表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
とあるダンジョンの探索記  作者: アイネコ
第一章、始まりのダンジョン
36/206

仁の子育て?


 昼食を終え、オークの子供たちのことを考えた。


 子供が居るということは、繁殖地だったのかな?

 ならオークのメスが居るのかと思うが、見たことが無いから、さっぱり判らない。

 まあもう確かめようが無いので、今後子供たちを如何するかだなと……


 今は留守番ぐらいなので、適当に過ごせばいいかと思う。

 育ち大人に成るまで、育てるかというと無理があるし、折を見て、道具を持たせ自立出来るように、手ほどきする位かなと思う。

 出来れば狩りか、採集の仕事が出来れば生きて行けると思った。


 とりあえずの方針は決めたので、子供たちを風呂に入れ、さっぱりさせようとオッグに子供たちの誘導を頼んだ。


 オッグが子供たちを連れてきてくれたので、湯船に入るようにオッグも一緒に入ってもらう。


 オッグが服を脱ぎ湯船に入ると、子供たちも湯船に入った。

 流石にお湯に入るのが初めてだろうから、手桶でひとりづつ洗っていった。


 あっという間にお湯が汚れたので、クリーンでお湯を綺麗にして、また洗いだし全員の汚れが出なくなるまで繰り返した。


 最初に子供にクリーンを掛ければ良いと思うと、実はそれでは綺麗にならないのだ。

 クリーンという魔法は、清潔にするだけで、実際は雑菌や汚れは落ちるが、塵や埃といった細かい物は除去出来ないのだ。

 そう、塵や埃が綺麗になっていれば除去しないからだ。

 だから、水に溶けた汚れは綺麗に出来るが、体に付着した塵や埃は付いたままになるのだ。

 クリーンだけで良いのは、2日目くらいかなと、仁は実証済みであった。

 なので最初だけは、お湯を使い塵や埃ごと汚れを落とすのであった。


 お湯にクリーンをかけ、子供たちがお湯に浸かるようにオッグに浸かって貰う、すると子供たちもお湯に浸かった。

 傍目イノシシ親子が温泉に浸かる絵ずらである。

 ほっこりしたところで、お風呂は終了となった。

 後始末はスライムさんの仕事なので、召喚して終わりである。


 あと少しで夕飯の時間かなと思い、子供たちの服を用意する事にした。

 オッグと同じく、袖無しシャツと、パンツと短パンである。

 色違い、サイズ違いで見分けがつくので各自2着作り、子供部屋にしまうようにとタンスも作った。


 夕飯の時間に少し早いが、ゆっくりお茶を飲みながら支度を始める。

 まずコロッケを作りそれぞれに渡し食べさせた。

 ホクホクで熱々な揚げたてである。

 小さめなので、味見にいいサイズなので、次はソースをかけた物を渡した。

 ホクホク熱々だが、ソースをかけスパイスの香りが食欲を誘う。

 旨かろう?と仁は皆の顔を観察した。

 子供たちもハフハフしながらコロッケを食べ幸せそうに見えた。


 次に作ったのはメンチカツである。

 これも最初に揚げたてを食べさせた。

 かすかにパチパチと揚げたてのメンチカツの音がする物をかぶりつく。

 すると噛む度にジュワっと肉汁が染み出してくる。

 メンチカツの揚げたては旨かろうと仁は皆の顔をのぞき込む。


 次は揚げたてをソースにつけ込みさっと上げ、その上に具材タップリのタルタルソースを乗せて食べさせた。

 どうだ熱々サクサクジュワッとしたメンチカツにソースの香り、たまごやピクルスタップリのタルタルソースは旨かろう?と仁は思った。

 皆は目を潤ませ、嬉しそうにタルタルメンチに夢中であった。

 ※人によっては体に悪いので、マネはしないようお願い致します。

 ウルフ達には揚げたてではないメンチカツをだしたのだが、それはそれで食べて貰えたので、良しとした。

 油物ばかりなので、後は混ぜご飯と温野菜のサラダにしました。


