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とあるダンジョンの探索記  作者: アイネコ
第一章、始まりのダンジョン
35/206

新たな出会い


 仁達は拠点に戻り休憩をしていた。


 戦闘で疲れたのもあり、昼食をとってゆっくり休憩してから、防具を作ろうと思った。

 色々あり過ぎて、ゆっくりしたかった。


 休憩を終え、素材を集め足りない素材を召喚して、防具を作っていく。

 ゴブタロ、コボジロ、オッグそれぞれ体格差があるので、サイズを変え作らねばならないので、集中力が大事だったりする。

 ましてチェインシャツとか細かく繊細な部分がある物は、イメージが重要なので尚更であった。

 何だかんだと2時間近く掛かってしまった。


 皆の防具を作り終わり、休憩しながら今後を考えた。

 今回、魔法の攻撃を受けた訳だが、仁だから耐えられた訳で、他の誰かが魔法の攻撃を受ければ、耐えられるとは限らない。

 ミスリルの防具は、魔法の攻撃に耐性はあるが、魔法の効果には耐性は無かったのだ。

 対処方法は二つ、魔法とスキルだ。

 魔法入門書にあったファイアウォール等の属性ウォール系や光魔法のライトシールド等の防御系、そして魔法職がもつマジックシールドと聖なる加護といった専用スキルになる。


 現在、仁が使える魔法には防御系魔法はまだ無い。

 敢えて喰らったら、ヒーリングで回復するぐらいだ。

 あとはブレス攻撃があるなら、避けるぐらいしか出来ない。

 魔法を練習できるとしたら瞑想か

イメトレぐらいだし、魔法を教えてくれる存在も居ないのだ。

 後はレベルを上げ、初級の魔法書を読むしか無い。


 現状出来る事がないので、魔法は仁が対処すると決めた。


 仁はステータスを確認した。


 田中 仁 Lv21

 ダンジョンマスター

 HP.28395/30000

 MP.1180/1260

 DP.48500/50000

 STR.68

 VIT.60

 DEX.66

 AGI.64

 INT.63

 MND.10200

 LUK.11

 スキル

 通常.メニュー.マップ.情報.召喚Lv2.作成Lv5.分解Lv6.鑑定Lv3.生活魔法Lv6.治癒魔法Lv2

 戦闘.なし

 耐性.全属性92%無効.状態異常無効.精神異常無効

 加護.異世界の神(不老不死)


