
「今日は何にしようか」
「あまり時間がないのでカップラーメンは……」
「まあ、いいか」
カップラーメンが出来るまでの3分間、私は竹刀の素振りをすることにした。
そのとき、お兄様が漫画を読んでいた。
私はその漫画を読む顔を眺めていた。
そして3分がたち、私たちはカップラーメンをすすりだしだ。
私は塩ラーメン、お兄様はしょうゆラーメンだ。
「そういえばFAOには装備以外にスキルって言うものがあるらしいですね」
「そうだな。確か剣士は武器の使い方とか持ち方とか盾の有無もスキルしだいらしいしな」
「シークレットスキルって言うものもあるらしいですよ」
「ふーん。どんなのなんだ?」
「えーっとですね。武器装備スキルの剣士のデフォルトであるスキルが両手剣と盾持ち片手剣と片手剣だけですけどそのほかにも条件を満たせば出てくるものもあるらしいですよ。」
「ふーん。じゃあどっちが先に見つけるかいっそ競争しよう」
「競争ですか」
「そうだ。敗者は勝者に自分の秘密を暴露するでどうだ?」
「いいですね!やりましょう!」
そんなことを行っているうちに私はラーメンを食べ終った。
お兄様はまだ食べている。
そんなお兄様の顔を眺めながら、もしも私とお兄様が結婚したら……
そんなことを考えていた。
「どうした和葉。顔赤いぞ?」
とお兄様に言われるまでは。
私はびっくりした。
びっくりしすぎてつい
「え!?いや……あはは……それよりもうすぐ時間ですよ!急がないと」
とつい明らかに何か隠している様子で言ってしまった。
そのあとお兄様が時計を確認して、
「そうだな。じゃあかたずけてから行こうか」
「なんとかごまかせたかな」
などおもいつつ、和葉はかたずけを始めた。
カップラーメンのかたずけはほとんどお兄様がやってくれたので、私はあまりすることがなかった。
こうしてかたずけはすぐに終わり、私たちは自分の部屋のダイブヘッドギアに向かった。
第四話2 完
どうも創 マサトです。
和名編・和葉編の2話でお届けした4話はどうでしたか?
今後もがんばってまいりますので皆さんよろしくお願いします。