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「リーナ、ユリウス、大丈夫かしら?怪我はしていない?」


 わたしは振り返って二人に問いかける。そして彼等の身体を上から下までじっと見た。特に怪我はしていないようで、安心する。


「私は大丈夫です。それよりもお嬢様は大丈夫ですか?」

「ええ。大丈夫よ。二人が無事で本当に良かったわ。」


 わたしはそう言ったところで周りに広がる大量の死体に目をやった。わたしが倒したのは三十匹ぐらいだけれど、この場にあるのは恐らく七十匹を超えるだろう。もしかしたら百匹以上いるかもしれない。


「……大変そうだし多分結構時間がかかるけれど、やるしかないのよね……。リーナ、ユリウス。今からとりあえず、この魔獣達を全部解体するわ。一緒にやってくれるかしら?」

「ええ、もちろんです」

「分かりました。セレスティーナ様、最初はお手伝いいたしましょうか?」

「いいえ、大丈夫よ。一人でできると思うわ」

「そうですか。では何か分からないことがありましたらお聞きください」

「分かったわ。ありがとう」


 そうしてわたし達は解体を始めた。地面の上にしゃがみ込み、一番近くにあるものから片付けていく。


 魔法で氷のナイフを作り出し、皮を剥ぎ、魔石を取り出す。そうしたら収納し、また別の魔獣の皮を剥ぐ。魔石を取り出す。


 そんな風にひたすら同じ作業をしていた。解体は初めてだったけれど、ユリウスに教えてもらった時のことを思い出して、なんとかやっていく。


 ブートリオは身体が大きいし、ワームアゴットやミュートガンは体が硬い。それでもあまり時間をかけないようにしながらひたすら皮を剥いで魔石を取るという動作をし続けた。


 同じ作業だけをずっとやっているので、途中からはもはや何も考えていなかったけれど、とにかく続けた。


 トルクヴァーンとブロクスーンの皮を剥ぐ時は少し楽しかった。毛がふわふわしていて、触り心地がとても良いからだ。


 反対に、大変だったのはワームアゴットとミュートガン。爬虫類があまり好きではないわたしにとって、蛇やサソリのような見た目をしている彼等に触るのは精神的にきつかった。


……ごめんね、ワームアゴットとミュートガン。貴方達が悪い訳じゃないんだけど。見た目が苦手なの。本当にごめんね!


 殺さなくて済むように、今度からは襲われないと良いなあなどと思いつつ、頑張って解体したのだった。


 地面に埋まったまま息絶えていたブートリオとブロクスーンは地盤硬化を解除して引き上げた後、土を魔法で元通りにした。


……これで良し。誰かがあの穴に落ちちゃうこともなくなったでしょ。

 

「や、やっと終わった……」


 わたし達が全ての魔獣の解体を終えたのは、約三十分後のことだった。


 リーナ達はそれぞれを分類して一箇所にまとめてくれていた。皮、魔石、肉の三つの山ができている。


 わたしはそれをしまおうとして、わたしはあることに気づいた。


……これ、もしかして新しい空間を作った方が良いんじゃない?


 今のわたしの第一の収納場所には、色々なものが入っている。クッキーなどの食材も入っているので、いくら時間の流れがないとはいえ、魔獣の死体からできた肉などを入れるのは流石に躊躇われる。


 第二の場所は、わたしのバッグに設置しているのだが、今日は持ってきていない。多分この場で出せなくもないけれど、わざわざする必要はないような気がした。そこにも一応紙やペンなどが入っていることも理由の一つだ。


 それに、全て一緒にしまったとしても、取り出すのはどれも別な場所なのだ。肉は専門の肉屋さん、皮は決まっていないけれど、多分ホークス商会。


 そして魔石は、孤児院で使うためにわたしが取っておく。もしかしたら、わたしがそれより前に少しだけ使わせてもらうかもしれないけれど。


 そういうことで、わたしは魔石と皮、それに肉をそれぞれ別にしまうための空間を新たに作り出すことにした。


 自分が解体した魔獣達の魔石などを目の前に山に分別して置く。


 そして、それらに三つの山をそれぞれ丸ごとしまった。大量あった魔石などをが全て消えたことで、この場が一気に広く感じるようになった。


 わたしは肩の力を抜いてリーナ達の方を見た。

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