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とあるダンジョンの探索記  作者: アイネコ
第一章、始まりのダンジョン
44/206

出陣

お待たせしました。



 防衛準備が整ってから3日経った。


 あれからどれ程のオークがスライムプールで死んだのか判らない程、引っ切り無しに部隊が送られてきた。


 その度にスライムプールのスライム達が溢れてくるようになった。


 スライム【召喚】Lv99

 主人.田中 仁

 HP.30/30

 MP.30/30

 STR.10

 VIT.10

 DEX.10

 AGI.10

 INT.10

 MND.10

 LUK.10

 スキル

 消化吸収LvMAX.分裂

 戦闘.なし

 耐性.物理99%無効

 加護.ダンジョンマスター(意思疎通)


 どうやらカンストはLv99らしい。

 しかし、スライムは弱いな物理耐性99%無効でもHP30だしな。

 仁の元へときたスライムはピョコっと体の一部で挨拶をしていた。

 仁はお疲れさんと挨拶を返し、スライムを帰還させた。


 分裂で体を分ければレベルは下がり、数が増えより効率よく処理していくというスライムプールは、文字通りスライム達で埋まっているのであった。


 かなりの数が来るから、防衛施設まで造ったのに、毎回引き返しているようで、何を考えどうしたいのかが判らない事態に、仁は迷っていた。


 「もうこっちから攻めるか?」

 「そうですね、微妙なとこですな」

 「面倒臭いからほっとくか……」

 「それもそうですな、出ていってもあの数では、押し潰されるだけで何も出来ないでしょうし」

 「もうしばらく様子を見よう」

 仁は手をヒラヒラと振り拠点へと戻った。


 ただ待ってても仕方ないので、出撃の準備を始めた。

 とりあえず回復アイテムをマジックバッグに補充して、後は自爆特攻用の装備を考えた。

 胸当てをプレートにして、小手とブーツをミスリルに変更して、盾を少し大きくした。

 武器は今のままでも良いだろうと思った。


 オッグには大楯にスパイクを取り付けて、武器は大きめの片手斧を作った。

 ゴブタロにはスパイクを大きくしたメイスを両手持ちで握るグリップに改良をし、予備武器にナイフを作り渡した。

 コボジロには、投擲武器とナイフを改良したものにして、回復アイテムをマジックバッグに詰めて渡した。

 こんなところかと思い、ふと閃いた。

 イソイソと準備を始め、作成で作りマジックバッグに詰め込んでいくのだった。


 思いつく全てはやったので、スライムプールの様子を見に行くことにした。


 見張り役がいる櫓に到着し、防御壁の上に上った。

 どうやら今は治まって居るようなのでスライムプールに行くことにした。

 壁に近づくと異臭が強くなっていくので、鼻を摘み近寄っていく。

 死体はスライム達が処理しているので無いが、血の跡はあるし臭うのだ。

 水魔法で霧状の水を噴射して、辺りの臭いを緩和させ、周囲をクリーンで清浄化した。

 プールの壁に登り、壁の向こう側を確かめた。

 そこには大勢のオークが陣取っていた。

 仁に気付いたオーク達は騒ぎ出し、色々と物を投げだした。

 流石に多数のものは避けられないので、風魔法で壁を造り吹き飛ばした。

 響めきと罵声が聞こえて来たので、ファイアボールを連射した。

 広い通路に満遍なく撃ちこみ、吹き飛ぶオーク達は味方の血肉を浴び、次々と吹き飛んでいった。

 逃れる場所など何処にも無い、しかも飛んできた仲間が被さりそれどころではない。

 

