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わたしは彼等の言葉に少しだけ眉を寄せた。
……「八歳だとしてもこいつは小さい」って……身長、気にしてるんだけど。
普段はあまり意識しないようにしているけれど、わたしの身長は低い。百センチは超えていると思う。というより、それはさすがに超えていて欲しい。そうでなければ困る。
けれど、確実に百十センチはないだろう。多分、百センチ後半ぐらいではないだろうか。
この世界の長さの単位が日本と同じなのかどうかも分からないし、測る機会も今までなかった。だから正確な数値は分からないのだ。
……わたしの周りにいる人って、基本的に皆背が高いんだよね。
兄様達も、お父様も、リーナもユリウスもわたしからすれば皆大きいのだ。
わたしがそんなことを考えていると、わたし達の座るテーブルに、一人の女性が近づいてきた。
「トライアドの皆様、そしてリーナ様、ユリウス様ですね。私はギルド職員、ミューアと申します。部屋のご用意ができましたので、ご移動お願いします」
思っていたよりもすぐに部屋が用意されたことに少し驚いたけれど、彼女の言葉に従ってわたし達は立ち上がった。
「こちらの部屋で対応させていただきますね」
ミューアと名乗る女性にそう告げられ、わたし達は左右にたくさんの扉が並ぶ廊下の中、一つの部屋に入った。中はそれほど広くなく、中央に大きめのカートのようなものが置かれている。
「では早速ですが、換金する素材をこちらにお出しいただけますでしょうか」
その言葉を聞いて、アンディーとトーマス、ジャンが背中に固定していた荷袋を下ろした。そんな彼等を横目で見ながら、わたしも収納魔法でしまっていた素材を目の前のカートの上にまとめて全部置いた。
わたしが魔石まで残さずに全て出したのは、今の時点でいくつか残っているからだ。今日狩った分を除いたとしてもあと数十個はあるのだ。それだけあれば、
……これから何か魔石を使う予定ってあったっけ?あ、適性検査とか?
未だにわたしは自分が何の属性に適正があるのか分からない。だいたいの魔法は使えているので、その属性はあるのだろうけれど、正確なものは知らないのだ。
……知らなくても特に問題はないんだろうけど、一応分かってはおきたいよね。
それに、もし光属性や闇属性などの貴重属性があったのであれば、今までに挑戦していなかった魔法も試すことができるかもしれないのだ。
そんなこんなで、もしかしたら近いうちに自分の適性検査を自分が持っている魔石を使ってするかもしれない。
……もしやったとしても、多分使う魔石は十個は超えないでしょ。
どちらにせよ、足りなくなったのであれば時間がある時にまた狩れば良いだけの話なのだ。
「……。こ、こちらで以上でしょうか?」
「はい。ただし、こちらとこちらは分けて換金していただけますか?」
「かしこまりました。では、この後、一度この部屋から退出いただき、向かいの部屋にご移動いただけますでしょうか。椅子がありますので、そちらにおかけになってお待ちください。私は、こちらの素材を別の場所に運ばせていただきます」
何故か一瞬固まったミューアさんだったけれど、わたし達にそう告げるとカートを押して部屋から出ていった。
扉がミューアさんの姿が見えなくなり、扉が閉まった瞬間、先程から信じられないというような視線をこちらに向けて着ていたアンディー達が声をあげた。
「おいおい、ちょっと待ってくれ。お前等、勝負が始まってからのあの二時間……いや、その後俺達のとこに来てくれたんだから、一時間ちょっとか。その短時間で、あれだけの魔獣を全部狩ったのか⁉」
「……?はい、そうですが。何かおかしいですか?」
「いや、おかしいどころの話じゃないと思うんだが⁉……なあ?」
わたしからの疑問にそう答えたアンディーは、残りの二人に視線を向けた。それを受けた二人は頷く。
「Aランクの冒険者が二人いて、レナが強いってことも分かってはいるが、それにしたって異常じゃないか?俺の感覚がおかしいのか?」
「……いや、お前は正しいと思うぞ、ジャン。俺も正直理解できないからな」
意味が分からないというように、しきりに首を傾げている三人。
彼等の様子を見てわたしがリーナとユリウスに視線をやってみると、二人はいつもと同じ平然とした表情を浮かべていた。
……いや、いいや。わたし達がおかしいのか、アンディー達が間違ってるのか、いちいち考える方が面倒臭いし。
そう結論を出したわたしは、アンディー達を見る。
「……まあ、良いんじゃないですか?別に気にしても仕方のないことですし」
「いや、そうなんだがな……?」
未だに何か言いたげな、でも何を言えば良いのか言葉が出てこない、というような表情をしているアンディー達三人をわたしは放置する。
そして、リーナとユリウスと一緒に先程ミューアさんに言われた部屋に移動したのだった。
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