 夕飯をゆっくりとり、のんびりしている仁は最近の出来事を振り返る。

 どう考えても、足止めされてる気がする。

 気のせいだと思うが、4階に入ってからが長くなっているのが事実なのでしかたがない。

 1回の探索にかかる時間が長くなったのが原因なので尚更だった。

 隣の洞窟にも拠点が在れば良いかもと、考えているのだが少し悩みもある。

 子供達のことだ。

 次の探索は数日かかると予想したので、食事をどうするか悩む。

 半月も飲まず食わず出来るのだからといって、何も置いていかないのも気がひけるのだ。

 保存食だとつまらないので、保存の効果があるアイテムボックスを出す事にした。

 1日毎に分けて3日分のアイテムボックスを出し、サンドイッチやハンバーガー、おにぎりとか手軽に食べられる物にして、出来るだけ片付けが無いものにした。


 オオカミ達は自力で何とかなるし、これで明日から探索で留守にしても大丈夫だろう。


 準備も終わり、風呂に入り見張りの順番を遅番にしてその日を終えた。


 翌日、目を覚まし朝食を取りながら、子供たちに留守にする事を説明して、アイテムボックスに食べ物が入っていると教え、1日1箱と決め食べるようにと教えた。

 2日を予定としてるし問題は無いと思うので、留守を任せることにした。


 オオカミや子供達と別れ隣の洞窟へと向かう。

 何度も通っているので、然程の時間も掛からす到達し、まずは西の通路を目指していく。


 西の通路に到着し、一息いれる。

 少しだけ休憩し、体力と気カを回復してから行こうと仁はカップに紅茶を注ぎ皆に配った。

 アメ玉を配り、紅茶を啜る。

 警戒はオオカミ達がしてるので、こうした休憩が出来るので助かる。

 だが通路では逆に邪魔になるし、ここで一旦お別れである。


 休憩を終え、オオカミ達に行ってくると伝えて出発した。


 西の通路に入り進んでいくと、ゴブリンと遭遇した。


 ゴブリン Lv18

 レンジャー

 HP.90/90


 ゴブリン Lv17

 シーフ

 HP.78/78


 ゴブリン Lv16

 アーチャー

 HP.58/58


 レンジャー、アーチャーが1体、シーフが2体を確認した。

 オッグとウルフでレンジャーを、ゴブタロとコボジロでアーチャーを攻撃し仁はサポートで戦闘開始した。

 オッグが先行しウルフが後ろに付きレンジャーを急襲した。

 同時にコボジロがアーチャーを急襲しゴブタロが突撃を開始。

 仁は皆を観察しつつ、シーフを警戒している。

 オッグがレンジャーの攻撃を受け止め、隠れていたウルフがレンジャーの足を噛み後方へ引き倒した。

 オッグの攻撃がレンジャーに振り下ろされ終わり、シーフに向かう。

 その頃、アーチャーを攻撃したコボジロは躱されたが、ゴブタロの突撃をモロに受け終わり、二人もシーフに向かっていく。

 仁はその行動を見て、終わりかなと判断し外部を警戒する。

 あっという間にシーフも終わり戦闘終了である。

 皆、強すぎじゃないかと思う仁だった。

 しかし、職持ちのゴブリンだけになって、Lvもかなり高い敵なので油断禁物だと仁は皆に伝える。


 戦利品を回収し、探索を再開する。

 通路を進み、緩やかに右へと通路が曲がっている。

 マップを確認したら、すでに北へと進んでいた。

 マップを範囲拡大すると、かなり遠回りで北上しているのが判った。

 最悪戻ることもあると覚悟し進む事にした。


 結果、大まわりで北側に進み南下しだしたと思い進むと、通路は同じ洞窟の西側の北にあった通路だった。

 グルッと遠回りで戻る一本道だったのだ。

 ハズレだ、しかも大ハズレである。

 90分程、一度戦闘しただけの通路だ。

 がっくりとした仁は、もうやる気が無くなったので、拠点に帰りふて寝をしたのだった。



 仁がむくりと起き上がり、ぐぅ~と腹の音がなる。

