漫才 ハマる
資源の無駄
「「どうも〜こんにちは」」
「いや〜悪い遅れちゃった」
「遅いよ、約束は昨日だろ?遅れるなら電話の一本くらい寄こせよ?」
「えっ俺スマホ持って無い、それに別に不便じゃないし?」
「俺が不便だから買ってこい」
「そんな事より聞いてくれよ!俺最近ある物にハマってるんだけどね!」
「何だゲームか?」
「いや、ダンボールにハマってるんだけど」
「あ〜工作系か!」
「いや、ダンボール箱にハマるのにハマってるんだけど」
「ん?それは…猫がダンボールに収納されてる感じの奴?」
「そんな感じ」
「そんな感じかぁ、それで?ハマってるって事は他にも何かあるのか?」
「そうなんだよ!ダンボール集めにもハマってるんだけど丁度いい大きさのダンボールが無くてさあ、何か知らない?」
「いや、いきなり聞かれても、そうだなぁ人が入れる大きさなら大型家電のダンボールくらいか?」
「ああ、大型家電ならこの間ダンボールに入る為に冷蔵庫と洗濯機を買った」
「いやいやいや、ダンボール箱の中にハマりたいからって冷蔵庫と洗濯機は買わないだろう?」
「いや〜それがさぁ!今までウチに冷蔵庫と洗濯機がなくてね、店員さんに箱を見せてもらったら丁度いい大きさダンボール箱でさぁ、買っちゃった!」
「やっぱり箱目当てか。それで?今まで冷蔵庫と洗濯機ない状態でどうやって生活してた?」
「ん?洗濯物は近くのコインランドリーだな、近所の奥さんもよく来るから顔見知りになってな!この間ダンボールを貰った!」
「あ〜コインランドリーか、ひとり暮らしならそっちのが楽か。じゃあ冷蔵庫は?」
「冷蔵庫の代わりはクーラーボックスだな最高で5日間冷える奴、冷やす為の氷は近所のスーパーでキロ単位で買ってたら店員さんに顔覚えられてな、世間話してたら無料のダンボールを貰った!」
「少し不便だけど普通に生活出来そうだな?いや、それよりもそんなにダンボール増えて大丈夫なのか?」
「ん?増え過ぎたダンボールはダンボールに収納するから問題ないぞ?」
「ダンボールに収納するのは本来のダンボールの使い方だけどダンボールにダンボールを収納してる時点で駄目だろ!使わないダンボールは資源回収に回せ!」
「え〜?でも、ダンボールにダンボール収納してハメたいから…」
「お気に入りのダンボールだけ残して資源回収に出せ!」
「はぁ〜分かったから、そんなに怒鳴るなよ?じゃあダンボール200箱分、資源回収に出すよ」
「怒鳴ってねぇよツッコミだよ!、お前そんなに溜め込んでるのかよ?」
「いや、そうでもないよ…」
「おい!こっち見て答えろ、まだあるよな?」
「……」
「よし決めた!今からお前のウチのダンボール片づける」
「そんなに怒鳴るなよ、心のダンボール開いてその怒りを収納して落ち着けよ?」
「俺の心のツッコミはダンボールじゃ収まんねぇ!。それと、いい加減スマホを買え!」
「え〜やだよ」
「何でだよ?」
「ほら、俺スマホにハマってないから!」
「それで落とせると思うなよ?」
「はぁ…分かったよダンボールは片すよ、でも最後のお願いだけは聞いてくれよ」
「内容にもよるけど、何だ?」
「二人で入るのに丁度いいダンボールがあるんだ一緒にちょっとハマって下さい!お願いします!?」
「何で昔風の告白なんだよ!今は適正距離の時代なんだから無理に決まってるだろうが!」
「「どうも、ありがとうございました」」
いつか必ずリサイクルしてやる!……。出来たらいいなぁ。




