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とあるダンジョンの探索記  作者: アイネコ
第一章、始まりのダンジョン
38/206

リッチ再び

ゴブリン殲滅作戦開始です。


 翌日、朝食を取り出発の準備を終え、ウルフにオオカミ達を連れて来てくれと頼み、隣の洞窟へと向かった。


 東の通路を抜け、北にある通路へと向かっていると、後方からオオカミ達が追いつき合流した。


 目的の通路前に到着し、これからゴブリン達の集落を殲滅すると宣言した。

 そこで部隊を二つ作ることを告げ、仁とゴブタロ.コボジロ.オッグのチーム、ウルフを頭にオオカミ達の部隊で攻撃すると説明を始める。


 まず仁が先行し、魔法で広範囲を焼き払い、オッグ.ゴブタロ.コボジロで仁を護衛、ゴブリン達が仁達を狙い始めたら、ゴブリン達の後方からオオカミ達が突入し、そして撹乱させ無理せず退避と突入を繰り返し、逃げるゴブリンのみ倒せと命令した。


 オオカミ達約300頭を連れ、ウルフは待機地点に向かう。

 その後ろから、仁達が作戦開始地点へと向かう。


 ウルフ達オオカミ隊の待機地点到着を見計らい、仁はオッグ達に頼むぞと指示をだし、突入するのだった。


 仁はオッグ達に仁の後方を守れと伝えてある。

 なにがあっても後方を死守しろと。

 そして仁はゴブリン達の集落を手当たり次第、ファイアで燃やし始めた。


 仁の前方は火の海と化し、仁が放つファイアで吹き飛び始めた。

 少しずつ進み、後方でオッグ達が仁の背中を守る。

 燃やされた小屋からゴブリン達は慌てて逃げるが、仁は小屋だけを吹き飛ばしていく。

 その騒動が拡がり、騒がしくなってくるが、仁は構わずファイアで燃やし吹き飛ばしていく。


 ウルフ達オオカミ隊はじっと騒動を観察しその時を待つ。


 仁達の起こした騒ぎを聞きつけ、集落の長が何事かと部下たちに聞く。

 燃やされたうえに吹き飛ばされ、仲間が襲われていると。

 それを聞いた長が戦士達を集めろ、そして向かえと命令を出す。


 ゴブリン達は手に武器を持ち集まり、仁達が居る方へと向かい始めた。


 ウルフはゴブリン達が集まり仁達に向かったのを確認した。

 様子を窺い突入の準備を開始する。


 その頃、仁は未だ来ないゴブリンを待ちつつ小屋を破壊していた。


 ゴブリン達の戦士が逃げる仲間たちを押しのけ進むと、仁達を発見し武器を掲げて叫んだ。


 ウルフはそのゴブリン達の声で突入を開始した。

 逃げ出すゴブリン達をかみ殺しながら、集落を撹乱させていくために。


 一方、ゴブリン達の長は己の小屋に戻り寛いでいた。

 何も知らずに、女を侍らせて……


 仁はやっと来たかと、その手を下ろしゴブリン達を眺めた。


 ゴブリン Lv20

 ファイター

 HP.120/120


 ゴブリン Lv21

 レンジャー

 HP.105/105


 うん、強いけど何とかなるレベルだと思った。

 仁は試しにファイアを放った。


 ゴブリンは燃え上がり錯乱し、仲間に飛びついた。

 仁は、飛びつかれ剥がそうともがくゴブリンにめがけファイアを放った。

 大混乱になって、次々とゴブリン達はファイアをくらい燃え上がった。


 仁は駄目だなこれは、殲滅じゃなく虐殺だなと思い、手にミスリルの剣と盾を装備して、待ち構えた。


 仁がゴブリン戦士達を一掃した頃、オオカミ達は困っていた。

 逃げるどころか、集落の長の居る中央へと向かい始めたからだ。


 ウルフは仲間たちを集め、幾つかのチームへと分け、集落を包囲しろと命令をだした。


 ゴブリン達が長の元へと集まり騒ぎになってる事で、長が喚いている。

 恐らく煩い黙れと叫んでいるのだろうが、まったく騒ぎが治まらないでいた。

 そこに黒こげのゴブリン戦士が駆け込み、事態を知らせてやっと静まった。


 長は己の武器を持って来いと命令し、仁達の方へと向かった。


 その頃、仁は斬り殺した数体のゴブリン戦士の前で待ち構えていた。

 マップで上空から観察して、もうすぐゴブリン達がここに来ることが分かったからである。


 オオカミ達は、集落を包囲しつつ待機をしているが、ウルフは集落のなかでゴブリン達の動向を探っていた。


 仁は武器をしまい、腰に手を当て待っていた。


 長は角を曲がると、仁達が居る事を聞いて居たので止まっているのだが、仁がそれを知っているのを知らない。

 長が部下に回り込めと命令をした瞬間、建物が吹き飛び破片が部下へと突き刺さった。

 長はなにが起きたか分からず、頭を庇い周囲を見まわした。

 さっきまであった小屋が燃えている。

 そして吹き飛んだ破片が、己の腹に刺さっていた。

 部下が前に居なければ、己が死んでいたと驚愕し、降伏を選択した。


 何時までも出てこないので、ファイアを放ったが、次の瞬間降伏しようと武器が投げ捨てられていき、ゴブリン達がぞろぞろと出て来て服従の姿勢で伏せていく。


 仁は、え?なにこれ?と困惑した。

 まさかの降伏を理解出来ずにいた。

 誰もが予想外な事態に困って居ると、そこへリッチが現れた。


 仁はまさかここでお前なの?と驚き呆れてしまった。

 居るだろうとは予見してたが、ここで現れるとは思っていなかったからだ。


 「さすが我が主よ、ゴブリン達を見事ひれ伏され従えるとは、某感服致しました」

 「…………」

 「これは失礼を致しました。以前にもお会いしましたが、この階層を守護しております、リッチであります。名前すらない身ですが、お見知りおきを」

 「あー、まあいい、俺は田中仁という、前にも言ったがダンジョンマスターだ」

 仁が名乗り宣言したところて、皆が平伏した。

 (な、なんだと、どうしてこうなった!)




