第2拠点完成
建築関係の用語はうろ覚えです。
関係機関や職場にお勤めの方々は、ご容赦願います。
仁の朝は早い、早いと思う……
ダンジョンに籠もって……、もとい潜ってからかなりの日数が経っていて、太陽すら見ていないので、現在が朝なのか夜なのかが分からないからである。
顔を洗い歯を磨き、朝食を作り皆と食べる。
いつも通りの朝である、屋根があればだが……
本日はその屋根というか、2階部分を造ろうと思う。
まあ既に建材は出来ているので、組み立てて部屋と屋根を乗せるだけである。
まず工房で建材を組み立て、壁と屋根のパネルを造ってしまい、それを運び組み立てる予定である。
召喚>作成>組み立てでほぼ工場で造ってる感じなので、ひとりでやっても異常な早さである。
しかも魔法も使えるようになって、可笑しい建築レベルである。
と、まあ壁パネルと天井パネルが完成したので運ぶのをオッグに手伝って貰う。
物を運ぶのもオッグが居れば百人力なので、ゴブタロ達も運べばさらに作業が捗るのである。
レベル制の世界はガテン系ばかりなので、あっという間なのだ。
残る2階部分の作業はほぼ同じなので、早速作業にかかる仁だった。
1階の入り口に梯子をかけ、中央の柱付近の内壁上に登る。
そして2階部分の床板を造る為の角材を渡して貰う。
渡して貰う順番は壁に立て掛けて置いた順なので、一本づつ渡して貰う手はずになっている。
まず一本目を入り口正面の壁上に設置し仮止めの楔を打ち込む。
次の角材を渡して貰い、時計回りに壁上に設置していく。
4本の角材を設置出来たら、次は外壁側の壁上に登り固定されてない角材を外壁側の柱に固定の楔を打ち込んで、内壁と角材を金具を差し込んで内壁を固定していく。
残りの固定されてない角材を同じように外壁側の柱に固定して、内壁も同様に金具を差し込んで固定していく。
残りも同様に固定させれは、内側は完了である。
次は外壁側の壁上に、胴差し部分を造っていけば床板部分を造る準備が整うのである。
胴差し部分も出来て、床板と天井を張る為の根太や桟を渡していく。
根太と桟を掛け終えたら、先に1階の天井パネルを張ってしまうことにする。
入り口奥の部屋と入り口横の部屋とその奥の部屋の順に天井パネルを張ってしまう。
張った天井パネルの上に断熱材をいれて、1階と同様に板をしき固定する。
とりあえず3部屋分が完成したので、休憩にしようと外に出た。
作業は下準備の分楽になっているが、やはり作業を分かっている仁でないと出来ないので、疲れるのは仕方がないのである。
休憩を終え仁は2階への階段を造る作業に入る。
まず入り口の部屋の右奥の柱のあるかどに、階段の踊り場を造る天井は無いので、2階への高さを140㎝で造り、予め用意していた階段を取り付けた。
次は踊り場から2階への階段を取り付ける為の柱を立て、2階の入り口部分に床板部分を足す作業を始める。
入り口から床板の枠をオッグ達に入れて貰い、立てた柱と入り口側の胴差し部分に固定して金具で補強していく。
後は2階の床を造った手順で、天井パネル、断熱材、床板をしき強度の確認をした。
オッグに乗って貰い揺すったが、ギシギシと音がしたので後で補強の柱を追加しようと思った。
次は踊り場から2階への階段を取り付けこれで一旦完成である。
これで2階部分の床は一旦完成にして、1階入り口の階段下の床板を外して、補強の柱を立てる部分に束石を置き角材の高さを調整して、それを階段を支える柱にする。
階段下の柱が出来たので、床板を加工して敷き直した。
ここで階段部分も出来たので、お昼にしようと休憩に入った。
昼食はおにぎりが食べたくなったので、鮭.梅.昆布.おかか.ツナマヨで作り、パリパリの海苔で巻きながら食べた。
パリパリの海苔はオッグ達にも気に入られ、おにぎりの追加を作るハメになりました。
ほんのり塩をふった塩おにぎりに海苔も旨いよなぁとパクついていたら、ゴブタロに見つかり塩おにぎりも作りました。
たらふく食べたゴブタロ達に緑茶をいれた湯呑みを渡し、緑茶を啜る仁は、おにぎりの後は緑茶だなと思うのだった。
休憩を終え、次の作業が2階の外壁パネルの取り付けなので、足場が必要だよなと思い土魔法で足場の柱を造り、そこに厚みのある足場板をかけて、外周部に設置した。
足場も出来たので、ゴブタロとコボジロに乗って貰い、2階の外壁パネル設置を手伝って貰う。
1階と同じ作業なので、然程時間も掛からず完成したので、序でにそのまま2階の内壁パネルを設置していった。
後は屋根部分と床板、扉や窓枠などを造ればほぼ完成である。
2階の外壁と内壁が出来たので、ちょっと休憩を取ることにした。
ゴブタロ達にアメ玉を配り、温かいお茶を配る。
あと少しだなと、仁はアメ玉を口に入れたままお茶を啜った。
お茶を飲み終わり気合いを入れて残りの作業に取り掛かる。
足場をもう一段足し、2階外周部の外壁パネル上に屋根部分を支える角材を胴差し同様に設置していく。
外周部全てに角材を設置できたので1階入り口とその上の2階部分の外壁パネルを設置して、残りの屋根部分の梁などを設置して固定していく。
後の作業は仁のみの作業なので、慎重に進める。
屋根部分の梁といっても内壁の上に乗って固定してあるだけなんだが、屋根部分のパネルは強度は余り無いので、完成している枠を外周部の角材と梁に固定していき、その上に屋根パネルを張るだけの屋根にするのでかなり慎重に作業する必要があるのだ。
