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とあるダンジョンの探索記  作者: アイネコ
第三章、人々の暮らし
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暴走する王

読みに来てくれる方々に感謝致します。

週別ユニーク数が300人を超えました。

月別数もPV6500、ユニーク数1000人を超えて最多となり、励みになっております。

皆様、有難う御座います!

まだまだ頑張って行きますので、よろしくお願いします。




 王城の騒動か落ち着き始めた頃、ジェフリーの登城に合わせて、仁達も王都へと来ていた。



「仁殿、本当に兄上達はこのままで良いのか?」


「ええ、既に国としての機能は在りませんし、呪いも解けて正常に戻りつつあります。 問題なのは王城にしがみ付き、未だに居座ろうとしているバカが多いくらいです。 真面(まとも)な人々は去りましたし、放置で構いません」


「そうか、仕方ないとはいえ、兄上達も哀れですな」


「まあ、これも魔神共の画策ですし、色々と足りない()()が在るとしか云えませんね」


「なるほど、先ずはその足りない()()を取り戻さねばな」


「では、行きますか」

「うむ、よろしく頼む」


 仁はジェフリーと共に、登城することを決意した。



 ◇ ◆ ◇



 今回の登城は、数カ月ごとにある定例議会への出席の為である。


『元王妃、行方不明事件』の為ではない。


 あくまでも、定例議会出席の為である。

 仁もその護衛として、付き従う為の登城であった。



「では、ここでしばらくお待ちを」


 場内に入り案内されたのだが、どう見ても食堂であった。


「うーむ、これは酷いな、待合室ですら無いとはな」

「まあ、案内の方も、どう見ても一般市民ですよね」


「うむ、この有様では、もう長くはないな」


 入口付近で食堂内を見渡すジェフリーと仁は、あり得ない光景を目にしていた。


 各領地から登城してきた領主らしき貴族や、その供回りと思わしき者達で溢れかえり、中には罵りあう者達すら居るのである。


「ふぅ、兄上達は何をしているんだ?」


 ジェフリーはその光景を目にして、呟くのだった。



 ◇ ◆ ◇



 言うまでもなく、その日の定例議会は荒れに荒れた。


 各々から対応を批判され、報告すら真面(まとも)にしない王城側の不備に怒り、予定していた議論すら為れなかったのである。


 そんな事もあり、議会は中止となり、その日は解散となった。



 ◇ ◆ ◇



 議会の解散を告げた王は足早に去っていった。


 その余りにも身勝手な対処に怒るジェフリーは、一言言おうと兄達を追っていく。


 玉座の間で二人の兄を見つけ、ジェフリーが詰め寄った。



「王よ、これはどういう事ですか。 あれでは王として、人を束ねる事も出来ませんぞ」


「ああ、もうよい、聞き飽きたわ。 というか、お前まだ居たのか。 帰らずに、文句を言いに来るとはな、揚げ足取りだけは一人前になったな。 謀反人のガキが……」

「兄上?」


「な、なんだと!」

「へぇ、エルトランド王とは、ここまでの(たわ)け者だったとは」


 激昂するジェフリーを押しのけ、アルフレッドの前に立った仁は言い放つ。


「なんだ貴様は? そこの謀反人を庇うので在れば、お前も同罪なのだぞ?」


「ほうほう、同罪とはどんな罪なのですか?」


 煽る仁の言葉であるが、アルフレッドは気にせず、にやけた顔で語りだした。


「なんだ、そんなことも知らんのか、その愚か者はな、王になる私に嫉妬して、私や弟、王であった父にすら、毒を盛った謀反人なのだよ。 偶々、父が許し、辺境へと捨てた()()なのだ!」


 アルフレッドはしたり顔であったが、アレックスは眉をひそめる。


「くっ!!」

「ふーん、そんなでまかせで罪になるのか、ならこっちも、もう容赦は必要ないな」


 仁の表情は消え、アルフレッドを見据えると、光の剣を取り出した。


「な、なんだその剣は!?」


 次の瞬間、光の剣はアルフレッドの首を刎ねる。


「あ、兄上……、な、なぜ兄上が」


 王の隣に居たアレックスだったが、その眼の先には別のモノが見えていた。


 アルフレッドの首は床へと転がったが、その血は赤ではなく土気色した、泥であった。


「ふぅ、これは(いち)からやり直しだな」

「まさか兄上は……」


 兄だった死体を見て、ジェフリーは青ざめる。


「残念ですが、喰われた様です。 一応、捜索はしますが、もう手遅れですかね。 しかし、何処から侵入したのやら……」


 アルフレッドは、パペットマンというモンスターと入れ替わっていたのだった。


「兄上が喰われたとは、どういう事だ! ジェフリー、何をしておる! そやつは何者だ!?」


 事情が掴めず、激昂するアレックスであった。



 ◇ ◆ ◇



「な、なんだと……、母上は大丈夫なのか?」


 ジェフリーは、今までに分かった事を掻い摘まんで説明をした。


「ふむ、アレックス様は意外にも、お優しい方なのですね」


「ええ、どことなくつかみ所がない兄ですが、優しい方です」

「処でジェフリーよ、その方は誰なのだ?」


「ああ、紹介を忘れてましたな。 この方は、()()()殿といいまして、『神の使徒』であり『勇者』様なのです」

「おい! バラすんかい!」


 仁のツッコミは空を切り、アレックスは驚愕した。


「か、神の使徒……、ゆ、勇者だと……」




2000文字に足りなかったのですが、切りよくすると、こうなってしまい悩みどころです。

書き足して、1900文字だったとかで、これ以上は(私も)ぐだってしまうので、お許し下さい。



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