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新キャラ登場です。
「……誰かしら?兄様のご友人の方?」
その場にいるのは、兄様達を除いて四名。
わたしが彼等のことを見つめていると、ウィリアム兄様がわたしに気づいた。
「……セレスティーナ。どうしたの?」
その言葉に、アルバート兄様を含めた五名が一斉にこちらを向く。急に多くの視線を浴びたせいか、少し怖くなって半歩ほど後ずさってしまった。ほんの少しだから、気づかれてはいない、はず。
わたしの方に兄様が歩いてくる。それに合わせて、他の四人も近づいてきた。
「ねえ、君は……ウィリアムとアルバートの妹ちゃん?」
緑色の髪とオレンジ色の瞳を持つ男の子がそう聞いてきた。恐らく、年齢は兄様達と同じくらいだと思う。初対面な上に、わたしより年上の人に話しかけられたのだから、礼節をわきまえて返答しなければいけないだろう。
そんな大袈裟な、と思うかもしれないが、貴族社会というものは基本的に礼儀を大切にするのだ。本で読んだ。
「ああ。俺たちの四歳下の妹のセレスティーナだ」
そんなことを考えていたら、わたしより早く、アルバート兄様が返事をした。
「セレスティーナ、彼等は僕達の友人だよ。左から順にアルフレッド、オーティン、ルーカス、アルフォンスだよ」
「アルフレッドとルーカスは僕達より一つ年下で、ルーカスとアルフォンスは同い年だ」
ウィリアム兄様とアルバート兄様が彼等のことを紹介してくれた。その名前を聞いて、わたしは以前貴族の家系図を読んで覚えた人物の中から彼等と同じ名前を探す。
幸い、同じ名前の人はいなかったため、比較的すぐに家名をことができた。礼儀作法の本に、初対面の人と話すときには、許可されるまで家名を付けて呼ぶ必要があると書かれていたのだ。
水色の髪に水色の瞳の可愛らしい顔立ちの方がアルフレッド・オスカー様。オスカー家は我が家と同じく公爵家だ。
先程わたしに質問してきた緑色の髪とオレンジ色の瞳の方がオーティン・アウツバーグ様だ。彼は、胸辺りまで伸ばした髪を1つに結んでいる。アウツバーグ家は、公爵家に次いで爵位の高い侯爵家である。爵位こそ侯爵だけれど、長い歴史とこの国への貢献で、ウェルストン公爵家のような影響力を持つ公爵家に並ぶほどの力を持っている。だから、並の公爵家では、アウツバーグ侯爵家を無下にはできない。それほどの力を持つのが、アウツバーグ侯爵家なのである。
ルーカス・ケルライン様は、紺色の髪に金色の瞳を持っていて、まっすぐ伸びた髪を肩の辺りで切り揃えている。ケルライン家も、ウェルストン公爵家に並ぶ公爵家だ。
そして、最後にアルフォンス・アリステア様。家名が国名であるアリステアとなっていることから分かるように、王族である。アルフォンス様は確か第一王子だったはずだ。
……え?兄様のご友人って高位貴族ばっかりじゃない?公爵家だから?
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。