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とあるダンジョンの探索記  作者: アイネコ
第二章、ダンジョンマスターとして
60/206

真相、その2

時間が足らず、仁のステータス公開が間に合わない可能性がありますので、次回にもあげます。





 7階層のマッピングを終え、特にすべきことは無かった。


 めぼしい採集場所や宝箱もなく、7階層のトカゲ駆除くらいしかないので、8階層の攻略を開始する事にした。


 「とりあえず、10階層が目標で良いかな」

 「そうですね、リッチさんの見た情報ですが、現在は不明なので、10階層が目安になるでしょう」

 「某が定期的に調べていれば、良かったのかも知れませんな……」


 「仕方ないだろ、4階の守護者なんだし、元々5階層までのダンジョンだったんだろ?リッチは10階まで確認しただけ、まだ管理者の神より勤勉だよ」

 「そうですよ、逃亡者である管理者は既に裁かれ、永久追放になったと報告にありました」

 「え?追放ですか?何処へです?」

 「新規計画の異世界で、永久に虫として転生するらしいですね」

 「「はい?」」


 「意識はそのままで、神性を剥奪し、虫へと転生させ異界に封印という事です」

 「「えぐぅ!」」

 「そこまでするとは……、死んでもずっと虫に転生するとか、怖ろしいですね」


 「まあ仕方ないですね。せっかく神格を与えられたのですけど、特にする事もなく、数億年ぶりに管理者として赴任した世界で怠惰にすごし、魔神につけ込まれたあげく、魔獣にいいように蹂躙され、使徒が使い潰されたうえに、あまつさえ勝手な理由で逃亡などと、赦されるはずはないのです」

 「はあ……、某を創った神は虫になったと……」

 リッチは創造主の末路を知り、哀れんだ。

 「…………、思ったより重い罪なので、正直びっくりです。因みにどんな神様だったのですか?」

 「詳しくは分かりませんが、別次元の世界で神の試練を受けて、神格化した英雄と聞いています。何でもゲームとかアニメやら、MMOがなんたらVRがなんたらとか、よく分からない人だったと、お父様から聞きました」


 「…………、日本人かな?別次元の英雄とか、どんな感じなのですか?こことは違う次元なのですよね?」

 「ええ、前に創造神様が天界に帰還された話はしましたよね」

 「ええ、聞きましたね」


 「創造神様は全ての神の頂点であり、次元を越えた存在なのです。そして、あらゆる次元の世界の父であり、私達、管理者の父でも在るのです」


 「「………………」」

 「ですので、この世界も含め、仁さまが居られた世界も全て、元を辿ると創造神様が存在するので、私達管理者も、どの次元にどんな世界が在るのか把握できないのです」

 「はあ……、そうですか……、ん?すると日本人ってなんなんだ?俺も日本人だし、仮想世界でも日本人だったけど、どうなっているんだろう?」


 「そうですね、私も分かりませんが何か在るんでしょうね。創造神様が全ての世界を創っていて、その多くの次元で日本人というワードが出てくるので在れば、創造神様が関わっているのかも知れませんね」


 「壮大すぎて分かりませんね……」

 「ええ、分かりませんし、解ったら、それこそ、そのひとが創造神様である証ですね」


 「…………、なるほど、そうですよね、因みに手つかずの世界とかも在るのですか?」

 「はい、無数に在ると云われています」

 「そうか、すると魔界もそれだけ存在しているんだな」

 「怖ろしいですな、主はそんな敵に立ち向かうのですな」

 「そうですね、魔界に居る魔神との闘いは、未だに続いています。ですので、逃げ出した管理者が裁かれるのは、当然の事なのです」


 「そうだよな、怠惰な神のせいで、俺達が苦労しているんだしな……、まさかゲームしててとか、アニメ見てて、こんな世界になったとか、笑えない理由じゃないよな……、ハハハ……、あり得るな……」


