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111 セドリックside.


ここからセドリックの前夜にあったことを振り返るチャプターとなります。(もしかしたら)セレスティーナ視点の時とは違うセドリックの感情が見れるかも。








 何も考えることのない頭に浮かんでくるのは、昨日の夜にあった出来事。




 僕は公爵様(ちちうえ)に連れて来られたウェルストン公爵邸で、僕は彼女を紹介された。


 セレスティーナ・ウェルストン公爵令嬢。僕を引き取って養子にすると言ってくれた、亡き両親の友人で僕の養父(ちちうえ)の娘。つまり、僕の義理の姉となった人だ。


 第一印象は、とても綺麗な人、だった。


 緩やかな曲線を描く明るい金色の髪の毛。そして、日焼けを知らない真っ白な肌。その白さと対称的で目についたのは、髪と同じ金の睫毛に縁取られた濃い紫色の瞳だった。


 髪と瞳が正反対の色をしているにも関わらず、それがむしろその綺麗さを際立てていた。身分の離れている叔父に見初められた叔母も、その血を継いだ従妹も整った顔立ちではあったけれど、姉様は比べ物にならないぐらい別格だった。こんな綺麗な人が存在しているのかと驚いてしまったくらいだ。


 固まる僕を、父上は姉様に紹介する。その声にはっとすると同時に、僕は不安を抱いていた。彼女が突然やってきて義弟になった僕を認めてくれるのかということ。


 悪意を持って接してくる叔父家族達との生活の中で、僕は人の態度や口調からその人が考えていることをなんとなく理解できるようになっていた。だからこそ分かるのは、セレスティーナ・ウェルストンという令嬢は父である公爵様からとても可愛がられているということ。


 父上は初めて会った時から僕に優しく接してくれていたけれど、それでも姉様に対する態度は少し違った。実の子供と差別はしないと言ってくれてはいたし、二人いると教えてくれた息子について話す時は普通だったので、姉様だけが特別なのだろう。


 それに関しては全く問題ないのだけれど、重要なのはそんな彼女が僕に抱く印象についてだった。


 あの家から逃れることができたのだから、ある程度のことは我慢できると思う。というよりは、よほどのことでない限りは最早何とかなる。それでも、悪印象を抱かれて嫌われるよりは、好かれるとまではいかなくても、なるべく良い関係を築いておきたかった。


 けれど、そんな心配は杞憂だったらしい。


 姉様は、僕に微笑んで自分のことを頼ってほしいと言ってくれた。どうやら姉様は、顔は良くても性格が良いとはお世辞にも言えない従妹とは違って優しい性格の持ち主のようだった。


 彼女が身分も立場も僕よりも上であることを踏まえた上で失礼なことを言わせてもらうとするならば。優しい性格だという感想が間違っていて、本当は僕のことを良くは思っていないとしても、それを口に出さないだけ素晴らしいと思う。


 口にさえしなければ、相手には基本伝わらない。どう思われていようと、僕を引き取ってくれた公爵が迷惑を被ることがなければ良いのだ。何を言えば相手が不快になるのか、または怒るのかは、今までの経験から分かっているのだ。最低限良好な関係を保つことは可能だろう。


 そんなことを考えてはみるけれど、多分今僕の目の前に立つ彼女は大丈夫だ。目も真っ直ぐな光を宿しているし、声の感じからしても悪い人だとは思えなかった。



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