オーク集落での防衛準備
仁は汗を流そうと朝風呂に入り、昨夜のことを思いだす。
この世界の神である管理者は不在だと。
1,000年後に魔神や魔獣、魔物達を封じ込めたダンジョンが復活すると。
神が居ないこの世界は、魔神が復活すれば間違いなく魔界になってしまうと。
神様の上司である監督官のゼノス様は、俺に管理者即ち神になれと。
はっきりと断ったが、今思うとよく断罪されなかったと思う。
しかも、ゼノス様の娘アリアさまだったかな?寄こすとか言ってたな……
最初に会った神様はアリア様とかいってたし、なんか嫌な予感しかしないんだが如何するか……
正直、女運は無いどころか最悪だったしな、すっげぇ逃げたいんだが無理なんだろうな、と仁は項垂れて風呂からあがるのだった。
気分は最悪だが腹は減る。
テンションだだ下がりなので、好物のおにぎりで朝食をとった。
味噌汁をすすり、鮭おにぎりを食べる。
「はあ、うめぇ」と少し元気がでたのだった。
ゴブタロとコボジロ、オッグと子供達もおにぎりを食べ、オオカミ達も鮭おにぎりを旨そう貪っている姿に、仁は癒やされるのだった。
その後、仁は子供達とオオカミ達に留守を頼み、第2拠点へと向かった。
ゴブリン集落に寄り、ゴブリンの子供達の成長を確認したが然程変わりが無いと思い、当面の食糧と衣類などを足して拠点へと移動した。
リッチに教えて貰った、生まれ変わりの意味が気になるが、オークの集落を先に何とか為ねばと、拠点で資材を回収するのだった。
資材をマジックバッグに入れ、オークの集落に向かうのだが、ウルフを如何するか迷ったが連れていく事にした。
5階への階段を下り、オークの集落に到着したが、様子がおかしい……
物陰に隠れマップで確認したら、オークリーダーが何やら連れ去られそうな事態になっていた。
どうやら、オークキング絡みらしいので仁は足早に回り込み、オッグとウルフに襲うよう指示をした。
敵の数は5体、向こうのレベルは高いが此方は武装で勝っているので、ゴリ押す事にした。
仁はゴブリンリーダーを連行しようとしているゴブリン達の前に躍り出た。
分かり易いように、尻を向けゴブリン達を煽る。
「ヘへ~ん、こっちまで来てみろ~」と尻を叩き、舌を出し戯けた。
案の定食いつき襲い掛かってきたので、仁は目前にファイアを炸裂させた。
目の前まで来ていたゴブリン達はまさか自爆するとは思って居なかっただろう。
そのまさかをする仁はにこやかに自爆するのだった。
吹き飛んだゴブリン達は燃えながら転がり悶えたところでオッグとウルフに襲われ、あっさりトドメを刺されるのだった。
オークリーダーはそんな仁達を眺めながら、火を纏った仁を恐ろしく思うのだった。
「うん、この戦法も有りだな」
「熱く無いので?」
「熱いけど、ほれ」と燃える腕をリッチに見せた。
「あっつ!すみません火はやめて下さい」
「あ、すまん弱点属性だったな」
とコントのような光景に周りは苦笑いをするのだった。
オークキング絡みのオーク達を始末した仁は、オークリーダーに事情を聞いた。
やはりオークキングの手下で、ここでの騒ぎが伝わったらしく、近隣の集落に連行される所だったらしい。
それを聞いた仁達は、連れて行かれそうになっていた通路に向かった。
問題の通路到着したが思ったより幅が広く、通路を塞ぐには持ってきた資材では足りない事が判明した。
仁は緊急事態だと思い、分解で通路の出口に穴を掘り、排出した土で穴の淵に2mの幅、高さも2mで壁を造り硬質化の土魔法をかけた。
そして、これなら時間稼ぎになるだろうと、穴に水を貯めそこにスライムを最大数召喚した。
仁は驚いた。
まさか1,000匹召喚出来るとか、ドン引きである。
穴には水かスライムか、どちらが多いのかが分からない事態になっている。
見ているだけで、身震いする程の末路が恐ろしくなった仁は、考えたら負けだと思い壁から降りたのだった。
離れた場所に監視用の櫓を建て、見張り役のオークをオークリーダーに依頼し、他にも通路がないかと聞いたが、近隣の集落に繋がる通路は無いと言うので仁達は集落に戻った。
とりあえずの防壁は何とか出来たので、ここで昼食にしようとサンドイッチとコーンスープを作り、手早く済ませた。
後は今後の活動方針を決めないといけないので、オークリーダーの帰りを待った。
しばらくするとリーダーが戻り、様子を聞いたが問題ないとの事だった。
色々と話し、早急にオーク達の装備の見直しと、仁達の活動拠点を造る方針でいく事になり、仁達は拠点をどこにするかを検討した。