 仁がファイアボールを連射した姿を見たゴブタロ達は壁を登り様子を窺うが、そこにはオーク達が泣き叫ぶ地獄が広がっていた。

 リッチは愉しそうに嗤っていた。


 刃向かう者が居なくなるまで、ファイアボールで嬲り殺しにした仁は、スライム達に死体処理を頼んだ。

 プールに橋をかけ、向こう側へと渡った仁達は、スライム達がワラワラとオーク達の死体を処理していくなかを通路の奥へと進んでいく。

 ゴブタロ達は仁の後方に控え、主の行動に目を向ける。

 こういう時は大概怒っているので、下手に近付けないのであった。


 仁はオーク達が逃げた先へと進み、オーク達を追い詰めていく。

 スタスタと歩く仁に、逃げ場が無くなってしまったオーク達が泣き叫ぶ。


 しばらくその様子を眺めている仁だが、何時まで経っても治まらなかった。


 ヤレヤレと思い仁は叫んだ。

 「お前達に指揮官は居ないのか!」


 騒ぎは治まらないが、オーク達の人垣が割れ、ひとまわり大きなオークが歩みでてきた。


 「ワレにヨウか?ニンゲン」

 「お前か、此奴らの指揮官は」

 「ソウだ、ソレがドウした」

 「この落とし前をつけに来たから、俺と戦え!」

 「フン!ワカった。オマエたちキケ、コヤツひとリダ、やっテしまエ!」


 だがオーク達は誰も動かず逃げ出したのだった。


 「おいお前、指揮官なのに能無しの人望無しとか、哀れだな」

 「ナニ!ソンナことハナイ!オイソこのどうホウよ、オマえがコヤツヲたおセ!」

 どうやらオッグ達に命令出来ると思っているので、オッグ達に頷いた。

 オッグ達は走り出し仁を素通りして、オークの指揮官へと攻撃を開始した。

 「バカな!ワレにでハナい、アヤつだ!グォッ」

 オッグが体当たりで吹き飛ばし、ゴロゴロと転がり、コボジロが追撃を喰らわせる。

 コボジロの投げたナイフが指揮官の足へと刺さり動きを阻害し、そこにゴブタロが大きく振りかぶったメイスを強かに打ち据えた。


 どうやら指揮官は死んでしまったようだなと仁は呆れた。


 「こんな能無しの人望すら無い弱者が指揮官とか、どうなってるんだ?」

 「主よ、所詮はオークです、そんなに熱くならずとも、一度冷静になりましょう」

 「まったく、部下を何だと思って居るんだ!これじゃ人間と変わらんじゃないか!」

 「そうですな、だからこそ主は冷静沈着で在るべきですな」

 「んぐ……、そ、そうだな、済まなかった」

 「いえいえ、それでこそ我が主です。たとえ敵で在ろうと、その生命の尊厳に慮る主は、ダンジョンマスターとして神々が使わした至高のお方でありムグッ……」

 「ちょ!言わせねぇよ!」

 仁はリッチを羽交い締めにして黙らせたのだった。

 そんな主の姿をみて、微笑むオッグ達だった。




 指揮官を倒し、スライム達の仕事も終わったので、一旦集落に帰ることにした。


 オークリーダーの元に訪れて、事のあらましを説明した。

 今後は攻めて行くことを告げ、ここの防衛と兵力の向上を任せる事にした。

 物資の確保と将来的な事も含め、色々と話す事もあるので、ここで昼食を取ることにした。


 あまり食欲も無かったので、皆が好きそうなハンバーガーにした。

 ちょっとだけ豪華に目玉焼きにチーズとトマトやレタスをはさみ、ポテトとソーダをLサイズにして、食べたのだった。

 やはりこの手のものは何処でも人気があるなと実感した。

 オーク達は2セットは普通に食べて、オッグやリーダーは競い合うように食べていた。



 オークリーダーにここを任せるとして、まず物資の確保をしなければならない。

 そこで10人程を物資を集める部隊にする。

 ここのオーク達はLv25以上あり、まず全滅はないと思うので、仁が知ってる採取現場の地図を作成で作り、あちこちと指差して、詳しく説明をした。


 第1拠点を物資収集拠点にする事にして、次に集めた物資を運ぶ5人を運搬部隊とし、第1から第2拠点経由で工房に運び込んで貰う事を決めた。

 あと食糧なども各拠点に運んで貰い輸送ルートの維持もしようと思った。

 オークリーダーも了承したので、後は仁が各拠点に出向き、顔合わせをすれば問題は無いだろうと思った。

 目印の為にドッグタグを作りそれぞれの首に提げさせれば見分けは万全だなと思った。


 やることは決まったので、早速オーク達の道具を作る事にした。

 工房に居るからと人選を任せ、仁は工房へと向かった。


 工房で回収用のピッケルと採取用つるはしとカマを作り、マジックバッグと食糧などを入れるアイテムボックスを作った。

