れいわらい
うん?ダジャレです。
パチパチパチパチ(ラップ音)
はい、どうも〜こんにちは〜令和の幽霊です。あっ!また普通にですって言っちまったよ…はぁ、馴れねえなぁ…ああ、すみませんねお客さん。いやね、本来はですをデス、と言い直さなければいけないんですが、どうも生前の癖が抜けなくって普通にですって言ってしまうんですよ。いやはやお恥ずかしい、もう〜墓穴があったら入りたい!。
まあ、そんな私の恥は墓穴に置いてきて。え〜幽霊と言えば皆さんもご存知の通り見ず知らずの肩にタダ乗りするのが有名でしょう。まあ私も老若男女問わず乗せて貰ってるんですけどね?、つい先日とある奴に乗ったんですが…なんと言いましょうか、一言で言えば酷い!。うん、アレは酷い。何にも取り憑いていないのに顔色が悪いし、足元も覚束ないし、お金も持ってないし、容姿…うん、人には触れちゃいけないモノがありますからね、そこは仏壇にそっと置いておきましょう。
それで…うん?何処まで話したっけかな?。幽霊になると存在自体がボヤケてるせいか、記憶までボヤけて来まして、まあ、お客さんにボヤいてもしょうがないんですが……ん〜〜ああ、そうそう!。それで顔色の悪い奴に乗ったんですが…飯は2日前から食ってない、財布の中には5円しかない、見た目も髪もヒゲもボサボサでロクに手入れしてない、服もヨレヨレのシワシワでだらしない。もう、ナイナイ尽くしのなのにツッコミどころが満載!だから私は言ってやったんですよ『そんな幽霊より顔色と身なり悪くしやがって、あの世の予行練習かっ!』ってね!…まあ、ご想像の通り奴には聴こえませんでしたけど…。
それで財布の中に5円しかないコイツ不憫に思いましてね、これも何かの縁だと気合を『ハイヤー!』と入れ、奴の身体を一時的に乗っ取り、腹が減り過ぎて覚束ない足で市役所に行きまして、フードバンク制度を利用させて貰えるように相談しましてね?、何とか食い繋げる様に頼みましたよ。いや余計なお世話だとは分かっちゃいますが…ね。金も飯も仕事もねえ時の苦しみは痛い程分かりますよ、生前の私も散々やらかしましたからね…ええ。それにほら!、昔から腹が減っちゃあ〜良い笑いが出来ねえ!って言いますでしょう?…うん、これで落ちするのは無理だな?。
いや〜くだらない話ですいませんねぇお客さん。まさか幽霊になってもお笑いを続ける事が出来る日が来るなんて思いもしませんでしたが、お笑い馬鹿の私にとっては正に夢の様な出来事でして、これはもう正さんの枕元に降りて…どうもありがとうございました、とお礼を言わなければなりません。ほら私、霊ですからね、礼には霊がするのが令和のお決まりでしょ?。
幽霊さんの生前の目標は笑いの点、現在の目標は昇天!……。