リッチがオーク集落に造るのは、オークの発育や発生に影響が出るかも知れないと意見がでたので、拠点は集落から離して建設しようとなった。
今回の拠点は一時的な物なので、工房をメインに設計したものになる。
防衛用の建材や、進路妨害ようの有刺鉄線や穴掘り用のスコップなどが必要なのだ。
スコップは武器としても使えるので、大量に必要になるなと仁はほくそ笑んだ。
検討の結果、万が一の事を考え4階への階段がある通路側を選択した。
階段前の防衛とT字路が気になったからである。
T字路の方は、とりあえず未探索の通路を封鎖して、後日探索する事にした。
まず工房だが試験的に、スキルと魔法で造る事にした。
最初に建造場所にスキル分解で砂地に変え、土魔法で平らにならしそのまま石材に変えた。
そして、石材の上に水平器を起き常態を調べた。
多少の誤差はあったが、1mm以下だったので問題ないと思った。
この方法なら重機とか使わずに色々と造れると仁はほくそ笑んだのだった。
工房用の土地が出来たので作業台を造り、建材を造り組み立てていった。
土台部分はブロックを土魔法で生み出し、作成で形にしていき並べて接着させるタイプにして揃えていった。
ある程度の資材が出来たので、作業台をどかして土台部分を造りだした。
ブロックをモルタルで接着させ並べていくので、かなりの作業スピードで完成である。
正味、1時間強で作業は終わり最速であった。
今までの努力が何だったのかと思うほどの手軽さだった。
とりあえず土魔法で硬化し定着させて、次の工程に進むことにした。
土台部分のなかに砂利と砂を敷き詰め平らにしてから、土魔法で硬化して土台は完成である。
その土台の上に床板パネルを設置していき、そのパネルを固定し仕上げに床板を張り完成である。
ここまで造れば、工房は作業台を載せて完成である。
もうこれ以上にない結果に、リッチは大はしゃぎであった。
最終的には、分解>整地>召喚>設置で完成も出来るのでは?と仁は思ったが、今はやめて置こうと思うのだった。
早速、オーク達の武装を作ろうと思う。
まずはオーク用の袖なしシャツと短パンを作る。
上下セットで100着づつ作り、次はスコップを100本作った。
後は胸当てだが、鉄と皮革は召喚で補充し、鉄の胸当てを100枚作る。
流石に100セットあると、持ち運びも大変なので、アイテムボックスを出し、それに入れオーク集落に向かった。
オークリーダーに戦力となるオーク達を集めてもらい、それぞれに配りサイズ調整をしながら着せていった。
各々が着心地を確かめ落ち着いた頃に、スコップを配った。
使い方を教え、武器としても使えると教えるとニヤッと嗤った。
(ちょー怖いんですけど……)
大体終わったかなと思い、腹も空いたので夕食にした。
夕食はオーク達も居るので、芋煮会にした。
食材は適当に選んで、肉はどうするかと悩んだが、やはり豚バラが旨いよなとなり、豚になりました。
作成で大鍋を造り、石を積み上げたかまどを造った。
かまどの上に大鍋をのせ、水から根菜や昆布をいれ煮ていく。
コトコトと次第に煮え始めアクをすくい、沸騰する前に火力を下げ、そこへ残りの野菜と肉を入れじっくりと煮込んでいった。
肉と野菜の香りのなか、煮詰まったアクをすくいまくり、仕上げに豆腐と刻んだネギを投入して完成である。
かなり大雑把に作ったが美味そうな匂いを放っている。
オーク達も目が釘付けになっていたので、大きめの椀とスプーンを配り並ばせ、それぞれによそって食べさせていく。
かなりの量を作ったが、全員に配り終わった頃には、半分以下しかなかった。
足りないかな?と思ったが、どんぶりサイズの椀だったので大半は満足していた。
お代わり組は戦士達だけだったので、仁達も芋煮を食べその日は解散となった。
次の日の朝、オークリーダーの使いが来たので集落に向かった。
オークリーダーが仁に敵が来たと報告し、そのまま現場へと向かった。
現場に到着すると、壁の周りには溶けかけのオーク達の屍が折り重なり、死屍累々となっていた。
「うっ…………、マジかぁ」
「これはまた、凄いですな」
「予想してたが、リアルになるとこれは……」
「流石は主、ダンジョンマスターとして君臨する日は、近いやも知れませんな」
「あ、ありがとう、だがまだまだやるべき事は山積みだし、ダンジョンはここだけじゃないからな」
「失礼しました。ですが、オーク達の支配することは目前かと思いますぞ」
「そうか?そうなら助かるんだが……」
そんな会話をリッチとしながら壁を見詰める仁の目には、壁から這い出てくるオークの姿が止まなかった。
