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とあるダンジョンの探索記  作者: アイネコ
第三章、人々の暮らし
71/206

ダンジョンファーム

ブックマークありがとう御座います。





 ギラル Lv25

 ドラゴニュート

 HP:4000/4000

 MP:1250/1250

 STR:250

 VIT:200

 DEX:150

 AGI:150

 INT:125

 MND:125

 LUK:100

 スキル

 通常:思念波、竜鱗、言語化Lv1

 戦闘:格闘Lv7、ブレス(火炎)、Ex竜化Lv3

 加護:竜神の護り



 ドラゴニュートのギラルが仲間となり、10階の制御室を取り戻した事で白の能力が開放された。



「皆さん、ありがとう御座いました。 制御室ならび、大切な友だちも助けて貰えました」


 白は、奪還作戦に参加したメンバーに、深々と頭を下げ礼を述べた。


「良かったな、これでこのダンジョンの攻略が捗りそうだな。 そこでなんだが、白はどうする? ここに残るか?」

「はい? えっと、皆さんは何処かに行くのですか?」


「ん、ずっとここには居られない。 俺は別の所でやることがあるし、ここのダンジョンを正常に戻さないといけないから、他の連中も集落に戻るしな」


 白は己の役割と、マスターである仁の立場を考え、ここに残る決意をした。


「そうでしたね、すみません。 私はここに残り、皆さんの手助けをしよう思います」


「そうか、なら一人だとまたアレだし、ギラルはここの警備をして貰えないか?」


 仁の要望に、ギラルは異議を申し立てる。


「ナ、ナゼです? ワレはアナタのケイゴをマカされたのデワ?」


「んー、すまんな、俺には仲間が居るし、人間の町に住んでいるしな、連れていけない上に、警護であれば足りている。 それに、この中で一番弱いサチコの方が役に立つから、警護は要らないんだよ」


「ナ、ナンデすと……」

「まあ、ここの警備をなら、任せられるんだが、どうする?」


 仁の提案に、ギラルが焦る。


「グヌヌ、アナタのケイゴをマカされたワレのシメイがハたせないトハ…… でしたらシロサマのケイビをしつつ、タンレンをツむとしマス」


「そうして貰えると助かる。 今後の攻略にここの警備は重要だし、防衛の設備と人員も揃えないとな。 そうだ、猫又族なら良いんじゃないか? その方が、白も良いだろ?」


「「な、なんだと」」

「良いかもニャー」


 ミケが、レドとリウを横目で見ながら、ニヒヒと笑う。


「えっと、ありがとう御座います」



 こうして、若干の異論もあったが、仁の命には逆らえず、10階の件は落着となった。



 ◇ ◆ ◇



 白のダンジョン攻略を進める仁達は、10階層を支配下に治めた。



 現在の白のダンジョンは、地下25階が最下層となっている。


 勿論、攻略を進めるのだが、白のダンジョンは広い上に、多種多様のモンスターが蔓延り、一筋縄にいかないダンジョンであった。


 そこで、仁はある計画を進める。



 ダンジョン、ファーム化計画である。



 この思い付き100%の計画は、当初出来たらいいなぁ程度の企画であった。


 だが、ここ5年間、様々な実験を繰り返していた『始まりのダンジョン』での、食糧増産問題(召喚だより)が契機となり、試験的に農場と牧場を造ることで、オーク達が大活躍したのである。



 彼等は以外と面倒見がよく、特に養豚にかけては、すこぶる成果を上げたのであった。


 飼料をつくり、畜産物を増やし、今では仁が町で売る商品となっているのである。


 何故畜産物のみなのか?


 それは『始まりのダンジョン』が単に、広さがないという事情であった。


 大して広くもない所で、大規模農場とか無理で、精々試験的に可能な範囲で農場と牧場を造って、遊んでいたに過ぎない規模であった。


 偶々、オーク達に適正があり、子豚を育て、飼料をつくり、それが軌道にのったに過ぎなかったのだ。


 ぶっちゃけ、穀物なら大量に召喚出来る仁にとって、大農場を造る意味が見いだせないだけであったリするのだ。



 なので、矢鱈と広い白のダンジョンで、大規模農場をやってみようとなり、広さだけはある1階層で農場と牧場を造っていたりするのであった。


 その1階層を拡張工事をした上で、白が持つ制御能力をフルに使い、ファームをつくれるのかを実験してみようという計画なのである。



「いやぁ、腰が痛い」

「うむ、ただひたすら耕すとか、罰としか云えないな」

「ニャハハハ、だらしニャいニャー」

「「お前も耕せ!」」


 何時もの3名は、いつも通りであったが、各種族が人を出し合い農作業に従事していた。


 この事業が軌道に乗れば、人間との関わりの切っ掛けになるはずだと考えている仁だった。



 ◇ ◆ ◇



「ん、結構あるな、馬車に積めるだけ積んで行くか」

「そうですね、そろそろ帰らないといけませんね」


 仁とサチコが話していると、アリアが何か言いたげにしていた。


「あ、あのぉ、仁さま、ちょっといいですか?」

「はい、なんですか?」


「えーっとですね、そのぉ、私も町へ行きたいなと、思いまして……、駄目ですか?」

「んー、そうですね、いいですよ」

「あ、ありがとうございます」


 少し不安もあったが、アリアが町で暮らせる状況が、整い始めているので許可をだした。


「但し、認識阻害の指輪はして貰いますが宜しいですか?」

「はい、でもそれって以前は駄目でしたよね」


 以前渡した認識阻害の指輪では、アリアの神性を抑えられず、モザイクのようになってしまい断念したのである。


「ええ、ですが無いよりはマシですし、今回のは前の物より性能は良くなっているので、何とかなるかも知れません」

「分かりました、ではご一緒させて下さい」


 仁から指輪を受け取り、左手の薬指に通して、うっとりするアリアであった。


「ん″! 大丈夫みたいですね。 町では外さないようにして下さいね」


 指輪に見とれうっかりしていたアリアは顔が真っ赤になっていた。


「あ、はい……」



 こうして、アリアを連れて町へと帰る事となった。





明日の更新は、お休みさせて頂きます。



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