漫才風 顔売り
お笑いとメイク…似てるような気が…する?。どちらも土台がね?。
二人「はい、漫才コンビです宜しくお願いします」
「いや〜僅か数分の間だけとは言え、この人数のお客さん視線が僕達に向けられてるなんて。嬉しいね!」
「ホント有り難いね」
「じゃあついでだから僕達の顔も覚えて貰いましょうか」
「ええ、そんな厚かましい事しても良いのですか?、お客さんに嫌われたりしませんかね?」
「恐らく大丈夫です」
「何を根拠に大丈夫なんですか?」
「ほら僕等まだまだ顔の売れてない無名ですからね、言わばのっぺらぼうのすっぴんメイクですよ」
「ああ、なるほど顔だけにナチュラルが売りですか」
「とはいえ他の方々も同じような事を考えている様ですし、ここで他の方に競り勝たないと何時まで経っても生活が豊かになりませんから」
「まあ確かに自然な肌だけでやっていけるほど易しい世界じゃないからね、自らの意思でファンデーションを上手く乗せないと」
「私達の商売道具は言葉ですから刃物の様な鋭さや、包み込む優しさを兼ね備えていなければお笑いは活かせません」
「そうねムダ毛を処理して肌のコンディションを整えないと」
「それにいくら表面だけを見繕って愛嬌を振りまいても中身が悪けりゃ意味がありません」
「そうそう肌年齢だけ気にして内臓関係を疎かにしたら酷い目に遭うからね」
「だからといって周りを気遣ってばかりじゃ面白味が足りないボヤケた味になりますからねたまには毒も吐かないといけません」
「デトックスね!」
「どうですお客さん、僕達、顔が売りです!」
「自然が売りと言っときながら結局は自分達の売込みじゃないか、お前等どんだけ面の皮が厚いんだ、ってツッコミが入りそうだけど?」
「おまゆう、とまぁ自然な流れで毒を吐いた訳ですが…」
「いやいや人工でしょう?。この流れを自然って言ったら本家の方に怒られますよ」
「そうね確かに毒を吐いたと言いましたが本家と比べたら微毒ですから、ウチの毒と一緒にするな!って怒られるかも?」
「無名の新人ですから歯牙にもかけないと思うけど」
「ほら何事もコツコツと積み上げる事が大事と、大御所のあの方もおしゃっていますから」
「少しずつ知名度と言うヘイトを蓄える」
「そうそうヘイト管理が大事…ってヘイトの主な意味は憎しみだから使い方が違う!」
「でも憎まれっ子世にはばかるって言いますよね?」
「あれ?そうね言うね、じゃあ合ってるか」
「ちょっと言う事はそれだけ?」
「何が?」
「指摘したのにお礼の言葉1つも寄越さないなんて失礼じゃない?」
「じゃあどうすればいいの?」
「そこはほら、誠心誠意真心を詰めてどうもありがとうございました、と」
「言ったら終わっちゃうよね?」
「顔に泥を塗られた」
「そんな大袈裟な、今どき泥パックなんか普通ですよ?」
「いやでも」
「ほら見た目はアレだけど、ある意味売れますよ」
「ホントに?」
「ええ、じゃなきゃ泥関係がこの世から消えてますよ?」
「まあ確かに未だに泥棒は減らないし、落とし物も増える一方で減って無いね」
「そうね、泥棒は顔が売れれば指名手配、落とし物はドロップとして名前が売れているね、泥違いだけど?」
「じゃあ僕達は泥棒をお手本にすれば顔を売れますかね?」
「イヤなんで泥棒をお手本にするんですか?泥は売れると言ったけど」
「ほら僕等の仕事ってある意味時間ドロボウじゃない?」
「面白ければお客さんの心を盗み、つまらなければ時間の無駄に、うん確かにある意味ドロボウだ」
「ね、言葉遣いが上手い方だとあの手この手でお客さんの心を鷲掴みして離さない。うん?この話の続きを知りたいか?なら分かっていよるね?、と言葉巧みに…」
「言い方」
「とまあ〜たいして内容の無い話に話を重ねみたけど、少しは顔に厚みが出ましたかね?」
「なんて?」
「厚が増し」
「えっ?」
「いや、最初に厚かましいって振ったじゃない?」
「まさかダジャレで落とそうと?」
「そうだけど?」
「何してくれてるの?せっかく積み上げてきた土台が台無しだよ。あなたとはもう付き合ってられない」
「どうもありがとうございました。」
すみません書き忘れてましたが、漫才コンビはキャラ設定してませんので話によってキャラブレが酷い、と思われますが仕様です。