 「…………、正解です」

 「はあ!?そいつ馬鹿じゃねぇのか?」

 「ええ、ですので虫に転生し、永久に虫で在ることが、妥当となりました」


 「…………、笑えないけど、仕方ないな、笑えない理由でこうなったんだしな、俺も注意しないとな」

 「仁さまは大丈夫ですよ」

 「いや、色恋沙汰に現を抜かすことは駄目だと思いまして……」

 「「はい?」」


 「主、それは違いますぞ、主とアリア様の御子が誕生せずして、何を希望にして、某は生きれば良いのですか!?」

 リッチは爆弾を投下した。

 「な、なに言ってんだおまっ……!?」

 仁は突っ込みどころ満載のリッチに反論しようとした瞬間、全身の毛が逆立つ危機感に襲われた。

 「…………、仁さまとの御子……」


 「え?ちょっ、アリア様、リッチの戯れ言です。しょ、正気に戻って……」

 既に、アリアから得体の知れないオーラが放たれていた。

 「わ、わたしは正気です!ですので、何時でも言って下されば、ハァハァハァ」

 「ちょま!ま、待って!おい!!リッチ、お前も逃げるな!!」

 リッチはこっそり逃げ出した。


 「さあ、誰も居なくなりましたわ、ふたりしか…………」

 仁は全力でフリーズンをアリアに放ち、アリアを凍らせた。


 「……、危なかった。喰われるかと思ったけど、だ、大丈夫だよな……」

 次の瞬間、ビキキとヒビがはいり、アリアは復活した。


 「ふぇ!?」

 「あら?私の服……」

 仁は、一目散に逃げ出した。


 「ごめんなさーい!!」

 アリアの衣服は、氷と共に崩れ去っていた。


 こうして、8階層攻略会議は解散されたのであった。



 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇



 あれから仁は、アリアに土下座して謝り、新しい服を作り許して貰えた。


 女神をひん剥いた割りには、あっさりと許されたので、仁は益々女性というものが分からなくなった。


 「本当にその服で良いのですか?」

 「はい、動きやすいですし、可愛いので大丈夫です」

 アリアが所望した服は、秋○系のメイド服であった。


 メイド服に詳しくない仁は、イメージだけで作りあげたのだが、どうやっても野暮ったくなってしまい、ノリで〇葉系のメイド服を作ったら、アリアはそれをいたく気に入ってしまい、ずっと着ているのだ。


 美女でスタイルの良いアリアは、誰が見ても女神と認識するのだが、その女神が秋葉〇のメイド服で彷徨くので、仁の〇〇がヤバいことになる寸前であった。


 「すみません、アリア様」

 「はい、何ですか?」

 「えっとですね、その服だと()()なので、別の服にして貰えないですか?」

 「え?駄目ですか?」

 「駄目ではなく、色々と危険なので、ヤバいかと思いまして……」

 「そうですか?分かりました、着がえてきますね」

 仁はホッとしたが、着がえてきたアリアはドレスアーマーを纏っていた。


 これもまた仁がノリで作ったものであり、ヴァルキリータイプのドレスアーマーであった。


 天使の羽根をもち、ミスリル色のドレスに胸当て、小手、腰周りとブーツをミスリルで作り、アーマー部分に、これでもかという位にデザインを施したドレスアーマーである。


 「お似合いですね……」

 「ありがとうございます。これで万全ですね、さあ行きましょう」

 「はい……」

 (まあ、メイド服よりは良いかな……)

 仁は、色々と諦めたが、アリアは鼻歌まじりの上機嫌であった。



 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇



 8階層に入り、ダンジョンは一変した。


 「なんだこれ?」

 「悪趣味ですな……」

 「……………」


 壁や天井はもとより、全てが骨で埋まっていた。


 所々から、うめき声が聞こえ、おどろおどろしい雰囲気で埋め尽くされていた。


 「これってゴブリンの頭蓋骨だな……」

 「こっちはオークの骨ですな」

 「す、すみません、わたしは……」

 「アリア様は、この先には進まない方がよろしいかと思います」

 「…………、はい、すみません」

 どう見てもアリアの様子はおかしかったので、仁はアリアをテレポートで第一まで退避させた。



 ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆



 「お待たせ、どうだ?変わりないか?」

 「はい、してアリア様の容態はどうですか?」

 「たぶん大丈夫だろ、第一まで退避させたからな、あそこなら彼女も癒されるだろう」

 「なるほど、そうですな」

 「それじゃ、先に進むぞ」

 「「「「ハイ!」」」」


 こうして、アリア不在での8階層攻略が始まったのである。


 8階層は色々と酷かった。


 骸骨で埋め尽くされているだけでも、緊張感が半端ないうえに、骸骨にまざりスケルトンが襲ってくるのである。


 スケルトン Lv40

 HP.120/120


 隊列で通過中に、突如スケルトンが現れ、囲まれること数十回、また通り過ぎてからの前後で挟み撃ちは序の口で、小部屋に入った途端に壁や天井が崩れ、床からスケルトンが現れ、数百体に襲われるとか、しょうもない攻撃に晒されていた。



