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今日は文字数が少なくなりました.......すみません!
「後一時間もないから、もう一度魔獣を集めるのには無理がありそうね……。二人が良ければ残りの時間はダンジョンの中を歩いて魔獣に遭遇したらその都度倒していくって方式に切り替えたいのだけれど、それでも良いかしら?」
「もちろんです、お嬢様」
「はい。それに、今の時点でもすでにあの者達に負けることはないと思いますし」
そんな訳で、わたし達は今までいた場所から離れ、このダンジョン内を歩き回ることにしたのだった。
しばらく歩いていくと、進行方向が騒がしくなっているこんとの気づいた。
「……何かしら?」
「――!―――!!」
「――!!」
何を言っているのかまでは聞き取れなかったけれど、何やら叫んでいるようだった。少なくとも二人以上はいる。その声を聞いて駆け出すわたし。
「お嬢様?!」
「セレスティーナ様、どうなさったのですか?!」
「リーナ、ユリウス、ごめんなさい!少し向こうに行ってくるわ!」
ここでは叫ぶことなどよくあるかもしれないけれど、ここがダンジョンで、魔獣達がたくさん出没する場所である異常、あの悲鳴は魔獣に襲われている人達のものかもしれないのだ。その可能性があるからには、無視することなどできなかった。
本当に「そう」なのかも、もしそうだったとして、わたしにその魔獣を倒せるかどうかもわからないのだから、馬鹿だと言われてしまえば否定することもできない。でもそれでも良い。馬鹿だろうが何だろうが、困っているかもしれない人がいるのであれば、できることはすべきだ。
……まあ、それでわたしの手に負えずに怪我をしたとしても、それはわたしの自業自得だね。
わたしが驚愕の声を上げるリーナとユリウスに返事をした少し後、後ろで二人が走り出したような気配がした。危険な目に遭わせないように、彼等にはこのまま待っていてほしかったけれど、まあ仕方ない。たとえ魔獣に遭遇したとしても、彼等ならばどうとでもできるだろう。むしろ、心配しなければいけないのはわたしの方かもしれない。
それでも、今も叫び続けている人達の方に行くのだと決めたからには途中で辞めることもできない。その一心から、聞こえる悲鳴が大きくなってもわたしは走り続けた。幸い、魔獣に出くわすこともなく、数十秒で目的地にたどり着くことができた。
そこでは、十数人の男の人達が一匹の大きな魔獣と戦っていた。その中には今わたしの勝負相手であるあの三人組も見えた。
魔獣の方は、五メートル近くありそうな巨躯をしていた。蛇のような見た目で、首がたくさんある。
……何かに似てるんだよなあ。なんだっけ、えーと……そうだ、ヤマタノオロチだ。神話に出てくる大蛇。
そんなヤマタノオロチのような魔獣に、周りの男の人達――恐らく冒険者だろう――が攻撃を仕掛けているが、あまり大きなダメージは与えられていないように見える。
「あ、れは……」
「ヴォルーゾンですね。」




