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 体を今現在燃やされている真っ只中のガードンロイドが悲鳴をあげている。無理もない。


……ごめんね。他にも魔獣がいる中で、貴方に時間をかける訳にはいかないの。辛いだろうけど……。


 わたしだって、魔獣を殺す時には苦しまないように一発ですぱっと殺してあげた方が良いと思っている。けれど、一発で倒さないとガードンロイドは復活してしまうのだ。それなら、確実に殺せるこの方法でやるしかない。


 本来であれば、火炎球フランメルクーゲルは、料理や不要物の処理に使う魔法だ。それを、攻撃にするとは思わないだろう。けれど、厄介な敵には意外と有効だと思うのだ。


 普通、火魔法を使う魔獣は火に強いものだ。それはガードンロイドも例外ではない。けれど、連続して燃やされるとなれば話は別だ、と思う。


 それ以前に、魔獣も人と同じように呼吸をしているので、酸素がなければ死んでしまう。この火炎球フランメルクーゲルは普通の火と同じように酸素を消費して燃えるので、酸欠から逃れるためにはこの魔法自体を消すしかないのだ。


……燃え尽きるのが先か、酸欠になるのが先か。申し訳ないけど、苦しんでてもらおう。


 そして、ユーアライゼは。先程からずっとこちらの方に突っ込んでこんでこようとしていたので、今は風の牢獄(ウィンドカウェア)という魔法で動きを抑えている。


 風の牢獄(ウィンドカウェア)は、先程使った風の祝福(ウィンドエンブレイス)と違い、対象の動きを止めたいだけの時に重宝する魔法だ。


 風の祝福(ウィンドエンブレイス)は、中にあるものを優しいけれど強い力で強制的に抑え込むという名前に似合わず物騒な魔法なので、生物に対して使うのはおすすめしない。中で粉々になってしまいかねないからだ。


……まあ、形なんて残らなくも良いからとりあえず存在自体を消し去りたい、っていうんなら別だけどね。


 使うとすれば、ガードンロイドだろうか。


「……あ」


……そうだよ、そうだった。風の祝福(ウィンドエンブレイス)で動きを止めれば良いんだよ。


 どうせ殺すのは決まっているのだから、どんな形だろうと問題ないはずだ。今はテスト中だから外見がどうとかは言われない、と思う。


 わざわざ燃やして苦しませなくても、風の祝福(ウィンドエンブレイス)で捕まえておけば少なくとも逃げられることはない。中で分裂されたとしても、外に出てくることはないだろう。


 もし粉々になったとしても、それはそれで良い。


……いや、良くはない、のかな?


 苦しみながら死ぬよりは、一思いにさっさと死んでしまう方が良い気がする。少なくとも、私はそうなのだから。


 という訳で、わたしは一度、風の祝福(ウィンドエンブレイス)火炎球フランメルクーゲルの上から覆うようにして発動させ、その後に火炎球フランメルクーゲルを消した。こうすれば、消した瞬間に逃げられることもない。


 風の祝福(ウィンドエンブレイス)に生物を入れたらどうなるのかを実験しようとした訳だけれど、その結果は意外とあっけなかった。


 なんと……、火炎球フランメルクーゲルを消した瞬間に、ガードンロイドが塵となって消えたのだ。魔法を消しても何も跡が残っていないので、粉砕されて、見えなくなるほど細切れにされたのだと思う。


 この結果は、流石にわたしも想定していなかった。


……うわぁ……。どれだけ強風なの?絶対これはものを入れちゃだめなやつだ。


 犠牲になったガードンロイドは可哀想だけれど、固形物を入れたらどうなるのかが分かっただけでも良かったと思う。


 軽く黙祷してから、わたしは気持ちを切り替えて、数メートル先にいるマルーンベアに視線を向けた。


 マルーンベアについては、先程こちらの方に近づいてこようとしていたので、アトモスフィアの中に閉じ込めている。


……こう考えると、わたし全部の魔獣の動きを止めてることになるんだよね。魔力の無駄遣いな気がしなくもない。さっさと倒しちゃえば良かったかも。


 軽い反省をしつつも、今はマルーンベアのことに集中だ。


「それにしても……なんで攻撃してこないんだろう?」


 閉じ込めてから、マルーンベアはずっともがくばかりで攻撃を仕掛けてこない。アトモスフィアを消すのは骨が折れる作業だと思うので、抜け出すにはわたしを倒すしかないと思うのだけれど、良いのだろうか。


……何も抵抗してこないのは何故?このまま倒しちゃうけど……。


 首を傾げたわたしだったけれど、これをチャンスを捉えることにした。今なら、そのまま抵抗されずに倒せる気がするのだ。


風刃ウィンドカッター


 わたしがそうぽつりと呟いた瞬間、マルーンベアの首が静かに落ちた。








投稿遅れてすみません!

テスト中でして…………

読んでくださる皆様、ありがとうございます。


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