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セドリックがわたし達の家族になってから一か月ほどが経った。
セドリックはあれからわたしの部屋にちょくちょく……結構な頻度で遊びに来てくれて、話したりお菓子をあげたり、一緒に時間を過ごしていくうちにわたしに心を許してくれたようで、最初の頃よりもかなりわたしに接する時の態度が柔らかくなった。笑顔も増えた。嬉しい限りである。
そんなわたし達を見て、予想通りお父様は嬉しそうな顔をしていた。そしてお兄様方というと……不思議そうな、どことなく不機嫌なような……よく分からないけれど、とにかく急に距離が近づいた私達を見て疑問には思っているようだった。何も言われなかったけれど。
そして今日は、セドリックについて他の家の方々に知らせるためのパーティーが開かれていた。
アルフォンス様をはじめとした、お兄様のご友人である皆様だけでなく、公爵・侯爵家の当主様もいらしている。
セドリックは最初の紹介で軽く挨拶をして、今は、お父様と一緒に参加している大人と話している。お兄様は、皆様と楽しそうに話している。わたしはというと、さほどすべきことがある訳でもない。わたしだけが抜ける訳にもいかないので、スイーツを食べたり、話しかけられれば来客の方々と話したりしていた。久し振りに会ったヴァン叔父様は、相変わらずの調子でわたしのことを抱き上げてきたけれど。本当に心臓が止まる。
「セーレナちゃん」
「!……オーティン様、お久し振りですね」
「あー確かにそうかも。セレナちゃんあんま見かけないから」
「ふふ」
外出ばっかりしています、とは言わないけれど。笑って誤魔化した。
「どう?弟くんとの生活は。緊張したりしてる?」
「いえ、そうでもないですね。むしろ、可愛い弟ができて嬉しいです」
年齢は同じですけれどね、と呟くと、ふーん?とこちらをじっと見たオーティン様。
「セレナちゃんってさ―――」
「あ、オーティン、こんなところにいた!」
アルフレッド様の声に遮られて、オーティン様が何を言ったのか、最後まで聞こえなかった。
「セレナちゃん久し振りだね!」
「お久し振りです。皆様も、お元気でしたか?」
今日も輝いているアルフレッド様の後ろから、アルフォンス様、ルーカス様、お兄様が見えて挨拶をする。パーティーが始まった時にも挨拶はしたけれど、きちんと話すのはこれが今日で初めてなのでお久し振りです、で間違いないはずだ。
「うん、元気だったよー!セレナちゃんは?」
「わたしも元気です。……あ、」
「どうしたの?」
「先程、オーティン様が何かを言いかけてらっしゃったので……」
「そうなの?」
「いや、別に大したことではないんだけどね」
苦笑しつつ、オーティン様はもう一度こちらを向いた。
「セレナちゃんはさ、自分より小さい子、好きなの?」