 魔法入門書を読んだあと、INTが上がったのは知っていたが、あと17で初級魔法書が読めることが分かった。

 Lv27前後位かなと思うと、ちょっと嬉しくなった。


 夕食までかなり時間があるが、戦闘してダメージを貰ってるしHPも減っているし、たまにはゆっくりしようと思う。

 オオカミ達をモフモフして、遊ぶのもありかと思う仁だった。


 その後、ゴブタロ達とオオカミ達をモフり、夕食を食べ、風呂に入りグッスリと眠った。



 翌日、スッキリと目覚めゴブタロ達と挨拶をしたが、見張りの事をスッカリと忘れていた事に気付き、皆に謝ったのだった。

 2度目のうっかりミスなので、如何するか悩んだが、やはり飯だなと思い、朝食の支度を始めた。


 まず食パンを出し、卵と薄切りベーコン、人参とコーンにバター、ジャガイモとレタスを用意し、まずポテトサラダを作り、人参とコーンを塩ゆでにする。


 人参とコーンを茹でてる間に、卵を割り軽く混ぜ、フライパンを加熱しバターを溶かす。

 さっと卵を流しこみ、フライパンを持ち揺らす、同時に箸で回しながらたまごは固まり始め、フライパンを傾け、たまごを転がすようにフライパンの端へと寄せ、形を整える。


 そして用意していた平皿をフライパンの端に逆さであてひっくり返し、オムレツを皿に乗せテーブルに置く、茹でてた人参とコーンをザルにあけ湯を切り、オムレツの皿に盛る。

 茹でたてのコーンの上にバターをのせ、オムレツにケチャップを添えて、オムレツの皿は完成。


 レタスをサラダボールに敷きつめポテトサラダを盛り、テーブルの中央に置く。

 ベーコンをカリカリに焼き、サラダボールのポテトサラダの脇に添えて、食パンを焼く。

 スープはコンソメにしてカップに注ぎ、焼けたパンにバターを塗って完成である。

 という体で、朝食を出したのだった。


 厨房が無いので、気持ちだけ足しました。

 いつものように、ウルフ達には骨付き肉を出し、皆でテーブルを囲み「いただきます」と手を合わせ、食べ始めた。

 厨房を造れば、さっきの妄想を現実にするかは判らない。

 出来れば、パートナーと出来たら良いなと思う仁だった。



 朝食を終え片付け、今日の支度をして装備を点検し、アイテムを揃えて準備完了である。


 今日の予定は、リッチと遭遇した洞窟の探索である。

 昨日作った装備は、既に全員が身に着けているので準備は万端だ。

 後はオオカミ達を如何するかだ。

 もうリッチは居ないと思うが、ちょっと不安はある。

 だが悩んでもオオカミ達は来るだろうし、来たらきたで良いかなと思い出発するのだった。



 東の通路に到着し、全員の確認をとる。

 オオカミ達も来てるし、問題もないので、通路に入っていった。

 警戒しながら、何時ものように進んでいくと、オークが居た。

 うん、子供だ。

 オークの子供たちが5人で固まって震えている。

 何故子供が?とは思うが、まずオッグに子供たちの状況を確認する事を優先し、襲われるもしくは逃亡されても、手出しをしないと命令をする。

 オッグは肯き、子供たちに近寄っていく。


 子供たちは最初驚き怯え、逃げるかもと思ったが、一人がオッグがオークであることに気付き、何やらオッグに話しかけていた。

 オッグは話しを聞き終えたのか戻ってきて、仁を促し子供たちに紹介でもしているように話しかけていた。

 どうやら理解したらしく、子供たちがペコペコと頭をさげて仁に挨拶をしてきた。


 最初は何が言いたいか解らなかったが、オッグが仁に身振り手振りで話し、何となく伝わってきて状況を理解できた。


 どうやら、焼かれた集落に居たが、リッチが襲って来たので大人たちに逃げろと言われ逃げたが、煙で方向が判らずさまよい、お腹も減るのでじっと隠れていたらしい。


 だが何日経っても大人たちが来ないので、自分たちで戻ろうとしたらしい。

 そんな時、爆発の音と大声がしたので、大人たちが居ると思い声が聞こえた方角に向かって移動したらしい。

 だが何処まで歩いても、誰も居なくて途方にくれていたと……


 というか、フガフガとしか聞こえてないのに良く通じたと思う仁だった。


 しかし、半月も彷徨い、食べ物も水も無く、よく生きてられたなと思った。

 魔物という生き物に疑問をもち、理解出来ない生態なのかもと思う仁だった。


 如何するかと思い、オッグと子供たちを見て、ゴブタロやオオカミ達を見る。

 「仕方ない、戻るか」と呟き、来た道を戻り始めたが子供たちは動かなかった。

 どうやら腹ぺこでもう動けないらしい。

 そらそうだと仁は今更気がついた。


 食べ物は持っていなかったので、召喚でコーンスープをカップで出し子供たちに配った。

 子供たちは何もない所からスープの入ったカップが出てきて驚き震えたが、カップからする甘い香りに気を取られスープを飲みだした。

 スープを飲み落ちついた子供たちにお代わりを足してやる。

 食パンのみみを取り、子供たちに配りスープに付け食べるように促した。

 よっぽど腹ぺこなのか、ガツガツと食べ始め、大丈夫か?と心配した仁だった。


 食べ終わり少し休憩し、アメ玉を全員に配り、仁が口に放り込むと全員が口に放り込んだ。

 口の中で転がす者と、ガリガリと噛む者が甘さを楽しむ。

 オオカミ達には、骨を渡しておいた。


 30分ほど経ち、拠点へと出発した。

 子供たちの足が遅いので、オオカミ達の背に乗せて貰うよう頼んだら、すっと伏せ乗れと子供たちにアピールしだした。

 子供たちはオオカミ達が怖いらしいが、オッグが大丈夫だと言わんばかりに子供たちをオオカミの背に乗せていく。

 最初はしがみつき落ちないようにしてた子供たちは、慣れてくると顔を上げ周りを見渡し、次第に座る形に跨がるようになった。

 オオカミ達も、歩幅をつめてゆっくり歩くので子供たちも乗りやすいのだろうと仁は感心をした。


 拠点に到着し、子供たちをオオカミから降ろす。

 仁が拠点に入って行くところ見た子供たちは、ほえーっと眺めていた。

 見た目だけの掘っ立て小屋だが、大きい建物を見たことの無い子供たちにとっては、仕方ない事である。


 仁はアイテム保管用の部屋にある物を全て回収して、子供用の二段ベッドを3つ設置して、子供たちの部屋にした。

 オッグを呼び、子供たちを呼んできて、この部屋を使えと、オッグに任せた。

 オッグは子供たちに説明して、子供たちも判り、仁に頭をペコペコしだしたので手を上げなだめ、頭を軽く撫で落ち着かせたのだった。


 部屋もでき、まだ朝に出発してから2時間ぐらいなので、ダイニングテーブルにバターロールをだし、水をピッチャーに入れカップを置く。

 腹が空いたら、皆と分けて食べるようオッグに伝言を頼んだ。

 子供たちのことをウルフの家族に頼み、再度出発したのだった。


 足早に隣の洞窟まで到達した仁達は、予定の探索を始めた。

 外周を廻り、採集物や通路の確認を優先で移動していく。

 途中に鉄と銀を発見したので、適当に回収し進んだ。

 薬草やキノコ、苔など錬金関連の素材を発見し回収してまた進む。


 結果、新しく3ヵ所の通路を発見した。

 北側に2つ、西に1つ確認が取れたので、今日の予定を終了し拠点へと戻った。



 拠点に戻り、遅い昼食にする。

 子供たちは、拠点前でオオカミ達と遊んで居たらしく元気がある。

 大人たちがどうなったかは、そのうち話すとして、メンタルケアは特に必要はなさそうでほっとした。


 昼のメニューは子供たちでも食べやすいシチューにした。

 チキンとニンジンを食べやすい一口大にし、ジャガイモとコーンをすりつぶし野菜のスープとミルクで煮込み、仕上げにチーズを溶かし込んで完成したホワイトシチューである。

 ※あくまで仁のイメージです。


 シチューを皿に盛り、バターロールを添えて昼食にした。

 お代わりはあるので、バターロールをその都度足せばいいかと、食べさせた。

 流石に食べ過ぎない程度で止めたが、元気なので良いだろう。


 子供たちの食事も終わり、次は大人達が食べる番になる。

 オオカミ達にはいつもと違うドッグフードをだし、仁も席に着き、皿にもられたシチューを食べることにした。


 バターロールをちぎり、シチューをひとさじ口にしてから食べる。

 バターの香りに小麦の味と、シチューが口の中でまざりあうとほっとする味に変わった。

 うん、旨いなと。

 パンを食べ終え、シチューを食べる。

 シチューの肉やニンジンは柔らかく煮込まれ、野菜が溶け込んでミルクでまろやかになったスープはコクもあり旨かった。



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