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とあるダンジョンの探索記  作者: アイネコ
第三章、人々の暮らし
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調査結果

あと少しで10,000PV、2,000ユニーク達成です。

ありがとうございます。

読みに来てくれた方々には感謝するしかありません。

ブックマークも少し増えましたし、頑張ります。

今後も、よろしくお願いします。





 ここ5年間、仁はこの地の調査を進めていた。



 ダンジョンの改装を行い、各階層の整備を完了させ、配下の者達を使い『始まりのダンジョン』付近の調査を行ったのである。


 その結果、周囲にはめぼしいものが何も無く、半径10kmには森と若干の平地があると判明した。


 そこで、初期調査で有効でもあった、オオカミとゴブリンにチームを組ませた『ゴブリンライダー調査隊』を正式採用し、改めて調査を開始する。


 調査隊には、周囲の生態調査、半径50kmの再調査、そして、新たなダンジョンの情報収集を命じた。


 最初の調査から半年間は何も成果がなく、活動1年を目処と決めた直後に、南南東に35km行った所で人間らしき生物を発見。


 また、その6km先に、人間の集落を見付け、情報収集に数カ月を掛けて調べることで、周囲の状況を含め生活レベルは最低限度であると報告が為された。



 その後も調査範囲を伸ばし、3年を費やし調査を終えた。



 判明したことは、人間の国家が南方152㎞程の場所にあり、周辺に町が数カ所あるとされ、幾つかの小さな領地が点在し、中央の国を護っていると推測できた。



 周囲の調査をしながら、情報収集を進めていた事もあり、何だかんだと約5年が過ぎていた。


 その間、仁はダンジョンの仕様確認、配下の育成、召喚で呼べるモンスターの確認と精査、スキルの利用や開発を進めていく。


 5年という長い月日は、仁には多くの知識と経験を積み上げる期間となり、配下の力を蓄えることにも繋がった。



 ◆ ◇ ◆



「色々と、ありがとうございました」

「いえいえ、サトシ殿の店を出す事はこの町の発展になりますし、町の者達も喜ぶでしょう」

「そうですか、まあ喜んで貰えたら嬉しいですね」


 仁の店は、町の北側でやや人が多い区画に出すことが決まった。


「えーっと、米ですか、あれはうまいですな。どんな食材ともあう主食として、この町の特産になるなら、誰しもが喜ぶでしょう」

「そうですね。では頑張って種を仕入れて来なければいけませんね」


「手に入るのであれば、幾らでも支援は致しますので、サトシ殿、よろしくお願いします」

「分かりました。必ず種を持ち帰ると、お約束しましょう」


 出店の話を進める際に、食事をする事になり、お返しで米を炊き、試食させて見たところ大層気に入り、仕入に希望されたのである。


「では私共は、サトシ殿がお帰りになるまでに開店出来るよう、店舗の改装などは、お任せくだされ」

「はい、よろしくお願い致します」


 町長と出店計画を進めつつ、今後の食糧改善計画を話し、人々の生活支援をすべく、仁は一度ダンジョンに戻ることにした。


 情報収集も町長自身が積極的だったことで、かなり精度の高い情報が集まり、目的であった人間国家の状況を把握することが出来たからであった。



 ◇ ◆ ◇



「お待たせ、支度は出来てるか?」

「あ、お帰りなさい。一応、頼まれた物は買ったけど、こんな物要るの?」


 仁はサチコに、この町で入手出来る生活雑貨や食材を集めて貰っていた。


「ん、生活レベルをキチンと理解しないと、何が出来るのか分からないからな、ガラクタでも情報は詰まっているものだよ」

「へぇ、流石ですね。でも私は活躍出来なかったのが残念です」

「フッ、まあいいじゃないか、その分、色々と遊べたんだろ?」

「あ、バレてましたか、ごめんなさい」


 深夜に、部屋に忍び込んで来た賊を、サチコが撃退していたのである。


「構わないよ、どうせ俺らの金を狙って来てたのだからな」

