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#5 朝ごはんを作ろう

 異世界2日目。


 中々早めに目が覚めたシュージは、体を起こし、顔を洗って食堂へと向かった。


 基本的にこのギルドでは、朝ご飯は各自適当に食べるらしい。


 というのも、冒険者として依頼を受けたりすると、かなり早めに出なければいけなかったりもするため、一緒に食べようと思っても時間が合わないそうだ。


 だが、人間にとって朝ご飯はとても大事だと思っているシュージは、できればちゃんとしたものを食べてもらいたいと思ったので、まだ誰もいない食堂で料理を始めた。


 主に使うのは、昨日作っておいたマヨネーズの余りと卵だ。


 流石にもうほとんど食材がないので、あまり品目は増やせないが、せめてお腹に溜まるよう、今回はたまごサンドを作るつもりだ。


 食パンはありがたいことにかなり大量に残っているので。


 それに、たまごサンドなら冷めてもそれはそれで美味しいので、食事を摂る時間に差があっても大丈夫だろう。


 それだけだと栄養が偏るので、ちらほら残っていた人参や大根、きゅうりを野菜スティックにして、これにもマヨネーズを付けて食べてもらう事にした。


 それからシュージは黙々と1人でゆで卵を作り、その間に無くなりそうなマヨネーズを追加で作っておく。


 ハンドミキサーのようなものがあれば楽なのだが、生憎ないので、しっかりと泡立て器で作っていく。


 まぁ、シュージのフィジカルであればそこまで苦でもないのだが。


 そして、ゆで卵が出来たら粗めに潰し、マヨネーズと軽く塩胡椒をして味を整える。


 あとは食パンの上に乗せて挟むだけで完成だ。


 あと、少しキッチンを探してみると、ジャムがあったので、ジャムサンドも同じくらい作っておいた。


 たまごサンドにジャムサンド、そして野菜スティック。


 これぐらいあれば普通の人なら十分な量だろう。


 食欲のある者たち用に少し余分にも作っておいたし。


 まぁ、余ったら自分で食べればいい。


 シュージも見かけ通り、かなり食欲はある方なので。



「ふわぁ…… あら、シュージさん?」



 と、丁度作り終えたタイミングで、まだ少し眠そうなキリカが食堂に入ってきた。

 


「おはようございます、キリカさん。 早いですね?」


「おはようございます。 受付業務があるので、基本は私が1番なことが多いですね。 何をしてるんです?」


「皆さんの朝ご飯を作ってました」


「えっ、わざわざ作ってくれたんですか?」


「このギルドに用務員として雇われたなら、皆さんのサポートをできるだけしたいと思いまして」


「そんな無理にしなくても大丈夫ですよ……?」


「はは、無理なんてしてないですから大丈夫ですよ。 元々早起きなタチですし、喜んでもらえるのは嬉しいですから」


「シュージさん…… ふふ、ありがとうございます。 絶対皆んな喜びますよ」


「それなら良かったです。 丁度できましたから、どうぞ」



 早速、キリカにたまごサンドとジャムサンドと野菜スティックが乗ったお皿と、マヨネーズが入った小鉢を渡した。



「このトロッとしたものはなんですか?」


「それはマヨネーズという調味料です。 野菜スティックに軽くつけて食べてみてください」


「分かりました」



 キリカはマヨネーズが気になったようで、早速野菜スティックに付けて一口食べてみた。



「んんっ! これ、美味しいですっ!」


「それは良かった。 昨日のサラダにかかっていたシーザードレッシングも、これを元にして作ったんです」


「これなら野菜がいくらでも食べれそうですね……」


「この辺りでは作られていないんですかね?」


「そうですね、食べた事ないです。 これだけ美味しいなら、レシピ登録をしていいかもしれませんね」


「レシピ登録ですか?」


「はい。 新しくて美味しい料理とかを作った際は、商業ギルドに登録して、レシピとして販売するんです。 そうすると、レシピの使用料が登録者に一部支払われますね」


「うーん、僕が開発した訳じゃないんですけどね……」


「とりあえず、このギルドの皆んなに食べてもらって、誰も知らなかったら登録していいと思いますよ。 ジンバさんは遠いドワーフの国から来ましたし、ギルドマスターも仕事柄、世界中に行ったことがあって、食文化にもそこそこ詳しいですから」


「分かりました」


「と、難しい話はこのくらいにして、今はこの美味しい朝ご飯を堪能します!」


「はは、そうですね。 遠慮なく召し上がってください」



 それからキリカを始め、後から来たメンバーにもマヨネーズやたまごサンドは大絶賛され、誰も食べたことがないという事で、近い内に商業ギルドに登録しに行く事になった。


 そして、ギルドメンバー全員が、この美味しい朝ご飯にそれはもう感動したようで、負担じゃなければぜひまた作って欲しいと言われた。


 シュージからしたら全く負担とは思っておらず、自分の分を作るついでくらいの気持ちなので、快く了承するのであった。


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