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あけましておめでとうございます。

今年もこの「生まれ変わったら異世界でした」を、よろしくお願いします。






「いや……さすがに謝罪は要求されなくてもするぞ?」

「そうですか?」

「ああ。……なあ?お前等」

「ああ」

「結構酷いことを言った覚えはあるからな。全く見当違いだったからには、謝らなきゃ駄目だろ」


……あれ、意外と皆さんちゃんとしてらっしゃる。穿(うが)っためで見過ぎてたかな?


「……てな訳で、さっきは悪かった。勝手に喧嘩ふっかけて、酷いこと言って」


 アンディーの言葉に合わせて、頭を下げる三人。そんな彼等の姿に、わたしはリーナの様子を伺った。


……ちょっとは怒りは溶けたかな?


 分かりにくいけれど、先程と比べれば少し目の奥の怒りが薄れている、気がする。


「三人共、顔を上げてください。先程も言いましたが、僕はもう怒っていません。リーナとユリウスにも謝ってくれましたし……。二人も、これでもう良い?」

「レナ様が怒っていらっしゃらないのであれば、私に異論などございません」

「私もです。ですが……次はありませんよ」


 ユリウスに続いてそう言ったリーナの言葉に、アンディー達がゴクリと喉を鳴らして頷いた。


「あ、ああ!勿論だ」


 わたしもそれに頷く。


「そうですね。僕に言えることでもないのかもしれませんが、アンディー達は、もう少し相手の実力を見抜く力を磨いた方が良いのかもしれません。それで身を滅ぼすことになりかねませんから」

「そうだな。気を付ける」

「今回でそれを痛感したさ……」

「許してもらえて良かったよ……。俺は心を入れ替えようと思う」


……うん。反省しているようで何より何より。


 偉そうな態度を取っているわたしに対して、お前は何様だというツッコミが入りそうなだが、これは本当にそうだ。人の地雷などを踏みまくって変なところで恨みを買って、破滅するというのは洒落にならない。気を付けて欲しいと心から思ったのだった。


「……許してもらえたのは嬉しいんだが……結局、俺達は何をすればいいんだ?」

「……もう謝ってもらったので、特にやってもらいたいことというのはないんですが……」


 わたしは顎に右手を当ててしばらく考える。


「……では、もし僕がこれから何かに困った時、貴方(アンディー)達が僕を助けてください。もしかしたら、いつかこの付近の情報が必要になることもあるかもしれませんから。そんな時に、貴方達が僕に協力してもらえますか?」

 

 わたしがそう言うと、アンディー達は困惑したような表情でお互いの顔を見合わせた。


……あれ。この反応は……駄目(バツ)、かな?


「無理、でしたかね?それなら……」


 大丈夫ですよ、と続けようとしたわたし。その言葉を遮り、アンディーは首を横に振った。


「いや……いや、それで全然いいんだが。大丈夫ではあるんだが……?」

「……?」

「レナ様、恐らくこの者達は、レナ様がもっと規模の大きいお願いをなさると考えていたのでしょう。一生命令に従え、ですとか……」


 言葉に渋っている様子のアンディーを見かねてか、ユリウスが説明してくれた。アンディー達三人は大きく頷いている。


「そうだ。だから、予想と違ってて驚いちまったんだ」

「そういうことですか。……じゃあ、できないという訳ではないということで良いですね?」

「ああ、むしろそれぐらいで良いなら一回と言わずいくらでもするぞ。お前等……っていうかレナは、俺達の命の恩人だしな」

「ヴォルーゾンを一人で倒せちまうような奴に、俺達の助けが必要になることがあるのかは分かんねえけど……いつでも呼んでくれ」

「出来るだけのことはするさ。俺達はこれでも、ギルドでは顔が知れてる方だからな」

「はい。お願いしますね」

「ああ」


 頷いたアンディーに、トーマスが何かを思いついたように声をかけた。


「なあ、アンディー。レナにあれを片方渡しといたらいいんじゃないか?」

「ああ、確かにそれがいいかもな。でも、今手元にあるか?」

「ある。ほら」


 トーマスがアンディーに何かを渡す。そして、アンディーはそれを数秒間眺めた後、テーブルの上に置いた。


 「それ」は、直径四センチメートルくらいの大きさの魔石。今は何も魔力が入っていないらしく、透明な状態だ。


「これは、ウラールフメナスっつー魔獣の魔石だ。一つ渡しとくから、何か俺達に用がある時に魔力を込めてくれ。ウラールフメナスって言って通じるか?」

「大丈夫です、分かります。確かに、簡単な連絡手段としては便利ですね。用途は結構限られますけれど」


 ウラールフメナスというのは、Aランクの魔獣だ。属性は風と火の二つで、Aランクの中でもSランクに近い、強い魔獣だ。


 強いだけではなく,彼等には大きな特徴が一つある。


 それは、常に複数体で行動すること。基本的には二体ずつで一組(ペア)になっていて、その二体は一蓮托生の仲なのである。その言葉通り、片方が死ねばもう片方も道連れになって死んでしまうのだ。


 それだけを聞くと比較的倒しやすそうに思えてしまうが、それは全く違う。ペア同士での協調性が凄まじいのだ。攻撃力も強いので、それが同時に、息ぴったりにかかってくるのだ。


 それがウラールフメナスがAランクの中でも上位に君臨している由縁である。二体であればまだ倒すことも可能だが、群れの数が増えると脅威度が跳ね上がるらしい。


 わたしが先程戦ったヴォルーゾンはSランクの中でも弱い方の魔獣らしいので、恐らく群れたウラールフメナスとヴォルーゾンが同じくらいの強さなのではないだろうか。


……まあ、わたしは遭遇したことがないからその強さも分からないんだけどね。






これからしばらく更新途切れるかもしれません。

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