集う人々
短いですが、よろしくお願いします。
ジェフリーの戴冠式は、ひと月と待たずに行われることとなった。
理由はふたつ、仁の要望とカルロスの若返りが原因であった。
当初、カルロスからの王位継承の儀式を行う予定であったが、カルロスの見た目がジェフリーよりも若い為に、大々的に執り行うことが不可能となってしまったからである。
カルロスは顔を隠せば良かろうと言ったのだが、大臣達は顔を見せないのはマズいと一致し、ならば神の使徒『勇者』から授かった『王者の剣』による、神々からの認証を以て王位継承の儀式を行うとなり、カルロスやサリアまでもが賛同したので、善は急げと急遽執り行う事となった。
「うむ、作っておいて正解じゃったな」
「そうですね。 私のコレはおかしくないですか?」
カルロスは以前作ったガウンをジェフリーに渡し、自分はサーコートを着ている。
「結構お似合いですね。 カルロス様と並ぶとちょうど良く見えます」
「そうじゃな、儂が30の時にはそのような服を着ていたからな。 お前たちも居ったし……、そう考えるとジェフリーも早う妃を迎えんといかんぞ」
「そうですけど、兄上の方が先なのでは?」
「アレックスはアレだしな。 その点、お前は相手も居るんだし先でも構わんじゃろ」
カルロスの催促を躱すため、兄を盾にしたが大失敗であった。
「そうですよ。 もうすぐ34になるのですから、相手を待たすのは駄目ですよ」
「ほう、34歳ですか。 なら戴冠式の後で、婚約者の披露宴でもしますか」
仁の提案に、カルロスは飛びついた。
「そうじゃな、それがいい。 よし、その披露宴とやらの準備もさせよう」
「良いわね。 良いことは重なる方が、楽しいわね。 私も何かしたいわ」
カルロスの言葉に同調したサリアは、その後に続くのだった。
「はあ、まったく仲がよろしいことで…… 母上に会ったらどうなることやら」
「ハハ、まあ良いことが続くのですから宜しいのでは?」
「そうだな、母上にも孫の顔を見せてやりたかったが、せめて妃を紹介せんとな」
「そうですね」
仁とジェフリーは、カルロス達の後ろ姿を眺めつつ語りあった。
◇ ◆ ◇
戴冠式当日、エルトランド王国の国中から貴族や名士、騎士や聖職者たち、また商人や各町や村の代表者達が王都に集まって来ていた。
「うーむ、こんなに呼んでないよな」
「なにが起きているか、調べてまいれ」
ジェフリーの呟きで、側仕えの男が兵士に指示をだす。
ジェフリーが王城正面のバルコニーから外を眺めていると、王城前の大通りから、喝采の声があがっていた。
「これは如何したものか……」
「取りあえず、招待客を先に入れては如何でしょう」
「うむ、そうだな」
ジェフリーは、招待客を先に城内へと迎えるようにと指示を出した。
◇ ◆ ◇
儀式の仕度を整えしばらくすると、先程の兵士が戻ってきた。
「報告します。 大通りの人々は『勇者様』に会いたいと、そして『王者の剣』を授かりし王への謁見がしたいと集まったそうです」
「な、なんだと、勇者に会いたいだと? 何処でそのような話になった?」
兵士の報告を受け取り、ジェフリーは驚いた。
「と、とにかく、王位継承の儀式をしてからだな。 それまでは、取りあえず待たせておく他はないとしよう。 すべてはそれからだと伝えよ、良いな。 オウロは居るか?」
少し離れた場所に控えていた、ガタイの良い男が近寄ってくる。
「はい、お呼びでしょうか」
「うむ、騎士団を連れて外の連中に、王位継承の儀式が終わるまで待てと伝えよ。 その後に対応を検討するとも。 良いな」
「はっ、承りました」
騎士団長であるオウロは、ジェフリーの命を受け行動を開始した。
「うーむ、『勇者』に会いたいと言っても、仁殿は居らんぞ。 どうにかして伝えんとな……」
ジェフリーはバルコニーの外を思いだし、独りごちる。
長くなりそうなので、短くなってしまいました。
その分、次話が長くなりそうです。
頑張ります。




