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フランス海軍のとある提督の手記より

作者: aki_c

 我々フランス海軍は数年前、イギリス海軍に致命的な損害を受け敗北した。その後次々と周辺国を下し植民地を増やすイギリスに対し、我らが自由を愛すフランス国民は勝利と依然受けた屈辱を晴らすために再戦を命じた。

ここで叩いておかねば、10年、いや100年は平穏な日々は訪れないだろうと。


しかし、開戦前からわかっていたことだが、戦力差は圧倒的で我らフランス海軍は連戦連敗で士気もいつ崩壊するかわからないものだった。

1920年5月20日。通商破壊を行っていた我が艦「オセアン」と僚艦「クールベ」は思わず神に感謝するほどの幸運に見舞われた。

水上機からの情報によると、

他愛のない規模の輸送船団の護衛に巡洋戦艦が1隻と残りは駆逐艦4隻だけという異常な編成の艦隊がついているというのだ。

私は喜々として僚艦と攻撃を行った。途中で夜になってしまい、旧式の巡洋艦を改装した水上機母艦がついてこれずにはぐれたが、

この手記を書いている間に名前を思い出すことも出来なかった。そんなことよりもこのつい最近竣工したかのようなこの巡洋戦艦を

どう沈めるかで頭がいっぱいだった。

当初は我が艦が接触を続け、その間に僚艦が頭を抑える予定であったが、

そこは巡洋戦艦、我が方の戦艦では速度が足りず中々上手くかみ合わなかった。

しばしの同航戦を行ったがお互いに夜間ゆえに決定打は出ず、一計を用いることにした。

我が艦と僚艦は双方オセアン級で13インチ(33㎝)砲を10門装備し、装甲もそれに耐えうる物を持っている。

一方「インディファティガブル級」はこちらよりも強力で重い15インチ(38.1㎝)砲を8門装備して速力もある程度保持している代わりに装甲を犠牲にしている。そして単艦である。

 それならばと我々は、最初に水上機が発見した輸送船団の進路から現在地を予測し、輸送船団と「インディファティガブル級」の間に移動し夜明けを待った……


 夜が明るとと共に我らが敵「インディファティガブル級」と輸送船団を同時に視認した。

私としては、輸送船団を見殺しにして、艦を守ればイギリス海軍の誇りに傷をつけ、しいてはイギリス国民に敗北を味あわせれるであろうと思っていた!

もし「インディファティガブル級」が輸送船団を守ろうとするならばそのまま「インディファティガブル級」を沈めればいい。それだけだった。

 あの時の「インディファティガブル級」の艦長の気持ちは絶望か、決断か。

我らを見て、何を思ったのだろうか。

 それからの決断は早かった。不利なT字戦になることをわかっていながらも、2隻が全砲門を向けている中に自ら増速したのだ!

私には汽笛すら聞こえた!「貴様の相手は私だ!」と叫び声すら聞こえるようだった!

後にこの艦の指揮を執っていたのは「ホーレンス・フッド提督」だったことを知った。

 この時我々にはそんな、誰が指揮を執っているのだろうなどと考える余裕すらなかった!

「誇りある敵」を殺すことだけで精いっぱいだったのだ。

こちらの13インチ砲20門が火を噴き「誇りある敵は」艦の前方にある15インチ砲4門だけで立ち向かってきた。

次々に突き刺さる13インチ砲弾。一瞬で薄い装甲は貫かれ火を噴き、たちまち動かなくなる15インチ砲。

いや、後部砲塔が1基だけが最後まで動いていた。

旗艦を守ろう、少しでも損害をとでも動く駆逐艦は皆、魚雷をこちらに放とうとしていたが全てそれた。

距離が詰まりかの艦名がオーストラリアだということがわかり、やがて動かなくなる時が訪れた。

1920年5月21日の事だった。沈み始めるのを見て、退艦が始まるのを見て我々は勝利を確信し、さらに輸送船団を撃沈して戦果を拡大しようとしたが発見できずそれはかなわなかった。

 我が方には大した被害はなく、圧倒的勝利を本国に報告した。その時の反応はいかほどだったのだろうか。我々は大西洋で、引き続き通商破壊任務についたのでわからない。

ただ、帰港した際には、「オセアン」と「クールベ」に多大な称賛がもたらされるだろうことは確信していた。


 7月、燃料も使い、弾薬も心もとなくなり帰港しはじめた我々に不吉なニュースが届いた。

諜報任務に就いている我が方の潜水艦が、「クイーン・エリザベス」を含む10隻を超える戦艦全てが一斉に出航するのを確認したそうなのだ。

ああ、一体我がフランス海軍は何をしているのでしょう。我々の護衛に友軍が手を割いてくれる事を祈る。この手記は防水処理された容器にしまう事にする。

無事帰港できたならばこの続きを綴るとしよう。おお神よ

つたないお話で申し訳ありません。

Rule_the_Waves_2をイギリス海軍でプレイした某動画に感動して書いてしまいました。

あらすじにも書きましたが、元になった動画がありそちらをぜひ見ていただきたく存じます。

小説の元になった動画(作者:ルドルフ様) → https://nico.ms/sm37976006

こちらでは直接リンクが貼れないみたいなので、一応2021年 01月09日(土)の活動報告に直接リンク貼っておきます。この小説を読んで、少しでも動画に興味を持っていただければ最高です。

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