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 ユリウスの言葉に、わたしは少し目を見開いた。今に会話で、魔石が砂になった理由が推測できるような言葉が何かあっただろうか。


「教えてもらっても良いかしら?」

「はい。……セレスティーナ様は、恐らく魔力量がとても多いのでしょう。それも、私達とじは比べ物にならない程のレベルで。だからこそ、全身に魔力が行き渡っている。それが原因で、無意識でも魔石に魔力が吸われてしまうのだと思います」

「……わたし、それほど魔力が多いのかしら?自分ではよく分からないのだけれど……」


 そんなわたしの疑問に答えたのは、ユリウスではなくリーナだった。


「お嬢様の魔力量は、普通の公爵家系の方々と比べても多いと思いますよ。慈悲の祝福や上級である空間魔法までを習得されていて、更には慈悲の祝福を含めた魔法を連発しても魔力不足を起こされていないのですから。現在この国で最も魔力が多くなると言われている第一王子殿下と現時点で並んでいらっしゃるのではないでしょうか?」

「アルフォンス殿下が?」


 まず、アルフォンス殿下がそう言われていることすら初めて知ったのだが、まあそれは良いだろう。今はわたしの魔力量についてだ。


 わたし個人としては、自分が特に魔力が多いという自覚はなかった。でも、よく考えてみればそれは当然だ。わたしは自分の周りにいる人達の魔力量など知らないし、自分の魔力量について考えてみたこともなかった。


 けれど、よく考えてみると、確かにわたしの魔力量は多いのかもしれない。


 基本的に、練習と復習のためにわたしは毎日何時間も魔法を使ってきていた。それでも、一度も魔力不足を起こしたことがない。


 そういう視点から考えてみると、本当にわたしの魔力量は他の人と比べて多少は多いのだろう。


 それでも、さすがに兄様達と同い年のアルフォンス殿下とわたしの魔量が並んでいる、というのは大袈裟だと思う。


「……わたしの魔力量が多いという点は納得したわ。よく考えてみるとわたしにも少し心当たりがあったから。でも、魔力量が多いというのは良くないことなの?これも隠した方が良いかしら?」

「そうですね……。今のうちは魔法が使えるということと併せてできるだけ秘密にしておいてた方が良いと思います。ですが、学園に入学すると魔力検査というものを行うので、最終的には知られてしまうでしょう。その際に魔石に込める魔力を少なくして、他の方々には内緒にしておくという手段もありますが……」

「お嬢様が内緒にしたいとお考えなのでしたら私はご協力させていただきます。魔石に魔力を込めすぎないための練習をするなど、できることは沢山ございますので」

「……検査で魔力が高いことが分かったら、目立つわよね?」

「そうですね。同い年に貴族の方だけでなくアリステア王国中の貴族から注目されるでしょう」

「もしかすると、他国の貴族もセレスティーナ様と関係を持ちたがることになるかもしれません」


 ユリウスとリーナの答えを聞いてわたしは学園に入学した際の検査のことについて少し考えてみた。


 わたしは、できるだけ目立ちたくないと思っている。もちろん、貴族の、それも公爵家の娘となれば社交など、しなければいけないことはあるだろう。けれど、必要がないところでは人の目をわざわざ集めたくないのだ。


……わたしなんかに他国の貴族までもが目をつけてくる、っていうのもちょっと考えられないけど、とにかく目立つのは必要最低限にしたいんだよね。


「わたしは……学園入学後の検査ではあまり目立ちたくないわ」

「分かりました。では、私とユリウスはお嬢様がそのように希望されているという前提で動かせていただきます。お考えが変わられた場合には、教えていただけるとありがたいです」

「魔力操作の練習もいたしましょう。そのためにも、魔石は多く集めておいた方がよろしいかと」

「……分かったわ。それならやっぱり今日はこのまま魔獣を時間ギリギリまで狩り続けた方が良いわね。孤児院の皆が使う分もあるし、できるだけ早くに沢山集めなきゃいけないもの」


 魔石を沢山集めるとなると、あまり時間はない。だから、わたし達は急ぎ目で行動した。今まで会話していたところよりも下階層へと場所を移す。


 そこには、様々な種類の魔獣達がいた。本で名前と姿は知っていても、直接自分の目で見たのは今回が初めての魔獣ばかりだ。


……まあ、そうは言っても普通に生活してて魔獣と遭遇する、なんてこと、あるわけないんだから、それは当たり前なんだけどね。



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