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とあるダンジョンの探索記  作者: アイネコ
第三章、人々の暮らし
79/206

マルスの覚醒

マルスのターンです。

※ジェフリーサイドとは違う時系列でお送りしています。






 レベルがカンストしてから、ひと月が過ぎた頃、マルスは独りで修行に励んでいた。


 ただひたすらに剣を振り続け、『草薙の剣』と向き合っていた。



 ★ ☆ ★



 仁に『剣神』を目指せと云われ、何を為べきか判らず、仁に問い掛けた。


 仁は考えたが『分からん』と答え、マルスは渋い顔を見せるが、致し方なしと諦める。



 マルスは答えを求めて悩んだが、答えを見つけられずヤケになり、白のダンジョンで暴れるのだが、余りにも無茶が過ぎるので、気分転換に昔読んだ剣豪ものの漫画を、幾つか適当に召喚で見繕い、渡してみた。


 すると、文字が読めないマルスではあったが、食い入るように漫画にのめり込み、文字の習得すらあっさりとやってのけてしまった。


 そんなこんなで、剣豪漫画にすっかりご執心となり『ダメだコリャー』と思っていた仁ではあったが、何やらマルスの様子がおかしいと報告が上がってきて、様子を見に行くと……


 粗野で粗削りだったマルスが、見違える程の洗練された動きに変化しており、無心に剣を振り続ける様は、寸分違わず同じ動きを繰り返していた。




 『明鏡止水』


 敢えて言わずに全てをマルスに委ね、一時期は駄目かもと思った仁だったが、やっと己の弱さを見つめ、向き直ることによって、在るべき様を見出せたようであった。


 その姿は、一片の迷いも無く、一切の無駄のない動きによって体現されており、美しいとさえ云えるほどに昇華されていた。



 マルス Lv50

 侍.new

 HP:1248/1248

 MP:312/312

 STR:260

 VIT:208

 DEX:195

 AGI:195

 INT:104

 MND:130

 LUK:110

 スキル

 通常:Ex明鏡止水.new

 瞬身、転身、心眼

 戦闘:Ex空裂斬.new

 幻影斬、ダブルアタック

 短剣LvMAX、片手剣LvMAX、両手剣LvMAX

 称号:剣聖



 ◇ ◆ ◇



 仁はマルスを連れて白のダンジョンにやってきた。



「ここは?」

「うん、まずはマルス君、おめでとう」


「はい? 何がだ?」

「ちょっと待ってろ、今出すから……、えっと、鑑定石は……、あったあった」


 仁は鑑定石を召喚して、マルスに渡した。


「こいつを如何するんだ?」

「それは鑑定石といってだな、握りしめて『ステータスオープン』といえば自分のステータスが確認出来るんだ」


「な、なんだと…… ステータスオープン…… あ、こ、これがオレのステータスか」

「うん、始めて見るだろうから説明するぞ、いいか?」

「お、おう……」


 仁はステータス表示の各所を説明し、数値の高さや意味を教え、どの位の強さになっているかを丁寧に説明をした。


「な、なんだと、するとオレのステータスだと人間を超えたというのか」

「まあ、そういう事だ。 でだ、これから俺と戦って貰うんだが、全力で掛かってこい、いいな」


「はあ? なんで……」

「ん、理由を聞きたいか?」

「ああ、なぜ仁殿と戦わねばらなんのだ?」


「フッ、それは俺が勇者だからだ!」


 仁はマルス向かって、蹴りを放った。


「ぐはっ!」


 マルスは仁の蹴りをまともに食らい、床を転げ回り壁際まで飛ばされた。


「お″え″ー! くっ…… クソがあ!」


 起き上がったマルスだが、その口元からは血が滴り落ちていた。


「さっきも言ったろ? 全力で掛かってこい!! そして、俺を超えて見せろ!」


「か″あ″あ″あ″ー!! やってやるぜっ!!」


 仁の煽りに火が付いたマルスは、全力で攻撃を開始する。


 右に左に斬撃を叩き込み、次第にスピードを上げて、手数を増やしていく。


 だが、仁はマルスの攻撃を避けることもせず、全ての攻撃を剣と盾によって受け流していった。


「そんなんで、俺を超えることなど出来るかああー!!」


 マルスの全力の一撃にあわせ、シールドバッシュで弾き返した。


「ぐはっ!」


 またもや床を転がり壁際まで追い遣られるマルスは、床に這いつくばりながら仁を睨みつける。


「か″あ″あ″あ″ーー!!」


 立ち上がったマルスは叫んだが、その叫び声が切っ掛けか、様子が一変する。


 Exスキル『明鏡止水』を発動させて、全身から余分な力が抜いていった。


「フッ、それでいい。 さあこいマルスよ、そして、俺を斬ってみせろ!!」


 仁はマルスの攻撃を受けるつもりで待ち構える。


 次の瞬間、マルスの姿はかき消え、仁との間合いを一瞬で詰め寄り、空裂斬を仁の体に叩き込んだ。


「ぐっ!」


 モロに空裂斬を腹に受け、仁の脇腹からは血が滲んでいた。


「よし、合格だ」


 すると、マルスが意識を取り戻す。


「ん? あ、あれ? オレは……」

「フッ、もう終わったぞ、ほらこれだ」


 仁は、自分の腹部に出来た斬撃の跡をマルスに見せた。


「えっ!? それって……」

「うん、見事に斬られたな。ハッハッハ」


 仁の脇腹から血が滲み出ているのを見たマルスは狼狽える。


「だ、大丈夫なのか? 血が出ているんだが……」

「ん? ああ、そうだったな。 大丈夫だよ、ほれ」


 仁は血で汚れた服を捲ると、何処にも傷は無く、斬られた形跡すら無かった。


「そ、そうか。 良かった」


「うん、まあそういう事だ、気にすんな。 あと、もう一度ステータスを確認してみな」


「ん? ステータスオープン……、な!? なん、だと……」


「ハッハッハ、おめでとう! これで今日からは『剣神』を名乗れるな! ハッハッハ」


 仁に言われ、己のステータスを確認すると、そこには紛れもなく『剣神』の二文字が表示されていた。



マルス Lv50

 侍大将.new

 HP:589/1750

 MP:245/375

 STR:338

 VIT:250

 DEX:254

 AGI:254

 INT:125

 MND:156

 LUK:132

 スキル

 通常:Ex明鏡止水

 瞬身、転身、心眼

 戦闘:Ex空裂斬、Ex斬鉄剣.new

 幻影斬、ダブルアタック

 短剣LvMAX、片手剣LvMAX、両手剣LvMAX

 称号:剣神.new




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