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とあるダンジョンの探索記  作者: アイネコ
第一章、始まりのダンジョン
32/206

オッグとオオカミ達


 キャンプをたたみ、一旦3階の小部屋に戻ることにした仁達は、4階の探索拠点を造る必要があると、考えていた。

 拠点を造る為にも、まず溜まった疲れを取りたかった。


 足早に進み、3階への階段を目指してた時、奴等がやってきた。


 10頭以上いるオオカミの群れ、中に一回り大きな個体がいた。

 緊急事態なので、オッグを中心に迎撃体制をとる。

 一頭を倒す事は容易いが、群れは油断禁物だ。

 数体同時に掛かって来られたら、堪らないことになる。

 皆に注意を促し、連携強化を指示した。

 複数同時に攻撃されたが、牽制に留めチャンスがあれば、倒すを繰り返し、噛まれ動きが止まったオオカミの腹に、思い切り蹴りを入れるオッグは凄まじい形相でオオカミ達を睨み、オオカミの足並みが揃わず、明らかに躊躇していた。

 そんな群れに一回り大きな個体が吠えた。


 どうやらオッグに闘いを挑むらしく、オオカミ達は道をあける。

 対するオッグは、楯を置き斧だけ掲げ掛かってこいと挑発し、ニヤリと笑った。

 オオカミ達のボスなのだろうと、鑑定をしてみると……


 ウルフ【特殊個体】Lv15

 HP.58/60

 備考.オオカミの群れを統率し、進化した個体。


 なるほど、オオカミから進化した個体なのかと判明した。

 オッグに特殊個体だと、油断はするなと指示をだし後は任せた。


 オッグとウルフの一騎打ちが始まった。

 最初に動いたのはウルフ

 数歩でトップスピードで襲い掛かり、オッグは斧を構えウルフの攻撃を弾き返す。

 弾かれ大きく飛ばされたウルフは空中で体勢を変え着地する。

 そこにめがけ突進をするオッグは、ダンダンダンと足音を鳴らし迫る。

 ウルフは着地はしたが、ガリガリと爪が地面を削りながら止まれずにいた。

 やっと止まって回避行動を取ろうしたが、オッグの蹴りが届いた。

 ギャン!と鳴き声をあげ吹き飛んだウルフはかなりの距離を飛ばされ、地を転がり止まった。


 終わったかと、鑑定してみるとウルフは気絶していた。

 流石にもういいかなと、仁は思いオッグに戦闘終了を指示した。


 ウルフ達オオカミを放置して3階の小部屋へと向かい、そこで休息を取ることにした。

 食事をとり、交代で休息をとりその日は終わった。



 朝かは分からないが、朝食の準備を始めた。

 まず拠点造りの練習でテーブルと椅子を造って並べた。

 オッグは体がデカ過ぎて椅子に座るとテーブルが低いので、高さを調整して専用の椅子になった。

 後は食器を揃えて、朝食を作って盛っていく。

 まずは目玉焼きと厚切りベーコンとアスパラを炒めたものと、コーンとニンジンを茹でたものを盛る。

 パンは焼いたものと、バンズタイプのパンを用意し、薄切りバターを置いた。

 サラダにレタスとトマトをスライスしオリーブオイルと塩とコショウを置いた。

 あとはカップにジャガイモのポタージュを注ぎ完成である。

 全員に着席させ、「いただきます」と手を合わせてから食べ始めた。

 黙々と味わい食べ進む仁は、ゆっくりとした朝の雰囲気の中、以前の暮らしを懐かしむのだった。


 朝食も終わり、色々と準備を進めた。

 今後の活動を4階とし、必要な事を洗い出していく。

 まず最初の大洞窟に拠点を造る為の場所を、階段の北に行った突き当たりに仮の拠点を設置しようと思った。

 そこなら、東に通路があり西に進むとミスリルが在るからだ。

 出来れば作成の為に保管場所を造りたいので、色々と作成を調べて大体の規模を考えた。


 やるべき事は決まったので、小部屋を出発した。


 4階の階段を真っ直ぐ北へと向かっていたのだが、途中でウルフが現れた。

 オッグが斧を構え足を止め睨みあう

 だがウルフは地に伏せ、敵対しないとじっと待機していた。

 仁はウルフを鑑定した。


 ウルフ【服従】Lv15

 HP.60/60

 備考.オッグに倒され、服従を選択したオオカミ達の長。


 ん?オッグに服従かな?と思い、オッグに任せてみた。

 オッグが近寄ると腹を地面につけ、頭も地面に伏せて目を瞑る。

 どうやらオッグに服従している意思を見せて居るようだ。

 仁は肯きオッグも受け入れたようだ。

 するとオオカミ達が40頭以上現れ、同様に全員が伏せ服従を示した。


 北へと進む仁達とウルフを始めオオカミの群れは異様を放っていた。

 新たに現れたオオカミ達が合流してきて、100頭は超えてるんじゃないのかと、仁は焦っていた。

 「如何すんだこれ!」と叫びたい気持ちだった。


 目的地に到着したが、予定は全て覆された。

 ウルフはまだしも、オオカミ達が100頭以上になり収拾がつかない事態に成っていた。

 まず食糧をどうするか頭に過ぎり無理だと思った。

 次に、数が多過ぎることで何処で管理するかも、無理だと思う。

 オッグに服従して居るようだが、オッグにも如何したらいいか分からずにいる。