「そこもお見通しなのね。なのに人間を支援するとか、意味が分からないです」


「そこは神からの依頼だし仕方ない、まあ俺自身もしたいと思っているんだがな」

「ヒトシさまは優しいですから、私は構わないですよ」


「いつも思うんだけど、見た目子供の癖に、大人びたよな」

「そ、それは言わないで下さい。一応、苦労はしているので」


「すまんな、どう見ても10歳以下だし、実質7~8歳だろ? ギャップがあり過ぎてな」

「むぅ、それは、アリア様に言って下さい」


「そうだな、だけど種族特性上は仕方ないんだよな、サキュバスである以上、早熟は必須らしいとあるからな」


 サチコと話すと、人間である仁には、とても子供の話す内容とは思えないし、違和感が拭えないのである。


「よし、用事は粗方済んだし、一旦帰るぞ」

「はーい」


 こうして、宿を引き払い、領主に伝言を残して町を出て、追跡者が居ない事を確認してから、転移の魔方陣のある場所へと、向かった。



 ◇ ◆ ◇



「ただ今戻りました」

「お帰りなさい、仁さま」

「主殿、ご無事でなによりです」

「ん、順調過ぎて逆に疲れたよ」


 アリアとリッチが、出迎えてくれていた。


「でしたら、温泉にでも入って、ゆっくりなさってはどうでしょう」

「おお!いいですな、某も久しぶりに入りたいですぞ」

「そうだな、久しぶりだしな」

「では、参りましょう」

「男女は別々ですからね」

「……、はい」


 アリアの目論見は、仁のひと言で崩れ去ったのであった。



 ◇ ◆ ◇



「やはり我が家は良いものだな」

「はい、あんなゴミためと比べたら天国ですよね」

「まあ、そんなに違うのですか?」


「そうなんですよアリア様、ベッドはカッチカチですし、虫だらけでとても横になれない程でした。それにあの臭いはちょっと駄目でしたね。アリア様は、行かなくて正解でした」

「まあ……、そこまで酷い場所でしたのね」


 サチコは、初日の宿屋のベッドで寝るのを嫌がり、仁に助けを求める程であった。


「そうですね、もう少し生活レベルが上がらないと、アリア様を連れては行けないですね」

「はあ、そうですか、残念です」


「人間共の話はそれ位で、せっかく主が帰還したのです、宴でも開きましょう」

「そうですよ、宴です! カレー、カレーライスが食べたいです!」


 サチコは宴と聞き、カレーライスが食べたいと、仁に懇願した。

 やはり子供だなと、仁はサチコの要望を受諾する。


「では、準備をしましょうか」

「分かりました。久しぶりに皆を集めて開きますか」


 大宴会を開ということで、4階層の大空洞を利用して準備を開始。


 最終的に、全ての配下は入りきらず、二カ所に分けて開催したのであった。



 ◇ ◆ ◇



「うー、食べ過ぎたニャ」

「儂もじゃ」

「ハッハッハッ、だらしないぞお前ら」


 猫又のミケとオーガのレドは食い過ぎて転がり、それを見て笑うリザードマンのリウは酒を飲み過ぎ、カオスな空間を演出していた。



 ここ数年間で見つけた新たな仲間たちは、仁が造ったダンジョンを攻略しにきたモンスター達であった。


 たまたま仁に声をかけ、返り討ちにあい、その強さに惚れたらしく、そのまま居ついた猛者達である。



 当初の彼等は『始まりのダンジョン』をいとも容易くクリアしたので、まさか人間である仁に倒されるとは、夢にも思って居らず、文字通りワンパンでKOという醜態を晒したのであった。


 以後、『油断大敵』の良い見本と揶揄されたのだが、本人達はそのことで仲間たちと打ち解けることができ、居座る切っ掛けとなっていったのであった。



 こうして、仲間となった彼等から、ある情報がもたらされる。



 人間国家の東側に、ダンジョンが存在していて、自分達はそこから来たのであると




活動方針を以下のように変えようと思います。

物書き初心者である上に、語彙力も無いので、今後は短くても切りよく終わり、更新頻度を上げていくことにしました。

それでも、体調が安定しない時はお休みにしますので、ご了承下さい。



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