 「リッチ、なんとかならんか?」

 「動いていれば感知できますが、流石にここまで骸骨で埋まってますと、分かりませんな」

 「そうか、仕方ないアレをやるか」

 「それしか、ありませんな」

 「お前たちは、後からついて来いよ」

 「「「「ワカリマシタ」」」」


 仁はファイアを周囲に放ちつつ、移動を開始した。



 仁の後に続く仲間たちは、独り前を進む主を見詰めている。

 だが、どう見ても、主が炎上してるようにしか、見えないのであった。


 火炎を纏い、周囲を焼き尽くす精霊イフリートといった見た目が、畏怖の念を刺激し、主は最強と改めて認識するのであった。


 (あっちいなあ、マジで勘弁して欲しいんだが……)



 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇



 「熱かったあー、マジで勘弁して欲しいよな」

 「お疲れさまです。しかし、最後まで焼き尽くさずとも、我々を使って下されば、もっと楽に来れた筈ですぞ」

 「そうだが、気が休まらないのは駄目だろ、何人脱落したか分からんしな、ここでの戦力低下は避けないと、この先で苦労するだけだろ?」

 「そうでしたか、これは浅慮でしたな、失礼しました」


 「まあなんだ、単に俺が苛ついていただけだ、気にしないでくれ」

 「いえ、主の思いやりは私達が弱い故に、某も精進せねばならないかと思いました」


 仁達が休憩していた目前には、9階層に降りる為の階段があった。


 「よし、行くか」

 「「「「ハイ!」」」」


 装備を整え、9階層へと仁達は降りていった。



 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇



 「ここもか……」

 「嫌らしいですな」

 「とりあえず確認の為に、普通にいくぞ、いいな」

 「「「「ハイ」」」」


 仁達は辺りを確認しながら前進を続けた。


 やはりここでもスケルトンの襲撃に遭い、方針を話し合った。


 「案の定、スケルトンだったな」

 「ええ、如何しますか?」

 「そうだな、この先は確実性が欲しいな」

 「確かに、ではレベルアップが必要ですな」

 「そうだ、だから一度戻るぞ、そして優位な装備を揃えて、リベンジだ」

 「「「「リョウカイです」」」」


 そして、仁達は中央拠点へと戻り、装備を整える支度を開始するのであった。



 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇



 「お帰りなさいませ、仁さま」

 「ただ今戻りました」

 仁はミスリルの補充を兼ねて、第一に居るアリアの元へやってきた。


 「アリア様に報告にきました。あれから9階層まで侵攻しましたが、8階層と同様に、9階層でもスケルトン達に襲われました」


 「そうでしたか、では私も……」

 「いえ、それは出来ません」

 「え?ですが私の浄化であれば……」

 「それも駄目です」

 「…………」


 「アリア様には悪いですが、ダンジョン攻略の為に、仲間たちのレベルアップが必要なのです。ですので浄化は困ります」

 「分かりました……、ですが私も一緒に行きます!」

 「…………、9階層の瘴気は濃いですが、大丈夫なのですか?」

 「……、やはり仁さまはお気づきでしたか、大丈夫です。私のことは気になさらず、仁さまは前に進んで下さい。私はその後をついて行くだけですから」

 「分かりました、でも辛い時は言って下さい。でなければ、無理やりにでも、連れ戻しますので、良いですね?」

 「はい」


 こうして数日間の準備期間の末に、9階層攻略の為のレベルリングが開始された。



 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇



 仁達は、可能な限りの物質をスケルトン対策に費やした。


 装備をミスリルで統一し、武器は全て打撃系を装備させ、投擲武器は火炎瓶を大量に作り、圧倒的な制圧力を確保して挑んだのである。


 8階層に二日、9階層に4日を費やし、かなりの成果を叩き出した。


 結果は、ゴブリン達は軒並みLv40を越え、オーク達もLv40に達し、オッグがLv46、ゴブタロ、コボジロはLv45、リッチがLv48と大幅にレベルアップし、ジェットに至っては、Lv50でカンストしてしまった。