とりあえず突破されても、足止めの罠を仕掛け、少しでも敵の侵入速度を落とす事を考え、穴掘りと鉄条網を張り巡らせた。
勿論穴には有刺鉄線が設置されているので、入ってしまえば当分出て来れないようにしたのだった。
現状出来ることはスライムプールを突破はあり得るとして、弓矢を練習して貰おうとオーク達を集める事にした。
召喚で素材を揃え、手頃な弓を作る。
短弓や長弓、試しにボウガンを試作してみた。
短弓や長弓は作成で問題なく作れたが、ボウガンは難しくて上手く出来なかった。
作成のレベルが上がればその内作れると思い断念した。
オーク達の弓矢の練習は段々と的に当たるようになり仁は感心した。
なら自分もと短弓で練習をしたが当たる気配すらなかった。
やはり戦闘スキルが「なし」には無理らしいと思う仁だった。
スライムプールの様子が気になり見に行くと、どうやら敵襲は止んだらしく、オーク達の死体もスライム達が処理して無くなっていた。
見張り役のオーク達も、一安心したようなので仁はオーク達に声をかけ集落に戻るのだった。
オークリーダーと話し合い、警備と弓の練習を続行を依頼して、工房に戻るの事にした。
工房に戻り、簡易宿泊所という掘っ立て小屋を造り、トイレとシャワーを設置した。
仁はさてどうするかと考えたら、腹が鳴る音が聞こえた。
仁では無く、オッグだった。
そういえば朝飯も食べてないことに気付き皆に謝り、食事の支度をするのだった。
仁はほっとけば、ずっと飲まず食わず眠らずが出来てしまうので、すっかり忘れていたのだった。
謝罪を兼ねて、最近食べてないものにしようと、フライドチキンを作ってみた。
コーンサラダとポテトサラダにレタスとベーコンをのせて、ポタージュスープとアップルパイを付けてみました。
流石に作り過ぎかと思いきや、あっさり完食されました。
食事を終えて、工房で防衛用の柵と防護柵の資材を作っていった。
柵の作成が終わり、次は防御壁用の資材を作り始めた。
出来た資材をオーク達で見張りが居る場所へと運んで貰った。
かなりの量を作った仁は、作成をやめて現場へと向かった。
現場に到着した仁は、櫓近くに貯めた資材を使い防御壁を造り始めた。
櫓の前からダンジョンの壁に向かって造り続け、ダンジョンの壁まで完成させた。
何をしたかと言うと、櫓の前からダンジョンの壁までのカキワリを作ったのである。
ただの書き割りには何の防衛力もないが、この後仁はこのカキワリ防御壁の裏に土魔法で石材を造り、階段を設置して、そこに弓士を配置して敵の撃退を狙って造ったものだった。
要は射撃場である。
後は反対側のダンジョンの壁から、資材が無くなるまでカキワリを伸ばし、同じように石材と階段を設置していくのだった。
カキワリの防御壁の間が20m程空いたが、その前方50m程の場所に仁は柵を並べ始めた。
仁が右側へと、オッグ達が左側へと伸ばしていき、設置し終わるまで伸ばし続けた。
設置し終わった柵に仁は土魔法の石材で固定していく。
かなり長いので柵の付け根だけにしたが、それでもかなりのMPを消費していたので、この作業で一旦休憩しようとなった。
毎回思うがおかしいレベルの建築技能だといえる。
防御壁の上にテーブルと椅子をだし、仁は紅茶を飲み、ビスケットを囓った。
ひと息ついた仁は周りを確認した。
順調に準備が出来てるし、もう一頑張りするかと作業を再開した。
後は防護柵の設置だけなので、然程掛からす作業は終わったのだった。
出来た防御壁と防護柵の迷路は、
かなりの人数に攻められない限りは通り抜けは難しいと思えた。
「いやあこれまた、厄介そうなものを造りましたなあ」
「そうか?魔法で攻略すればこんな物無いに等しいと思うが」
「そうですな、だがオーク共の使える魔法などに、この防護を突破は難しいと思いますが」
「そうだな、無茶しないと出来ないだろうな」
「当然、主がそんなことをさせる気はないでしょうしね」
「ああ、俺が居ればな」
「ま、まさか出陣なさると言うので?」
「当然だろ、向こうは命懸けで来るんだ、こっちも迎えに行かずに如何しろと?」
「では某もお供致しますので、よしなに」
「ああ、期待している皆で出陣だ」
こうして準備は整ったのだった。
2日かけた割には、よく判らない作者です。
長さ的には良いのかな?と思っていますがどうでしょう?
今月は年末とあって皆様も忙しく過ごすと思いますが、息抜き程度に読めたら良いかと思います。
来週の更新は火木土の17:00を予定しています。
よろしくお願いします。




