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作品名を少し変更させていただきました……!また変えるかもしれません。(良いのが思いつけたら)
「……お二人は、反対などはなさいませんか?」
そう言って、壁際に立つリーナとユリウスを見たミューアさん。
恐らく彼女は、わたしがこのままBランクのテストを受けることを止めてほしかったのだろう。視線がそう言っている。
けれど、
「はい。レナ様であれば大丈夫でしょう」
「ええ。私も同じです。レナ様は、私共の心配など必要ないほどにお強いのです」
リーナとユリウスはわたしの考えに賛成してくれた。
……ミューアさんからの立場でいえば、賛成「してしまった」、なのかな?
「そう、ですか……。では、テストをこのまま再開させていただきますが、本当に、無理そうだと思ったら、すぐにでも仰ってくださいね?」
「分かっています」
念を押すようにそう言うミューアさん。
……ミューアさん、優しい人なんだろうな。初めてあった人をそこまで気遣えるなんて。
わたしが返事をしたと同時に、ミューアさんは魔石に手を伸ばした。
「ヴヴヴ……!」
檻から解放された瞬間、唸り声をあげて飛び出してくる五体の魔獣。
わたしは彼等が近づいてきているのを感じながら、それでも慌てずにアトモスフィアを発動させた。場所は、リーナやユリウス、ミューアさんが立っている壁際から二メートルほど離れたところだ。
これで、魔獣達の攻撃は彼等には届かなくなる。それに、わたしは彼等を巻き込まないよう注意しながら戦う必要がなくなるのだ。
もしかしたら、彼等なら自力でなんとかしてしまうかもしれないが、一応、念のためだ。リーナとユリウスはともかく、わたしはミューアさんの強さはよく分かっていない。ある程度は力を鍛えているようではあるけれど。
……音が聞こえれば良いんだけどね。やっぱり結界魔法、調べて覚えておかなきゃ駄目かも。
わたしがそんなことを考えている間に、魔獣は近くまで近づいてきていた。けれど、落ち着きは取り戻したらしい。何体かはこちらを見て「グルルル……」と唸っている。
……何か犬みたいな唸り方。犬とか関係なく、動物は皆同じなのかな?
無駄話はこれで終わりにして。そろそろ倒さなければならないだろう。
何の魔法から試すべきか。絶対に当たるはず、なんてことは考えない。だって相手はBランクの魔獣なのだから。
……うーん、まずは単純に、慈悲の祝福、かな。
という訳で、攻撃の第一弾は慈悲の祝福を使う。その一撃で、ワームアゴットとトルーゼラスが倒れた。
トルーゼラスは、わたしが初めて戦う三体のうち、大蛇のような見た目をしていた魔獣だ。属性は水。水を出現させたり、毒入りの水を口から出したりして戦うらしい。
ヴォルーゾンの劣化版のように感じてしまうけれど、それは正しい。トルーゼラスの強さはBランクの中でも低い。Cランクの魔獣達と同じような強さしかないのである。
そんな訳で、今残っているのはマルーンベアとユーアライゼ、ガードンロイドの三体だ。ユーアライゼは猪のような魔獣で、ガードンロイドが蛙のような見た目をしている方の魔獣だ。
ユーアライゼの属性は風。もちろん攻撃魔法も使ってくるけれど、自分に風を当てることで勢いをつけ、ものすごい勢いで突進してくるのだそうだ。
……猪みたいって言ったけど、もう確実に猪だよね。まぁ……特殊な魔法を使ってくるわけじゃないし、そこまで難しい相手でもない、かな?
そして、ガードンロイドはというと。属性は火だけれど、この魔獣においては注目するべき点はそこではない。
なんと、ガードンロイドは着られると分裂するのだ。ヴォルーゾンは全ての首を切り落とした状態にしない限り再生するという回復型だったけれど、ガードンロイドは増殖型。生半可な攻撃は通用しない。
唯一助かるのは、分裂とは言ってもただ増えるだけではなく、その分体が小さく、力も弱くなるという点だろうか。
体が小さくなる分、ダンジョンなどの見通しが悪いところでは分裂したら逃げられてしまう。けれど、ここではそんな心配は必要ない。見通しが良いからだ。逃げたらすぐに分かる。
……うん、やっぱり全然何とかなりそうだね。
今の間で結構たくさんのことを考えていたように思えるけれど、実際にはそこまで時間は経っていない。十秒も経過していないのである。
まだ幼くて頭がやわらかいからなのか、それともセレスティーナの頭が異様に回転が早いのか、どちらなのかは分からないけれど、この身体は能力が高くて助かっている。
……っていうか、そろそろ本当に真面目にやらなきゃ駄目だね。
残った魔獣達がどんどん攻撃を仕掛けてきている。ユーアライゼは風刃を、ガードンロイドは火の玉を。
わたしはその度に同じく風刃で相殺したり、水で打ち消したりしているのだけれど、流石に面倒になってきた。
「火炎球」
火炎球とは、火魔法の中級生活魔法だ。炎で対象を包みこんで燃やすのである。この炎を消すには、より多い魔力を込めた水で消火するしかない。
わたしはそれを、ガードンロイドに向けて放った。
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