 しかもその後、ジェットが進化可能などと判明し、仁は舞い上がって喜び、ジェットをモフモフしてしまった。



 「うーん、迷うな、ダイアウルフだと狼だし、フェンリルだと魔獣だろ?ケルベロスだと首が3つとか……、どうするよジェット」

 「ワフ?」

 「う……、やっぱダイアウルフか?んー、フェンリルは……」

 「召喚出来ないものも、在るのでは?」

 「それか!…………、あ、ダイアウルフはあるな、何故だ?」

 「フェンリルとケルベロスはないのですか?」

 「ん?…………、ん?ケルベロスはあるけど、フェンリルはないな?どういう事だ?」

 「何でしょう?なにかあるのかも知れませんね」

 「んー、フェンリルは俺の記憶だと魔獣なんだよな……、たしか神と敵対していた神話があったはず……」

 「なるほど、そのせいかも知れませんな」

 「では、フェンリルにしますか?」

 「いや、やはりジェットに決めさせよう」

 仁は、ボールを3つ用意し、それぞれに番号をつけて、ジェットに選んで貰う事にした。


 「いいか、1がダイアウルフで2がフェンリル、3がケルベロスだからな、どれがいい?」

 「ウォフッ!」

 ジェットは迷わず、3のボールを咥えて戻ってきた。


 「ん?ケルベロスなのか、分かった、ならケルベロスにしような」

 仁はジェットの進化先をケルベロスにした。


 するとジェットの姿が変化しだし、毛並みが黒く変わり、ボフン!と煙が立ち込め、ひと回り大きな姿へと変わった。


 「おお!!立派に成りましたな」

 「ええ、しかもつやつやしてますね」

 「な、なんだと、首がひとつとか、ケ、ケルベロスだよな?」

 「ウオン!」

 「ひっ!……、スゲぇ、迫力」

 クゥーンと済まなそうな鳴き声をあげ、ジェットは伏せて仁の前で眼を瞑った。


 ジェット【従魔】Lv1

 ケルベロス

 主人.田中 仁

 HP.3000/3000

 MP.1000/1000

 STR.150

 VIT.150

 DEX.200

 AGI.200

 INT.100

 MND.100

 LUK.100

 スキル

 通常.EX遠吠えLvMAX

 疾走LvMAX.隠密LvMAX.索敵Lv.MAX統率LvMAX

 戦闘.体当たり.噛み砕き.引き裂き.足止め.蹴り.火炎Lv1new.吹雪Lv1new.雷撃Lv1new.咆哮Lv1new.爪牙Lv1new

 加護.ダンジョンマスター(意志疎通)new

 異形たちの王(ステータス強化)new

 備考.新たな王に進化を促され、従魔となった狼たちの長。


 「うあ!レベル1なのに、メッチャ強いぞ!やったなジェット!」

 「な、なんですと!?真ですか?」

 「あら、本当にレベル1ですね」

 「な、なんと……」

 「ウォーーーン!」

 「ぐはっ!」

 仁達は、ジェットの鳴き声で吹き飛ばされたのだった。



 ─── ─── ─── ─── ───



 田中 仁 Lv47

 ダンジョンマスター

 HP.112800/112800(3s=+5%)

 MP.20304/20304(3s=+5%)

 DP.50000/50000

 STR.188

 VIT.188

 DEX.141

 AGI.141

 INT.282

 MND.10564

 LUK.34

 スキル

 通常.メニュー.マップ.テレポート.情報.通信.監視

 召喚Lv5.作成Lv6.分解Lv5.鑑定LvMAX

 魔方陣LvMAX.生活魔法LvMAX.治癒魔法LvMAX

 火魔法LvMAX.水魔法LvMAX.土魔法LvMAX.風魔法LvMAX

 氷結魔法.MAX

 MP倍加.MP消費半減.HPMP自動回復LvMAX

 経験値倍加.思考加速.詠唱破棄

 身体向上.知能向上.反応速度向上.回復力向上

 戦闘.なし

 耐性.全属性95%無効.状態異常無効.精神異常無効

 加護.異世界の神(不老不死)

 称号.大賢者

   .異形たちの王(各ステータスup)



ぎりぎりの時間で書き上がったので、修正と仁のステータス公開が入る可能性があります。

次回は、来週の1月15日(火)17時の予定です。



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