魔術師養成学校開校
日別記録1位、471PV感謝枠?
とにかく読ん下さり、有難う御座います。
ということで、早出しです。
ジェフリーのターンです。
※マルスサイドとは違う時系列でお送りしています。
米づくりもひと段落した頃、領主ジェフリーの肝いりで、学校で魔法を教えることとなった。
そこで、子供たちに教える為にはまず大人達からだということで、仁は町の大人達を集めて、魔法の実演会を開いた。
日頃から使っている生活魔法を披露する大人達は、子供達に良いところを見せようと、様々な工夫を凝らせた生活魔法を見せてくれた。
中でも、一瞬で薪に火をつけたパン屋の親父さんは、子供達に拍手を贈られ自慢気であった。
ひと通りの魔法実演会が済んだ処で、仁は子供達に魔法の基礎、さわりを教えていく。
「みんな、どうだったかな? 魔法を使って見たいと思えたかな?」
「「「使いたいです!」」」
「うん、そうだね。 魔法は便利だし、使い方を間違わなければ、人の役にたてる立派な大人に成れるんだ」
「「「おおー」」」
「特にこれからみんなが習う『生活魔法』は、魔法の基礎を習う為の魔法でもあるんだ。 分かったかな?」
「「「はーい!」」」
「ん、皆はお利口さんだし、ひとつおじさんが良いものを見せようね」
「「「ざわ、ざわ」」」
「なんだろう? 何かなあ?」
「ワクワクするなー」
仁は子供達を背にして、大空に手をかざして火球を放った。
ドッパーーン!!
盛大な音と共に、様々な光で色鮮やかな火花が撒き散らされる。
大空に拡がる火花は、あっという間に消え去り、人々を驚嘆させた。
「な、なんだ!?」
「何? なんだ今の音は? 何が起きた!?」
仁の放った花火は、カーラの町の住人に、混乱を招く結果となってしまった。
☆ ★ ☆
仁は事の経緯を説明し、町の住人に謝罪した。
「ハッハッハ、そうか、やはりサトシ殿の為業であったか」
「申し訳ありません……」
「いやあ、驚いたぞ、サトシ殿は大魔道士であったのか」
「いえ、大けん……」
「ん? 今なんと?」
「いえ、ただの魔道士です。 ハイ」
「そ、そうか? まあいい。 すまんが、もう一度見せてくれんか? 私もサトシ殿の魔法を、是非見たいのだが」
「えーっと、宜しいので?」
「うん、皆も望んでいよう?」
「「「お願いしまーす!」」」
仕方ないかと、仁は町中の人々の期待の中で呟き、両手を大空にかざし、火球を数発放った。
ドン!ドン!ドン! ドッパーーン!!
盛大な破裂音に、観衆は感嘆の声を漏らし、大空にばらまかれた輝きに魅せられていた。
「「「おおー!!」」」
「すげー……」
「ん、すげぇな……」
「おらの魔法は魔法じゃなかった」
「おい、やめろ! サトシさんと比べんな、失礼だろ?」
「そ、そうだな……、すまんかった」
「ボクも魔道士になるー!!」
「あたしもなりたーい!」
町中で様々なことが囁かれる中、ジェフリーは心の中である決心をする。
『サトシ殿に教えを乞う』と、決めたのであった。
◇ ◆ ◇
魔法の実演会が終わった数日間は、町中で人々の魔法適正を計ることとなった。
やり方は至極簡単、魔石を握りしめ、生活魔法を使用するだけである。
火魔法は『世界の根源たる【火】よ、我にその恩恵をもたらせ』
水魔法は『世界の生命を育む【水】よ、我らにその恩恵をもたらせ』
風魔法は『世界に溜まる魔素を祓い、マナを運ぶ【風】よ、我らにその恩恵を示せ』
土魔法は『世界中の生命を支える【大地】よ、その身を示せ』
光魔法は『この世を照らす導きの【光】よ、我らにその道を照らせ』
闇魔法は云うまでもなく、闇の眷族しか使用出来ないので、敢えて教えなかった。
因みに闇魔法は、『大地の奥底に眠る【闇】よ、光を呑み込み敵を討て』である。
◇ ◆ ◇
「ふむ、なるほど。 大半が【火】の適正を持っていて、半数が【風】の適正を持っていると……。【水】は1割程で【土】と【光】は皆無であったと」
ジェフリーは、仁の報告書を片手にし、結果報告を受けていた。
「はい、傾向としては、生活魔法を使うことは可能ですが、初級魔法まで使える人は100人に1人、中級に至るには万にひとりとなるでしょう」
「そ、そうか……、よく分からんが難しいのだな」
「そうですね。 しかし、これは今の事です。 今後の教育と世代交代を繰り返せば、上級に至ることも可能になりますので」
今後の教育次第で変わると、仁はジェフリーを導く。
「そ、それは真か!?」
「ええ、文献によれば、大魔道士や賢者、聖女など、高等魔術を操り、勇者と共に魔神の使徒を屠ったと在りますので、間違いないでしょう」
「な、なんと! その文献とやらは今何処に」
「すみません、流石に持ち歩くモノではないので、お見せするにはちょっと……」
仁の説明に食い付き席を立ったジェフリーだが、流石にダンジョンに連れて行ける分けもなく、断るしかなかった。
「そ、そうか……、そうだな。 では、その魔道士が共にした勇者とやらは如何なる者なのかな?」
「はい、勇者とは古来より『神々の使徒』として、この世に生まれ、あらゆる魔を退ける力を秘めた人とされて居ります」
「『あらゆる魔を退ける力』……、ん? 『人』というと、まさか人間なのか?」
ジェフリーはふとした疑問を、仁に問い掛けた。
「はい、その通り、勇者とは『人間』として生まれるそうです」
「な、なんだと!!」
ジェフリーは、我を忘れて椅子を蹴倒し、叫んでしまった。
いつも読ん下さる方々には、感謝するしかありません。
ユニーク数もですが、PV数の増減で一喜一憂する私には、最高の喜びであります。
底辺をさ迷うこと三月半、唯一の作品評価としてPV数増加は嬉しい限りです。
本当に、ありがとうございます。
これからも、頑張りますので
よろしくお願い致します。




