プロローグ2
プロローグの2です。次から本編入ります。
放課後になり、わたしは家へと帰っていた。学校から出て三分ほど歩き、歩道橋の上にいた時だった。
「ねえ、ちょっと!」
振り返ると、谷口さんが立っていた。声を掛けてきたのは谷口さんだったらしい。
「谷口さん、どうしたんですか?谷口さんのお家って、こっちの方でしたっけ?」
不思議になって尋ねると、谷口さんはわたしの方に近づいてきた。
「そんなことどうでもいいわよ!あんたって、本っ当にいつも私の邪魔するわよね」
「……え?」
そう言われた。当然のことだが、わたしには谷口さんの邪魔をした覚えはない。
「あんたのせいで、学校で人気者になるっていう計画が台無しなのよ!今日だって、わたしがわざわざ転んだのに、素直に謝るし……とぼけないで!」
今日、学校で転んだのは、やはり私のせいではなかったらしい。谷口さんはそのまま話し続ける。
「誰からも好かれるようになるために面倒くさいキャラ作りまでしてるっていうのに……どうしてくれんのよ!」
そう言いながらも、彼女はどんどん近づいてくる。その迫力にわたしは後ずさっていった。
「え、ええ……そういわれても……」
谷口さんに、そんなふうに思われていたなんて初めて知った。というかまず谷口さんがキャラ作りをしていたことの方が驚きだ。
確かに、学校にいるときと今では話し方が少し違う。一番分かりやすいのはやはり一人称だろうか。学校では自分のことを「綾香」と名前で呼んでいるのに、今は「私」だ。
「え、えーと、でも、谷口さんは今の時点で、とても皆さんに好かれていますよね?お友達もいっぱいいますし。キャラなんて作らなくても、今の谷口さんのままで充分魅力的なんじゃ……」
「はあ?!今の状態に満足していないから言ってるに決まってるでしょ?馬鹿なの?」
わたしの目の前まで来ていた谷口さんが更に一歩踏み出した。
わたしも後ろに下がるために足を後ろに出した、はずだった。しかし、その足は地面には着かなかった。
谷口さんと話している間に、歩道橋の階段部分まで来ていたらしい。わたしが足を出したのは、階段の段差の部分だったのだ。
バランスを取れずに身体が傾く。手を伸ばしたけれど掴めるものは何もない。そのままわたしは歩道橋の階段から落ちていった。
時間にすると、恐らく数秒。でも、わたしにはもっと長い時間に思えた。
しばらくして、わたしは背中から地面に叩きつけられた。頭がすごく痛い。
そうして、わたしの視界はだんだん暗くなっていったのだった。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。




