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ものの5分

【もの5シリーズ作品短編で日間6位入賞しました】お姉さまに拾われてものの5分で激旨メシに懐柔された私のその後の話 ~中編~

作者: すずき 虎々

数ある作品の中から、私の作品を見つけてくださり、ありがとうございます。

読んでいただける方に楽しんでもらえるよう頑張りますので、どうぞよろしくお願いします。

この作品は、連載完結済み作品である【異世界に転生したらものの5分で最強種にエンカウントした俺のその後の話】のスピンオフ作品となります。

水曜日に投稿した前編に続く中編となり、後編は日曜日に投稿予定です。

本作ともども、本編である連載作品の方よろしくお願いします。

 世間でよく語られる話で、出来た姉の妹がグレる、なんて話をよく耳にしますが、そのような話など、掃いて捨てる程どこの世界でも当たり前にあるものでして、当然我が家もお多分に漏れず、優秀過ぎる姉がおりますので、私もしっかりとグレておりま…………せん。

 お姉ちゃんを尊敬こそすれ、お姉ちゃんが凄いからって自分を卑下してグレるとか、意味がわかりません。

 大体、お姉ちゃんの凄さをちゃんと理解してる人が、この世の中に何人いるのかって話で、逆に私がお姉ちゃんの凄さを説いて回りたい気持ちですよ。

 凄いで言うなら、私も大概なんですよ。

 学校の先生やクラスメイトも言いますよ、ケイラちゃん凄いねって。

 私は竜人族という種族なんですが、竜人族は全般的に身体能力がヒューム等の他の種族とは比較にならない程にバカ高いんです。

 なので、学校で運動する機会なんかがあると、皆ケイラちゃんには敵わないと言います。

 そこまでなら良いんですが、皆、その後に余計なことを言うのでムカっとしてしまいます。


「ケイラちゃんがそんなに凄いんだから、お姉様のキラ様はさぞかしお強いんでしょうね。」


 その比較、要りますか?


 私はお姉ちゃんの妹ですが、拾われた妹なんですよ。

 つまり、お姉ちゃんにはとてもかわいがってもらってはいますが、血縁はないんです。

 なので、血縁者に現れる共通の特性とかはないんですよ。

 なんなら血縁者間だって、それほど類似点があるのかと言われれば、せいぜい見た目が似ているとか、その程度なのではないでしょうか。

 大体、百歩譲ってお姉ちゃんと私との間に血縁関係があったとしてもですよ、お姉ちゃんと私を比較しようなど、無礼千万にも程が有り捲りってぇ話ですよ。


 黒竜ワンパンで倒して、カーミオの魔物を秒で消し炭にして、魔王もろともその配下に至るまでをも完全に駆逐して、ってここまでで1週間経ってないからね。

 他国の艦隊一人で殲滅して、戦争にも勝っちゃって、しまいには神獣討伐ですよ。

 神獣って何か知っていますか?神様の眷属ですよ、か・み・さ・ま・の、け・ん・ぞ・く!


 そんなのと一人で戦っちゃって、勝っちゃうんですよ、うちのお姉ちゃん。


 そんなの見せられたら、もう憧れる以外の選択肢ってあると思います?


 あとね、うちにはシェラっていう私より2歳年上の姉もいるんですが、シェラもお姉ちゃんに拾われたんです。

 私が拾われた時のシチュエーションもなかなかだとは思いますが、シェラもどうして、なかなかエグいですよ。

 気が付いたら魔王のいる森の中に親子三人で放置されて、当然魔物に追い回されるじゃないですか。

 お父さんもお母さんも、シェラを助けようと必死なんですが、あっけなく魔物に殺されてしまったんです。

 目の前で自分を守ろうとする両親を殺されるって、なかなかじゃないですか。

 私なら、正気を保てていたかどうか、自信ないです……。


 私もそうでしたが、シェラもお姉ちゃんに只拾われたんじゃなくて、心から救われたんですよ。


 最近になって、当時の話をシェラ本人の口から聞かされましたが、確かに壮絶だとは思いましたが、そんなシェラにお姉ちゃんがかけた言葉、本当に15歳の女の子が言った言葉なのかと耳を疑ってしまいました。


「あなたのせいで死んだんじゃない。あなたがそう思って塞込むことなんて、ご両親は望んでない。」


 私、今13歳で、後二年もすれば、当時のお姉ちゃんの年齢に達しますが、とてもじゃないけどそんなこと言えないと思います……。

 シェラ本人も、闇に飲み込まれそうだったけど、お姉ちゃんの言葉で救われた、一筋の光が差し込んだような気がしたと言っていました。


 ということで、そんな凄いお姉ちゃんなので、どうやったって追いつけるはずも無いのはわかりきっておりますので、私もシェラもそんなことで落ち込んだりしません。


 それどころか、お姉ちゃんは色々と忙しくて、毎日へとへとなことぐらい、子供の私達でも分かるのに、お姉ちゃんは勉強を教えてくれたり、武術の訓練に付き合ってくれたり、遊園地に連れて行ってくれたり、ピクニックに連れて行ってくれたり、外国旅行や国内旅行にも沢山連れてってくれたりと、もし私達に本当の両親がいたとしても、こんなに良い思いができたとは思えません。

