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 リーナと別れて一人になったわたしは、早速図書室に行くことにした。


「……まずは第一図書館かな?そっちの方が本も多いと思うし」


 そう考え、二階の図書館に移動した。大きな扉を押し開ける。


 部屋の中に進むと、そこは一面の本棚だった。多分とっても大きい部屋なのだろうけれど、本棚が多すぎて狭く感じてしまう。とは言っても、人が通ることのできるぐらいの通路はある。


 わたしは本棚の間を歩いて種類を見ていった。案内の時に、リーナが第一図書館だけで一万冊弱は置かれていると言っていたが、本当に冊数が多い。


「……えーっと、礼儀作法、貴族の家系図、アリステア王国の歴史、地理、アリステア王国の周辺国の地理……。アリステア王国ってこの国のこと?あとは、植物、薬草、魔獣に魔法……。魔法?!やっぱり魔法があるんだ……さすが異世界。今日は魔法が使えるのか試してみようかな」


 本棚から目についた魔法関係の本を取り出し、奥のテーブルへと持っていく。


 本を八冊ほど抱えているわたしだったが、それだけでこの細い腕はぷるぷるしてくる。筋肉がなさすぎじゃないだろうか。


「筋トレでもしようかな?そうすれば力はつくだろうし」


 前世で運動部に所属していたわたしは、力をつけるのに効果的な筋トレを知っている。なんと言っても、毎日やっていたのだ。体は覚えていなくても、魂は覚えているはず。メニューは腕立て伏せ、腹筋だ。早速今晩からやってみることを決めたわたしなのだった。


 それはともかく、今はとりあえず魔法だ。椅子に座ると、わたしは本を開いて読み始めた。



「……もうこんな時間?部屋に戻らないと」


 時間も気にせずにひたすら本を読んでひたすら魔法を試していたら、あっという間に六時近くになっていた。そろそろ戻らなければいけないだろう。


「……魔法、楽しかったなあ。明日もやろう。まあ、他の本も読むけどね」


 この世界の魔法は、心の中で起こるであろう現象を思い浮かべて呪文を言うだけだ。だから、新しい魔法も作れるのではないかと思う。


 ちなみに、わたしが今日試した魔法の中で特に凄いと思ったものは、洗浄魔法と収納魔法だ。


 洗浄魔法とは対象をまるごと水で洗い流す魔法で、すぐに水は消える。不思議なことに、水に触れていた箇所も水が消えると乾いていたのだ。履いていた靴で試してみたところ、ぴかぴかになっていた。対象物は動物でも物でも何でも良いらしい。本に書いてあった。


 そして収納魔法は、空間魔法の応用編なのだそうで、亜空間を開いてその中にものを入れる魔法である。亜空間なのでいくらでも広がる。そして時間という概念が存在しないので、例えば食べ物などをいくら入れても腐ったり、悪くなったりすることがないらしい。とても便利な魔法だ。時間については、術者が意識すれば付与できるらしいが、特にその必要はないと思う。これから普通に使っていくつもりではあるけれど、物が中心だからだ。


 光魔法というものもあったのだが、用途が限られているので、練習はできなかった。本当に必要になったときに試してみようと思う。人にはそれぞれ使えない魔法があると書かれていたので、使えなかったらそれは仕方ない。


 そんなこんなで、やはり魔法というものは便利だなと思ったのだった。



最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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