漫才 嘘
漫才ってある意味優しい嘘かなって思いますが、1部例外もあるので何とも…ね?。
ボケ「はいどうも漫才コンビです」
ツッコミ「宜しくお願いしますね」
ボ「僕いつも思うですけどね」
ツ「はい、何ですか?」
ボ「僕らあの手この手でお客さんの気持ちを騙してお金を頂く仕事をしているじゃないですか」
ツ「言い方悪いと思うけど、ある意味そうですね」
ボ「と言う事は僕らを犯罪者と間違えてる方もいる可能性がありますよね」
ツ「まあ、確かに僕らは言葉でお客さんの感情を操る仕事ですから、その様に思われる方も少なからずいるかも知れません」
ボ「お巡りさんー!ここに犯罪者がいますよー!って叫ばれたらどれ殆どの方がビクッ!ってなりますかね…」
ツ「それ冗談抜きでヤメてあげて?って言うかそれを言ったらアナタも同じだからね?」
ボ「僕は良心的な嘘しか吐かないので大丈夫です」
ツ「良心的な嘘の時点で犯罪者の匂いがするけど?」
ボ「舞台上は合法なので問題ありません」
ツ「お客さんー!これが詐欺師のやり方のですよー!気をつけて下さいね〜!」
ボ「やだな〜僕はペテン師の方ですよ?」
ツ「どちらも犯罪者ですが?」
ボ「まあそんな罪作りな僕の話は置いといて」
ツ「言葉の意味、違うからね?」
ボ「カッコウっているじゃないですか」
ツ「オオヨシキリの巣に産み逃げする奴ね」
ボ「あれって僕らが温めたお客さんの心を別の芸人に奪われるのと同じですよね」
ツ「まあ違うとは言い切れないが、それが何?」
ボ「ほら若い芽の内に潰すところが似てるかなって」
ツ「シャレにならないからヤメて?」
ボ「でも、出る杭は打たれるって言葉が昔からあるじゃないですか?あれって僕らで例えると前座の芸人がベテランに食い物にされて…」
ツ「黒い例えはヤメろ!」
ボ「所詮は嘘で塗り固められた世界ですよキレイな部分だけじゃ無く汚い所も知っておかないと」
ツ「そう言う夢の無い事を言うのはやめよう?」
ボ「時給より少ない月給とか交通費の方が高いとかよく分からないノルマとか」
ツ「ああー!何も聞こえないー!知らないー!」
ボ「駄目ですよ?現実から目を背けては」
ツ「そう言う事は舞台上で言うな!楽屋で言え!」
ボ「でも僕ら楽屋も無いですよ?廊下の隅でコソコソしてる存在ですよ?ここでネタに使わないと一生廊下の隅ですよ」
ツ「悲しい事を言うのヤメテー!」
ボ「嘘ですけどね?」
ツ「皆さん〜嘘ですからね」
ボ「まぁ嘘も方便の方ですけど…」
ツ「せっかくのフォローが台無し!」
ボ「正しい事だけ言っても今の世の中は上手くやっていけませんからね、時には最小限の嘘を吐かないと色々と詰まってしまいますし」
ツ「悲しいけどこれが現実ですね」
ボ「だから芸人は必要悪なんです」
ツ「話し飛ばさないで?説明して」
ボ「ほら素人さんにいきなり面白い話しをして下さいって振りをしても無理でしょ?」
ツ「まぁ大概は無茶振りですね、例外もいますが」
ボ「だからつまらない芸人も必要なんですよ、ああコイツよりはマシだな?って」
ツ「今すぐ謝れ!」
ボ「まぁ半分は冗談ですがね、僕が言いたい事は…」
ツ「長い前置きだな」
ボ「一日一笑と言う言葉があります。1日一笑いすれば幸せになれる事もある、なら僕らは芸を持ってお客さんをに福を為そうと日々努力しております」
ツ「嘘臭いけど本当の話しですよ」
ボ「一日一笑一福一芸。いつかやれる時が来たら…やれるかなぁ…と言う話しです」
※やれるとは言ってない
ツ「今やらんのかい!」
二人「どうもありがとうございました。」
ふっ!綺麗事だけではやっていけんのだよ!、と手の平を返す。