 国土の1/3の領地を収める領主様は伊達じゃありません。


 でも、私も一応妹なので、実は、お姉ちゃんの秘密も知っているのです。


 お姉ちゃんは、私達が子供の頃は、本当によくマジカルランドに連れて行ってくれていて、

 ていうか、週一くらいで行ってたんじゃないだろうか。

 でもね、それには理由があるんですよ。

 もちろん私もシェラも大好きでしたが、お姉ちゃんがこよなく愛していたソフトクリーム!

 なんなら、お姉ちゃんが私達をマジカルランドに連れて行ってたのは、ソフトクリームが食べたいからまであるんじゃないかと。

 で、私達も、流石に大人になってきて、もうマジカルランドに興味を示さなくなった頃には、ムーシルトの商店街に、ジェラードのお店が出店されました、去年の話です、ちなみにソフトクリームもあります、そのお店の周辺で、よくお姉ちゃんの目撃情報があるとかないとか……。


 とまぁ、お姉ちゃんの秘密は、あのお姉ちゃんにしては、ちょっと可愛い秘密ではありますが、私の秘密は逆に少し物騒と言いますか……。


 私、自分もお姉ちゃんのように強くなろうと、武術を習得しようとしたのは皆さんもご存じだとは思いますが、最初は剣を持つつもりはなかったんです。

 私は、竜人族の特徴である、身体能力が極めて高いらしく、軍警察の訓練所で、大人の人と訓練をしてても、よく怪我をさせてしまっていました。

 最初は訓練には怪我は付き物と言われて、スルーされていましたが、ある時、かなり強い人との訓練中に、ムキになって思いっきり振りかぶって殴ったら、防御した相手の人の腕がちぎれてしまうという事故が起きました。

 私は自分の攻撃によって、人の腕が千切れるという状況を目の当たりにしたことで、パニック状態となってしまい、相手の人は相手の人で、やはり自分の腕が千切れているので、私と同様にパニックとなり、一時訓練所は騒然となりましたが、その時に指導教官として立ち会っていたルカ中佐と言う方が、すぐにお姉ちゃんを探しに行って、連れてきてくれました。

 幸いすぐにお姉ちゃん見つかって、来てくれたので、腕を元通りに治してくれて、事なきを得ましたが、一歩間違えたらと思うと、今も思い出すだけでゾッとします……。

 その時、お姉ちゃんがパニックになって泣きわめく私を、優しく抱きしめてくれながら言いました。


「ケイラちゃん、まだ自分で自分の強大な力をコントロール出来てないみたいだから、今度から、剣を持って、剣の訓練をしましょうか。真剣じゃなくて、木剣を使えば大丈夫だと思うから、お姉ちゃんと少し、木剣で訓練してみようか。」


 こうして、この事故をきっかけに、私は剣を持つことになったのです。

 最初はお姉ちゃんと木剣での訓練をしていましたが、すぐにお姉ちゃんが作った竹を組み合わせて作った竹刀という剣を使うように言われました。


「お姉ちゃんとの訓練の時や、ルドルフ様くらいの人との訓練の時は木剣でも良いけど、他の人と訓練する時は、この竹刀を使うようにしましょうか。これなら力を入れすぎても、竹刀の方が壊れてくれるだろうし。ただね、力任せに切り付けるだけじゃダメ。スピードとタイミングと脱力。それを意識して訓練するのよ。」


 こうして私は、剣の道を歩むことにしました。

 最初はただ、危険だから仕方なく、という理由でしたが、木剣を握ると不思議と肩の力が抜けていくような感覚があって、素手戦うよりもずっとスムーズに動けることに気づいたんです。

 竹刀を手にしてからは、さらに“剣がしなる”ことで、私の力を受け流してくれ、素手で殴ると壊してしまうものも、竹刀なら「打つ」ことができる。

 そこで初めて“心の流れ”と“技術”“体術”というものを感じることが出来ました。

 私はその時、心の底から思いました。

 お姉ちゃんのように強くなるには、ただ力を振りかざす、暴力であってはならない、そして、力の制御の為に剣を枷とするのではなく、剣技を突き詰め、この道を極めることこそが私の進む道なのだと……。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

感謝の言葉しかありません。

よければ次の作品も読んでいただけるとありがたいです。

どうぞよろしくお願いいたします。

自作は本作の続きとなる後編となります、投稿は日曜日を予定しております。

また、このお話が面白いと思っていただけたなら、評価やコメントなどいただけるとありがたいです。

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