 仁はオッグに命令させてみようと思った。

 ウルフにオオカミ達を解散させろ、こんなに食べさせることは出来ないと命令させた。

 するとオッグは肯き、ウルフに向かって唸って聞かせ、ウルフはオオカミ達にワフワフいうと、オオカミ達は寂しそうに去っていった。


 オオカミ達は去っていったが、少数のオオカミが残っていた。

 どうもウルフの家族らしいので、残るのは許可した。

 残ったものの、出て行けと言われたらどうしよう的に、耳が垂れ尾が股にに挟まれた姿をみたら流石に受け入れるしかない。

 決して、モフモフしたい訳ではない事は言っておこう……


 気を取り直して、拠点作成を開始した。

 まずは敷地を決めて、四隅に杭を打ち込み目安にした。

 次に床は高床式を選択する。

 まず杭を多数打ち込み頭の高さをあわせ、一片を真っ直ぐに削った面を上にした根太を外側の杭の頭に横からあて仮止めをする。

 次に水平器を根太の上にのせ水平をとり、根太を固定していく。

 後は外周を同様に高さを合わせ水平をとり根太を固定していく。

 次は杭に固定した外周の根太の上に糸を張り巡らせて高さを出し、内側にある杭の頭に根太と同様に桟を固定していく。

 ここまで出来たら、根太と桟の上に床板を渡して根太と桟に固定していくと床の完成である。

 かなり大雑把な造り方だが、ずっと住む気が無いのでこれで良しとする。

 ここで今日の作業を終了した。

 あとは壁や屋根をどうするかだが、強度を無視してプレハブみたいに組み立てで良いかもと思い食事の支度を始めた。


 完成した床の上にテーブルや椅子を並べながら何にしようかと悩み、肉じゃがにしようと思い食材を召喚していった。

 あときんぴらも良いなと追加し、汁物はとうふとワカメの味噌汁にして、ほうれん草のごま和えに漬け物はたくわんにして献立は完成だ。

 大きな深皿と汁物のお椀を作り後は料理を作成で作り、器に盛っていき完成である。

 最後にウルフと家族達に骨付き肉をだして完了した。

 「いただきます」と仁は手を合わせて箸をとり、まず味噌汁を一口啜った。

 それを待っていた皆が一斉に食事を開始する。

 「ああ、旨い」と仁は呟き肉じゃがに箸をつけた。

 肉の味がジャガイモやニンジン、根菜類に染み込み何とも言えない甘味を感じ、母親の顔を思い出す。

 やはり日本人は煮物が母親の味なんだなと実感するのだった。

 ゴブタロやコボジロ、オッグも肉じゃがを食べ何やらホッコリとしている。

 ウルフやオオカミ達も、肉じゃがのにおいが気になってか、スンスンと鼻をならしている。

 そうか気になるかと、仁は肉じゃがを大皿に盛り、ウルフやオオカミ達の前に置き離れた。

 それを待ってたウルフが匂い嗅ぎ口を付け食べ始めた。

 オオカミ達もウルフ同様に食べ、ハフハフと言いながら完食した。


 仁は席に戻り食事を再開し、ふと思った。

 久しぶりに母親を思い出し、突然居なくなった自分を省みて、母に迷惑が掛かってない事を願う仁だった。


 食事も終わり、片付けをして寝床の準備をしようと空いてる場所にテントを張った。

 以前使ったテントは分解したので、今回は大型のテントである。

 中は4~5人寝ても余裕は在るので、やっと手足を伸ばしても大丈夫である。

 そして今回はウルフやオオカミ達も居るので、見張りも楽になるハズだ。

 オッグにウルフ達に見張りを手伝ってくれるよう頼んで貰うと、任せてくれといわんばかりに、尻尾をふっていた。

 これで少しは楽に寝られると思い、後は順番を決めれば良いので仁は最後に寝たいといい、寝るまでは明日の準備をして過ごした。


 仁は起きた、久々にぐっすりと寝たので、逆にボーッとしている。

 ゴブタロも一緒の時間に寝たが、元気に体を動かし何やらオッグ達と挨拶をしている。

 仁も寝床から出て、体を伸ばして挨拶に向かった。

 「おはよう」と仁は手をだして挨拶をした。

 オッグ達も起きてきた仁に敬礼で挨拶を返してくれた。

 初めて朝の挨拶であったし、この世界にきてまともな朝の挨拶だった。

 相手がモンスターでなければだが……


 さて、今日も拠点建造を頑張る為にも、朝食をしっかりと食べねばと思い、メニューは何にしようかと考える。

 今朝も昨夜に引き続き和食にしようと、ご飯に生卵と醤油にのり、焼き鮭と里芋の煮物、ワカメと油揚げの味噌汁にきゅうりとかぶのぬか漬けにした。

 ウルフ達には豚のスペアリブや骨付き肉をだした。

 何時ものように、仁が「いただきます」と手を合わせてから食べ始め、皆もそれに続き食べ始める。

 段々と日常に成りつつある食事の様式というか、儀式にも思えるが気にせず、美味しく頂くのだった。

 因みにTKGはモンスターには無理であった。

 卵を丸のまま口に入れ食べてしまい終了した。

 仁だけがTKGを美味しく頂くのだった。



拠点造りのくだりは難しく、分かり難いかも知れません。

何度か書き直し、これ以上は書けませんでした。


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