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「それに、C・Dランクの冒険者にとっては、解体している隙に魔獣に襲われることがないので、楽なのだと思います」

「ああ、そういう問題もあるのね」


 狩った魔獣の運搬についてだけれど、確かに、空間魔法の使い手でもなければ、わたしと同じように「収納」することなどできない気がする。


……ヴォルーゾンなんて絶対に持てないよね。ブロクスーンくらいで精一杯なんじゃないかな。


「二人共、ありがとう。ギルドの仕組みについては分かったわ。今からテストを受けたとして、夕食の時間までに余裕を持って帰れそうかしら?夕食に遅れてしまうのは、結構困るのだけれど……」

「BランクやCランク程度でテストを終わりにするのであれば、間に合うと思いますよ。お嬢様の実力でしたら、あと一時間半もしないうちにテストを終えられるかと思います」

「……そう?それなら安心だわ。今から申請しちゃいましょう。……それじゃあ、魔法を消すわね。そうしたら、わたしは“レナ”に戻るから。よろしくね」


 二人が頷いたことを確認し、わたしは「箱」を消した。一気に周りの音が聞こえてくる。


 私達は立ち上がると、少し混み始めて行列ができた受付へと並んだ。


「私が並んでおきますので、お……レナ様は座られていてはいかがでしょうか?」


 リーナのその提案を、感謝しながらもわたしは断った。


「そこまで並んでいる訳ではないし、リーナだけ立たせておくのは嫌だから、良いよ。このまま立っておく。それに、もう少し……あと五分以内に終わりそうだしね」


 受付にいる三人の受付嬢さんが頑張って対応をしてくれているおかげで、列は比較的速く消化されていっている。


 わたしの「五分以内」という予想は的中し、三分ほど待ったところでわたし達の番になった。先程アンディー達といた時とは別の女性の前に進む。


「冒険者登録をお願いします」

「かしこまりました。今回登録をなさるのはどちらさまでしょうか」

「この方です」


 ユリウスがわたしを手で指し示すと、わたしの方を向いた受付嬢さんが一瞬固まった。


「ええ……と、冒険者登録で間違いはございませんよね?かなり危険なものとなっておりますが……」

「はい。私達から見ても、この方の実力は確かなものです」


 そんなユリウスの言葉に頷いているリーナ。


 しばらくわたしとリーナ、ユリウスを代わる代わる見ていた受付嬢さんだったけれど、一度目を閉じると何かを諦めたような表情をして、笑みを浮かべた。


「……。では、登録証をお見せいただけますでしょうか」

「私のものだけで大丈夫でしょうか?」

「はい。お一人様だけで大丈夫です」


 ユリウスは、本日二度目の登場となる彼の登録証を出した。


……なんだろう、写真とかがある訳じゃないから、本人証明のためではないだろうし……。書類作成に必要なのかな?


 日本と違って写真がないこの世界では、登録証を出したとしてもそれが本人のものであると証明するのは難しいと思うのだ。


 適性検査を既に行っている人であれば、そこで魔力が登録されるので、登録された魔力と本人の魔力が一致しているかを見て本人かどうかを確認できる。時間も手間もかかるので、よほどのことでもない限り、わざわざそんなことをする人はいないと思うけれど。


……盗まれて悪用、とかそういうのはないのかな?悪用って言っても、何に使えるのかは謎だけど……。


 わたしがこんなことを思うのは元日本人だった時の感覚が残っているからだろうか。


 わたしがそんなことを考えている間、受付嬢のお姉さんはユリウスに登録証を返していた。


「今から数枚の書類をお渡しいたしますので、用意が整うまで、記入をお願いします。そちらのテーブルを使っていただいて構いませんので、担当者が参るまでお待ち下さい」

「分かりました」

「……ああ、今回ご登録予定のご本人様が字を書けない場合には、お二人の内、どちらかが代筆してくださっても構いません。……では、お願い致します」


 わたし達は受付から離れ、今示されたテーブルへと向かった。先程までわたし達が使っていたテーブルとは違って四角いそれ。「登録希望者用」と書かれた板が置いてある。


「レナ様、どうぞ」


 ユリウスが持っていたインク壺とペン、そして髪をテーブルに置くと、椅子を引いてくれた。


「ありがとう、ユリウス」


 あいにく椅子は一つしかなかった。書類を書くためのテーブルだからだろうか。わたしだけが座るのは少し申し訳なく感じるけれど、座らなければ高さが合わないので何も書けない。


……大人用の椅子とかテーブルって、今のわたしには結構高いんだよね。


 実を言うと、屋敷にある椅子・テーブルですら高さがあっていない。これは、わたしがまだ子供だから。それだけだ。決してわたしの背が低い訳ではない。


 いつも食事をしている食堂や図書室は他の人も使うから仕方がないとして、部屋の二つある内の学習用テーブルもわたしにとっては大きいのだ。


……今はもう一つのローテーブルを使ってるから良いんだけどさ。あれはあれは高いけどね。なんでなんだろう。うーん……。


 まあそれは良いとして、高い椅子に座る時に重宝する便利で簡単な方法を教えたいと思う。








二日連続投稿できました……!

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 冒険者登録編でストーリーを忘れてしまったので もう一度、最初から読み直してました。 思い出した!お兄様たちのお友達の高位貴族が主人公への反応からすると無自覚でモテるほど人たらしに違いな…
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