 後はボックスを運ぶ背負子も必要かと思い、ドッグタグも併せて作った。

 これで物資回収をする部隊が来れば出発出来ると思い休憩をとった。


 お茶を飲みながら待っていると、オークリーダーが部下を引き連れて来るのが見えた。

 リーダーは連れてきた15人を仁に紹介してくれ、15人は仁に敬礼をした。

 仁はリーダーに礼をいい、15人を受け入れた。

 リーダーには後のこと頼み、仁達は各拠点用の食糧を背負い、15人のオーク達を連れて、第2拠点へと向かった。


 仁達がオーク達を引き連れて、ゴブリンの集落に到着すると、ゴブリン達が慌ててしまい、仁が宥め説明をした。

 最初にゴブタロを先行されば良かったと思ったが後の祭りであった。


 何とかゴブタロがゴブリン達を集めてくれたので紹介が終わり、目印のドッグタグを説明し了解がとれた。


 第2拠点へと移動して、ここを中継地とするようにと、オーク達に施設内の説明をした。


 ゴブリン達が集めた採集物もここに在るので、輸送班にも説明をした。

 持ってきた食糧のアイテムボックスを下ろし、拠点に置いてあるアイテムボックスと交換し、そのアイテムボックスをゴブリン達の集落に置いて、集落のアイテムボックスを回収した。

 こんな感じで物資を運び、回収する作業を教えオーク達に学んで貰った。

 ゴブリン達にも、今後オーク達が物資を運びに来るので、アイテムボックスの物資を使うようにと説明をした。

 礼をしてくるゴブリン達と別れ、第1拠点へと向かう事にした仁は、コボジロを先行させたのだった。

 2度目の失敗はしないよと仁はおもった。


 仁達が第1拠点に到着したが、子供達は居なかった。

 ウルフの家族たちは居たが、他のオオカミ達が居ないので仕事中だと判った。

 まいったなと仁は思い、ウルフに子供達を探してくれないかと頼み、ウルフは了承してくれた。

 ウルフはスンスンと鼻をならし臭いを追って、方向を定め走り出した。

 仁はその行動にほっとして、やはりウルフは優秀だなと感心したのだった。

 仁のなかでひとつ言葉が定着した「モフモフは有能」の誕生である。


 第1拠点の説明とウルフの家族たちをオーク達に紹介して、一通りの物資回収をした頃に、ウルフや子供達が帰ってきた。


 子供達は久しぶりにオークの大人達を見て涙ぐんでいたが、仁が別の集落から連れて来たんだと紹介して、子供達は驚いていた。


 今後は大人達と一緒にここで仕事をして貰うことを説明し、定期的に食糧補給と物資回収に大人達が来ることを了解して貰ったのだった。


 子供達は仁達が来なくなるの?と思ったらしいが、仁自身はそんなことは無いと「ここはお前達との思い出が詰まった場所だしな」と呟いた。


 仁は久しぶりの風呂に入ろうと、湯を沸かしオオカミ達を洗い流し

 子供達と一緒に入りオーク達も入るかと入れて、お湯が溢れ無くなった湯船を見て全員が笑ったのだった。


 その日の夕食は、しばらく会えない子供達の為に色々と作り楽しく過ごした仁は満足して眠りにつくのだった。



 翌朝、連れてきたオーク達にここでの活動に問題があれば報せるようにと頼み、アイテムボックスを交換して、輸送班にはルートの地図を作り渡し、各拠点の物資を1日おきに回収していく事を決めた。


 各拠点に1日滞在すれば、物資回収と供給も効率的になるかな?と仁が思ったからである。 

 一通りの指示も出来たので、子供達やオオカミ達と別れの挨拶をして、仁はオーク達の集落へと出発した。



 5階の工房に回収した物資を置き、空になったアイテムボックスを供給側のアイテムボックスへと置き食糧と衣類を入れて蓋を閉めた。

 供給のアイテムボックスは全て同じなので、問題はないと思う。

 後はちゃんと仁が確認をしていけば良いだけである。


 これでしばらくは問題ないだろうと、仁達は戦の準備をして、ひと眠りして出立しようと伝え、皆と休息に入った。



 休息を終えた仁達は、装備を確認しアイテムを補充して旅立つのだった。

 予定は三日間、目的地は不明だが隣の集落を目指し、侵攻していくと決めた。


 行き掛けにオーク達やリーダーに挨拶をして出発した。


 この先なにが持って居るかは判らないが、オークなら負ける気はしないし、ジェネラルやキングであればぶちのめしてやろうと思う仁であった。



 仁の重い腰も動き出して、次回は敵陣?に突入です。

 次回は木曜日17時投稿になります。

 よろしくお願いします。



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