屋根部分の枠を繋ぎ固定して屋根パネルを張りまた屋根部分の枠を繋ぎ屋根パネルを張る作業を繰り返して屋根を完成させた。
思ったより疲れたので小休憩を取り、仕上げの床板を加工しながら1~2階の床が完成した。
これで普通に過ごせるだけの建物部分は完成したので、外に出て足場を分解して、出来た拠点を見上げた。
「いや流石は主ですな、こんなに早く建物を手ずから完成させるとは、見事としか言えませんな」
「うん、自分でもこんなに早く出来るとは思ってなかったな、スキルと魔法が無ければ不可能だったな」
「いや、主の知識や技術があれば、たとえスキルや魔法が無くとも、建物を建てることは出来たと思いますぞ」
「そうか?俺はそんなに勤勉ではないからな、掘っ立て小屋で満足すると思うぞ」
と仁は苦笑いをした。
その後ろでは、ゴブリン達が大勢集まり、大きな建物を眺めていたのだった。
最後に残った1階入り口と扉や窓を造り、床や壁の隙間なでを仕上げの建材で塞いで建物部分は完成したのだった。
後は建物の周りの段差を砂利を敷き詰め、入り口の段差に階段を設置して全ての作業は終了した。
テーブルや椅子、ベッドやタンス、アイテムボックスなど最低限のものを設置して、その日の夜はオークの子供達やウルフの家族も呼び、完成祝いのパーティーを開いた。
ゴブリン達にも、から揚げやコロッケ、メンチカツやエビフライ、ピザやポテトチップなどを振るまい、子供達にはカレーライスを食べさせた。
翌日はのんびりと過ごし、今後の予定を立てる事にした。
朝食を取り、子供達やオオカミと戯れ、昼食後に子供達とオオカミ達を送っていった。
帰り道にリッチの部屋により、聞きたかった事や、このダンジョンも含めダンジョンマスターの存在はどういう者かを聞いた。
「主が某に聞きたいことは判ります。ですがここの資料や書籍より詳しいものも無ければ、某が研究したものの中にも、答えとなりそうなものもありません」
「そうなのか?」
「はい、神が全ての守護者に命じたのはマスターに仕えよ、ただ其れだけでした」
「そうか、なら俺をこの世界に送る事ができれば、それで良いということか……」
「でしょうな、某は主に仕えることが前提に創造されたので、主が思うようになされば良いかと思います」
「なら好きにさせて貰うとして、このダンジョンの事を知りたい、あとどれ程の階層があるんだ?」
「それですが、何階層あるかは確認はできておりません。申し訳ありませんが、某が確認出来た階層は10階までです。10階は一部屋しかなく、そこにはバンパイア、恐らく始祖クラスの存在かと思われるものが立ちはだかり、問答無用に倒されてしまい話す事すら出来ずにいます」
「そうか……、で10階まではどんな感じなんだ?モンスターはどんなのが居るんだ?」
「はい、現在は確認しておりませんが、人型のモンスターが多く、それに従う獣タイプが増えていく感じでした。確認した頃がだいぶ前ですので余り参考にはなさらないようにと思います」
「なるほど、やはりゴブリン達を使い、一度威力偵察をしてから進む事にしよう」
「そのお考えで宜しいかと」
「あのな、言葉遣いが戻ってないか?」
「失礼しました」
「ん、堅苦しいのは無しだ」
「はい」
仁は今後の計画を決め、ゴブリン達を減らす事にした。
モンスターだからと割り切り決めたが、それはこのダンジョンを支配するまでと心に決めた仁だった。
新たな拠点に戻り、仁は魔法の修練をしようと独りになった。
※リッチは離れてはいるが居ます。
今回は風魔法を覚えようと、初級魔法書を開いた。
空気を操り、場所によっては温度や湿度による攻撃をしたり、防壁を創る風が風魔法ないだとあった。
うん、解らん。
やってみなければ判らんとばかりに、瞑想に入る仁は何時もこうであった。
頭をクリアにして集中力を高め、イメージをしていく……
イメージはやいば、威力は速さ
ヒュッと風切り音がなり、地面に風が吹いた。
うん、弱いが風は吹いたな……
何度か練習したが上手くいかないので、風を起こす練習に変えた。
何度も土埃をあげ、繰り返し感覚を覚え、もう一度挑戦する。
イメージは刃、威力は刺す
ビュッ!と風が鳴り地面を一筋の風が走った。
仁のウインドカッターが発動した。
風魔法がLv1になりました。
おお!やっと出来たかと仁は喜んだ。
パチパチ鳴らぬ、カチャカチャとリッチが拍手をしていた。
まあ仕方ないと思い話しかけた。
「どうだいまのは?」
「はい、何時もながら良い魔法ですな」
「そうか、どう良いんだ?」
「そうですな、まずマナのコントロールが上手くなっています。あとは雑念がなくクリアな流れがありますな」
「ふむ、そのクリアな流れとはなんだ?」
「クリアな流れと表現しましたが、余分なマナの動きというか、マナの流れが実に綺麗に制御が出来ていると感じました。某には眼が無い故、より見えているのです」
「そうか、見えているか……、ありがとう、励みになるな」
仁は照れて頭を掻いた。
何度かウインドカッターを繰り返し感覚を掴むと
ビュッ!と鳴り、地面が一直線に切れ、跡が残っていた。
残りの属性は光と闇は特殊で、上級魔法扱いなので、今覚えられる魔法は無いので、もう一度初心に戻りファイアの修練を開始した。
10階までは頑張って書かないといけ……、いや書かせて頂きます。
よろしくお願いします。