 現在、仁は拠点に戻って来たのだが、なぜリッチがいるんだと不満顔でお茶を啜っている。


 「ここは中々落ち着くところですな」

 「なんで着いてくる」

 「は、主の居るところが我の居るところですので」

 「誰が決めたんだ?誰も頼んで無いんだが」

 「は!それは某を創造し、マスターへ従えと、神が守護者全てに与えられた使命にございます」

 「……守護者全てねぇ」

 「さように御座います」

 「まあいいか、神にはかなり恩があるしな」

 「有難きお言葉感謝致します」

 「……その言葉使いを辞めろ!俺はそんなご大層な人間じゃない、辞めないなら帰れ!自分の部屋があるだろう」

 「分かりましマスター」

 「マスターも却下だ!」

 「了解です」

 ふんすと鼻を鳴らし、仁は休憩を続けた。



 リッチは後でいいとして、ゴブリン達を如何するかだなと仁は思う。


 まずゴブリン達の調査をしたい、どうやって繁殖したのか興味がある。

 どこで産まれ、どうやって集落を作る資材を集めたのか謎だらけだ。

 どう考えても、増えるのが早過ぎだし、見た感じ女性が居るのも違和感がある。

 女性が居るなら、母親の可能性が高いはずだが、どう見ても数が少な過ぎるのも変だった。


 オークの子供たちもそうだが、食糧をどこて得ているのかも謎だし、調査をする事は決定だった。


 昼食を済ませ、仁はひとり魔法の練習場所に向かうのだが、リッチがついてくる。


 「ついてくるな」

 「いえ、そうはいきませぬ」

 「なんでだよ」

 「神に与えられた使命故に」

 「ぐぬ……、なら大人しくしてろよ」

 「分かりました」


 仁は瞑想に入り、己と周りを同調させていく。


 感覚を高め、より集中力が増したところで、魔法の練習を開始した。


 今日練習するのは、ウォーターの魔法である。

 選んだ理由は生活魔法の水生成が使えるからだ。

 水生成は文字通り水を生む魔法だ。

 水を出せるのだから、後はイメージと放つ練習なので、今一番早く習得できる筈と思ったからだ。


 イメージは水、威力は水量


 ダバッ!と手から放たれたが、どう見ても威力は無い。

 火を消すには良いだろうが、これは攻撃には向かないと思った。


 イメージは水流、威力は水圧


 ビャァ!と水流が地面を削り溝が出来た。


 水魔法がLv1になりました。


 突然の知らせがでたので、仁は面を喰らった。

 「ふぇ?もう生えたのか?」

 「おめでとうございます、素晴らしい水魔法でした」

 「おう、ありがとう……、確認だがウォーターは今の感じで良いのか?」

 「そうですね、私が知っているものとはまったく別物ですね」

 「そうなのか?」

 「はい、通常は水を圧縮した玉で押し倒す感じです」

 「マジかぁ、俺のは別物かぁ……」

 「ですが、主のウォーターは威力が圧倒的に上ですね、中級には至りませんが見事な魔法と言えましょう」

 「そうなのか、なら良いか」

 仁は現代知識のイメージでかえって良い結果になったのだった。

 (チートじゃないよな……)


 ウォーターの練習を繰り返し感じを掴んだが、最後に放ったものは地面を貫通して抉る結果になった。


 早々に水魔法を覚えたので、まだ時間があるので、次は土魔法を練習しようリッチの意見を聞いた。

 だがリッチは「主の思うままに」と、言われるだけだった。


 仕方ないので、初級魔法書を読んだ。

 土魔法の初級魔法は、ストーンという石を投げつける魔法だ。

 そのままなら、石を拾い投げる感じだが、攻撃魔法ならもっと別の感じにしてみようと思った。


 イメージは弾、威力は速度


 ガツっ!と地面に当たり跳ねて何処かにいった。

 当たった場所には白く削られた跡が残っていた。

 うん、悪くは無いだが何かが違うと思い、やり直した。


 イメージは手のひら大の球、威力は回転速度


 ガン!と大きな音が鳴り、球はすっ飛んでいった。

 うん、これは危険だなと思った。

 当たった場所は抉れ、勢いの余り何処へ飛ぶか分からないものだったからだ。


 土魔法がLv1になりました。


 これもあっさりと告知され、こんなんで良いの?と思う仁だった。

 「あっさりと生えると、有難みに欠けるな」

 「主の才能でしょうな」

 「そんなものなのか?」

 「魔法は適性がありませんと、まず使用が出来ませんので」

 「そ、そうだったな」

 土魔法も練習して感覚を掴んだが、最後のは球ではなく、砲丸のような黒光りする球だった。

 威力は地面にめり込み、ギュリュギュリュと音が鳴る恐ろしい威力になったのだった。


 残る風と光と闇は、また今度にして、仁は拠点に戻り食事と入浴をしてその日を終えたのだった。




もっとこう苦戦ぽくしたいけど、ゴブリン達だしなぁと思い、奴も居るしこんなところかと思いこうなりました。

すみません、不甲斐ない作者が悪いのでお許し下さい。

ウルフさんはマジ有能なのに……

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