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「リーナ、ユリウス、お疲れ様。……なんであんなに沢山の魔獣が寄ってきたのかしらね?」
「もしかしたら、先程セレスティーナ様が魔石を握った時の光に気づたのかもしれません」
「……それ、もしそうだとしたら完全にわたしのせいじゃないかしら?ごめんなさい、二人共。巻き込んでしまって……」
あれだけの魔獣に襲われることになった理由が分かり、驚くと共に居た堪れなさを感じた。
「お気になさらないでください、お嬢様。お嬢様のせいではございません。それに、魔獣が多く集まってきたおかげで、魔石も沢山手に入りましたよ」
「リーナの言う通りです。どちらにせよ、いつかはこうなっていたでしょうから。それが今日だったというだけです」
「……ありがとう」
励ましてくれているのだろう二人の言葉を聞いて、気持ちが少し前向きになった。
これ以上気を遣わせなくて済むように、わたしは笑みを浮かべて話題を変えた。
「お気になさらないでください、お嬢様。お嬢様のせいではございません。それに、魔獣が多く集まってきたおかげで、魔石も沢山手に入りましたよ」
「リーナの言う通りです。どちらにせよ、いつかはこうなっていたでしょうから。それが今日だったというだけです」
「……ありがとう」
励ましてくれているのだろう二人の言葉を聞いて、気持ちが少し前向きになった。
これ以上気を遣わせなくて済むように、わたしは笑みを浮かべて話題を変える。
「……ねえ、今は何時なのか分かる?帰らなければならない時間まではあとどれくらいあるのかしら?」
「屋敷に戻る予定の時間まではあと二時間程ございます」
「そうすると、今日のうちにお肉も売ってしまいたいから、あと一時間くらいはここにいられるわね」
わたしは顎に片手を添えてこれからできることを考えていく。
……魔獣を狩るのでも良いし、逆にここを出てどこかで遊ぶというか何かしら時間を潰しても良いかもしれない。うーん……。
そんなことを考えていたわたしだったけれど、途中であることに気づいた。
「……リーナ、ユリウス。わたし達って、今魔獣を沢山狩っちゃったでしょう?今日の残りの一時間でまた魔獣を狩っても大丈夫なのかしら?」
「大丈夫だと思いますよ」
「本当に?このダンジョンの中のバランスが崩れてしまったりしないのかしら?」
「はい。一度に多くの魔獣を狩ったとはいえ、このダンジョンに生息する魔獣の数には到底及びません」
「それに、このダンジョンでは毎日それこそ大量の魔獣が誕生していますからね。元々冒険者達の中では魔獣が多すぎるという評判でしたから、これからお嬢様が何十匹か狩られたところで大きな問題はないと思いますよ」
「そう。……それなら、これからの一時間は魔獣を狩ってお肉や皮を増やすわ。リーナ、ユリウス、よろしくね」
「それは構いませんが……セレスティーナ様は大丈夫なのですか?」
心配そうにそう尋ねたユリウスの言葉に、わたしは首を傾げた。
「……えーと、何のこと?わたしは全然元気だけれど」
「セレスティーナ様は先程から魔法を連発していらっしゃいますよね?それに、地盤硬化や慈悲の祝福までお使いになられていますし……魔力不足にはなっていませんか?」
「ああ、そういうことね。わたしなら大丈夫よ。それを言うなら、リーナとユリウスは大丈夫なの?」
「……私も大丈夫です。お気遣いいただきありがとうございます、お嬢様」
「私も同じく。……ですが、先程、セレスティーナ様が魔石を手に取った瞬間に飽和状態に陥った原因が分かったかもしれません」
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。