 飯にしようとダイニングに入ると、皆がアイテムボックスから食料を出し食べていた。


 迷惑をかけた思い、温かいコーンスープを出して配る。

 やる気を無くしても腹は減るし、それは皆も同様だなと、仁は反省した。

 子供達も居るし、余りみっともない姿を見せるのも良くないしと思った。

 モグモグと食べる子供達を見て、少し早いが仕事を教えるかと思った。


 手早く食事を済ませた仁は、子供達に仕事を教えると伝え、オオカミ達に乗せ移動した。

 場所は、銀鉱石が採れる場所だ。

 ここはまっすぐ向かうと、徒歩20分程で着くのでここにしたのだ。


 まず子供達に、銀鉱石の採取場所を観察させ状態を覚えて貰う。

 次に、オッグにつるはしを持たせ、銀鉱石を掘ってみせる。

 採掘され転がり落ちた銀鉱石を拾い、子供達に見せる。

 子供達は土塊の中に在る、鈍く光る銀の状態を覚えて貰い、土塊をピッケルで削り銀鉱石だけにし、その状態も見せて覚えて貰う。


 その作業を子供達にみせ、仕事を覚えて貰うのだが、実際に子供にピッケルを持たせ、銀鉱石を掘らせてみる。

 ピッケルなので、余り採れないがポロリと落ちてくるので問題はなかった。

 他の子供にも交代で銀鉱石を採掘させる。

 子供達は、自分達が掘り出した銀鉱石をみて、手に取り喜んでいる。

 土塊に光る銀鉱石をピッケルで削りだし、その銀鉱石の輝きに宝物だと笑う顔は楽しそうだった。


 最後に集めた銀鉱石を仁が銀のインゴットへと作成すると、子供達はその銀の塊に感嘆の声をあげた。


 銀を回収し拠点に戻った仁は、回収した銀を保管庫の銀用のマジックバッグに移した。

 今は使い道のない銀だが、ダンジョンを攻略し、支配すれば幾ら在っても足りないと思っているのだ。

 また一歩、野望に近づいたとほくそ笑む仁である。


 少しやる気戻り、昼に消費した食料をアイテムボックスに補充し、明日の探索予定を考えた。


 東の通路を洞窟へと抜けてそのまま北上し、少し面へいくと目的の通路がある。

 明日はまっすぐ向かうとして、今日の戦闘を思い起こす。

 仁は警戒と牽制を担当したが、何もする事がなかった。

 そればそれで良いのだが、敵にアーチャーが居たので優先してコボジロ達に攻撃させたのだ。


 もしもシーフ2体じゃなく、アーチャー2体だったらどうなるかは違うパターンで攻撃したと思う。


 そうなると仁も攻撃に参加していたはずなので、こっちも遠距離攻撃が欲しいと思ったのだ。

 幸い素材が大量にあるので、スリングショット所謂パチンコを作ろうと思う。

 ゴムは召喚するとして、銀が使い放題故に、銀を弾にして撃てるとか、ちょっと楽しそうなので作ろうと思います。


 銀弾を放つ銀のスリングショットが完成。

 流石にグリップは木製だが革を巻き滑り止めににかわと布でがっちり固め、手に馴染むように波打ち状のグリップになっている。

 早速、試射をしに的を作り並べて、適当な距離から(5m程)構え弾を放った。

 うん、当たらない……

 練習をした、ひたすら撃った……


 どうやらゴムが長いらしく、引き絞る度に右へ左へと定まらないようだった。

 早く気付けよレベルの欠点に気付かなかった原因は意地である。

 どう狙っても当たらないし、あさってに飛ぶ事に、気付く余裕も無かったからだ。

 ゴムを太めの物にして、長さを調整しながら、試射を繰り返した。


 最初に作った物と比べかなり短くなったが、的にほぼ命中するものに

なったので、これを練習していこう思った。

 因みに、放った銀弾は子供達が回収してくれました。

 勿論、お礼のアメ玉を渡したので問題はありません。 



ダンジョンなので、仁は迷走中です。

ワクワクとドキドキの冒険がふりだしに戻るとか、萎えますよね。

そんな仁を見る子供達。

待ったなしです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