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「おまたせいたしました、皆様」


 わたし達が部屋を移動してから十五分ほどが経ち、ミューアさんが戻ってきた。その手には、二つの袋が乗ったお盆を持っていた。


 ミューアさんは、そのお盆をわたし達が座る椅子の近くのテーブルに置くと、袋を一つ手に取った。


「まず、こちらがトライアドの皆様からお預かりした素材分の金額になります。ムーンヘルモスが三体、ブログフォーンが二体で、合計金貨四枚と大銀貨六枚になります。お確かめください」


 ミューアさんは袋をアンディーに手渡すと、手元の紙を読んでそう言った。そしてまたもう一つの袋を取る。こちらはユリウスに渡された。


「そして、リーナ様、ユリウス様は……。ワームアゴットが六体、マルーンベアが三体、……ブロクスーンが四体で、合計が大金貨に五枚と金貨が三枚、大銀貨が七枚となりますね」


……おお、わたし達、結構な量の魔獣を狩ってたみたい。


 ミューアさんが名前を出した魔獣の種類は,全部で軽く十は超えていた。それらが複数ずつなので、今日だけでわたし達は相当な量の魔獣達を狩ったのではないだろうか。


 とりあえず、アンディー達との勝負には余裕で勝てそうで安心した。


「どちらも既に手数料は差し引かせていただいております。……それでは、金額に間違いがないことを確認できましたら、こちらにサインをお願いします」


 まず、アンディーがペンを持って名前を書く。アンディーはパーティ名で登録しているからか、「トライアド」と書いていた。そして、次はリーナとユリウスがもう一枚の紙に署名する。


「ありがとうございます、確認しました。それでは、これにて終了とさせていただきますが、よろしいでしょうか?」

「ああ」

「はい」


 アンディーとユリウスの返事を聞いて、ミューアさんは一つ頷いた。


「私はこれで失礼させていただきますが、ご退出の際に、あちらの魔石に魔力を少々お流しください」


 ミューアさんが手で示した方に目を向ける。すると、扉のすぐ横に、魔石の乗った小さな棚があった。


……なんで、魔石がいるんだろう?


「リーナ、どうして魔力を流す必要があるの?」


 ミューアさんが退出した後、わたしはリーナにそう尋ねた。


「あの魔石に魔力を流すことで、部屋が使い終わったかをギルドの方で確認できるのです。部屋の中が空いたことが確認されると、次の者が使えるようになります」


……へえ。便利だね。




 ******



 わたし達は部屋から出て、元いた受付へと戻った。


……あ、ちゃんと魔石はやったよ。ユリウスがやってくれた。


 辺りを見回して、空いていた席に座る。


「えーと……あの、勝負に関しては、僕達の勝ちということで良いんでしょうか?」

「ああ、そうだな。お前達の勝ちだよ」

「助けられた挙げ句に、あんな大差をつけられちまったら、文句のつけようもねえ」

「……なんかもう俺は分かってた」


 アンディー、ジャン、トーマスの順での発言だが、思っていたよりも素直に負けを認めてくれそうで、少し安心する。


……良かった。これで「俺達はヴォルーゾンに襲われて時間が足りなかったんだ」とか言われたらどうしようかと思ったよ。


 普通の勝負だったらそこまで勝ちにはこだわらないのだが、今回は「勝者の言うことを、敗者が一つだけ聞く」という条件があったので、負ける訳にはいかないのだ。


「負けたら相手の言うことを一つ聞くって約束だったよな?……俺達は何をすればいいんだ?」


 緊張した面持ちでそう聞いてくるアンディー。残る二人も同じような顔をしている。


……そんなに構えなくても、変なことは要求するつもりないんだけどなあ……。


 心の中で苦笑しながら、わたしは隣に顔を向ける。リーナとユリウスの考えを聞くためだ。


「……リーナとユリウスは何か彼等にして欲しいことはある?」

「私はありません。レナ様のお望みのままに」

「私も特にはありませんが……強いて言うのであれば、レナ様への謝罪を要求したいです」


 リーナの言葉に、わたしはまたも苦笑した。


「わ……僕への謝罪って……。アンディー達からは、もうダンジョンで謝ってもらったよ。それに、もともと僕は大して怒っていなかったよ。リーナとユリウスに対してなら別だけれど、僕には特に何も謝ってもらう必要があることは言われていなかったからね」


……っていうかリーナ、まだ怒ってたんだ。


「だからむしろ僕は、リーナとユリウスへの謝罪が欲しいところかな」


 わたしがそう呟くと、わたし達の会話を聞いていたアンディー達が口を開いた。






久しぶりの投稿です。すみません......

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