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命延水寿

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 おや、こんには今日はどのような御用で…うん?、水の話が聞きたい、といきなりそう言われてもねぇ。 


 いや、話すのいいのですよ?でもねぇ、モノには色々と準備ってぇのがありましてね、それを省いてやるのは…ねぇ。 


 ん、何です?土産が有ると…嫌だなぁそれを先に言ってくださいよ!なんか催促したみたいで悪いですねぇ。 

 

 それじゃあ始めましょうかね 


「さあさあ よってらっしゃいみてらっしゃい 

観るのは只、ならみずに過ごすの勿体ない、ないと言えば切がない、何故に切りないかだって?なんでも言葉の刃物ってのがある、そいつは切り口が鋭い言葉の事らしい言葉巧みに手口を替え人を替え何でも切っちまう、だけどこの世の中で1つだけ切れないモノがある、人の体ってのは半分以上が水らしい、ってなると人と水は切っても切れない縁ってねぇ、なら只の水を飲むだけでいいのかと聞かれれば、そりゃあ旨い水のがいいと応えるってぇのが正直な人間よ、なら旨い水は何処だい?と聞かれたらオレはこう答えるね、それは延命寿水だ、と!。

 さて、ここにとりいだしましたるは、とある不思議な泉より汲んできた水これを飲めば命が3日のびる、と言われているその名も 命延水寿(めいえんすいじゅ) 嘘か誠かはお客さんが確かめて下さいな……はぁ〜」 

 

 先程から聞こえてくる声の主は水売り屋、自慢の水について口上を述べるが、誰も買いには来ずついついため息が出る、とそこへ一人の男が声をかける 

 

「おう、おめえさんこの辺じゃみかけねぇ顔だが、その話は本当かい?」 


「へい!ダンナ、あっしは最近山から降りてきましてね、ここで水売りの商いをさせていただいてます、先ほどの話ですがね、ある意味本当ですよ、何でも人は飲まず食わず3日生き、運が良ければ7日生きるそうで、なら水を飲んだらどうなる?かと、答えは3日生きのびる、とそう言う話で」


「なるほど水がねぇ、ん?ならこの命延水寿とやらの謂れはあるのかい?」


「へい!ダンナ実はこの水、とある山の天狗様に教えていただいた、ありがたい水でして」  

 

「天狗って鼻の長いあの天狗かい?」 


「へい!その天狗様で」


「なんでそんな事になったんだい?」  


「へい!山で仲間と逸れちまって、さまよっているところを、天狗様に助けていただいたんです。それで助けていただいた恩返しに天狗様に上物の酒を渡したんですが、貰いすぎだ、そうだお前に命延水寿の場所を教えてやろう、とそれであっしはその延命寿水を一口飲みましてねぇ、これがなんとも旨い水でして!これ程旨い水なら売れるんじゃねぇかと思いましてね、ものは試しに売ってみようと」  


「なるほど、それでおまえさんは命延水寿とやらを売っているのかい?」 

 

「へい!そうです、どうですダンナ旨い水、飲んでみませんか?」 


「よし、分かった!ならその旨い水を話のネタするからオイラに一杯おくれ」 

 

「へい!毎度あり…さっ、ダンナどうぞ!」 


「おう、ンクンクっぷはぁ、何だこの水は…旨いじゃねぇか!、もう一杯おくれ!」 

 

「へい!ダンナ、旨いでしょう?さっどうぞ」 


「おう、ンクンクっぷはぁ、うめぇなぁ…ん?こんなに旨い水なのに何で売れてねぇんだ?」  


「ヘい!ダンナ、いくら旨いとはいえ水ですからねぇ日が保たないので…」   


「そうか、水だからなぁ、だけど勿体ねぇな、これだけ旨い水で何か……ん?まてよ、コイツで…。おう、水屋この旨い水全部オイラに売ってくれ!」 


「へ?、ダンナ全部ですかい?結構な量が残ってますが大丈夫ですかい?」


「おうよ、安心しな!ちゃんと宛はあるからな!」


「ダンナがそう言うならあっしは構いませんがね、ダンナに1つだげ忠告させてくだせぇ」


「おう、なんだい?」


「実は水ってのは飲み過ぎると心の蔵に負担がかかるって話だそうで、まぁ飲み過ぎなければいいのですけどねぇ」


「はぁ〜そいつは知らなかったなぁ、ありがてぇ忠告として肝に銘じるぜ!、おっと忘れてたオイラ名はハチだ覚えておいてくれよ、じゃあな!」


「へい!ハチのダンナ、ありがとうございやした」


そして水屋から大量の水を買ったハチは借りてきた荷車に水を載せ馴染みの飯屋に行く事に 


「お〜い女将さん、女将さん!」


「まったくうるさねぇ、誰だい?…ハチお前かい、うるさいのは…」


「あ、いやすまねぇ、実は女将さんに頼みてぇ事があって…」

「はぁ〜で、なんだい頼みって?いってみな」


「へへ、いやね実は水屋から旨い水を買ったんですけどね、コイツで飯を作ったら飯も旨くなるんじゃねぇかと思いましてね?それで女将さんに頼みにきた訳で…」


「はぁ〜本当お前さんはバカだねぇ水なんてたかが知れてるだろうに飯を作るのに水をわざわざ買ってくるなんて本当に…」


「いや女将さん、それが本当に旨い水なんだよ嘘だと思うなら試しに飲んどくれよ?」


「本当かい?嘘だったら承知しないよ?ほらその旨い水とやらをよこしな、見た目は只の水だね、どれ味は…んくんくんく…ふぅー旨いねぇ」


「だろ?それで女将さん…」


「ああ、いいよ作ってやるさ、ハチ残りの水を店の中に運びな」


「えっ全部ですか?オイラが飲む水が無くなっちまうよ女将さん」


「いいかいハチ、お前さんがその水を全部飲み切る前に水は悪くなる、そうなる前に使い切っちまうのさ、なにカネの心配は必要ないよあたしが買い取ってやるよ!だからさっさと運びな!?」


「分かった、分かったよ、ふぅ女将さんには敵わねぇなぁ」


「さぁ、腕によりをかけて旨い飯を作るんだハチお前も手伝いな!」


「はぁ!オイラかい?」


「当たり前だろ?お前さんが持ってきた旨い水で料理するんだお前さんが手伝うのが筋ってもんだろ」


「いや、頼んだのはオイラだけどこれそれは…」


「男ががたがた言ってんじゃないよ!いいから手伝いな!?」


 とまぁこんな感じかね、ん?、それからどうなった?、そりゃあ旨い水を使った料理ですからね美味い飯が出来ましたよ、どれくらい美味いのか?。

 

 美味い飯を食ったハチが胃袋を掴まれて所帯を持つくらい美味い飯ですよ!。


今更ですが取り敢えずどうそ?。

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