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とあるダンジョンの探索記  作者: アイネコ
プロローグ
3/206

プロローグ3



 俺と神様は、ちゃぶ台を挟み、座っている。


『では、改めて説明をしようか』

「宜しく、お願いします」


 神様は経緯を話しだす。


『この後、君には転移してもらう事になっておる』


 俺は、黙って頷いた。


『本来は、1万年前に転移してもらう筈だった、ここまではよいな?』

「はい」


『だが、転移先は神と魔神によって、滅びてしもうた』


 神様は、湯呑みにお茶を注ぎ、ひとくち啜った。


(あれ? 今、何処からだした?)


『あれから1万年経ち、転移可能となった訳だが』


 神様は、新たな湯飲みを出し、お茶を注ぎ、俺の前に置くと

 何処からともなく茶菓子を出し、ちゃぶ台の真ん中に置いた。

 俺は、余りにもスムーズな所作に見とれ、反応出来ずにいた。


(ちょ! 今のなに? どっから出したの?)


「あ、有り難う御座います」


 俺は思わず頭を下げる。


『では、転移前に詳しい状況を説明しよう』


 俺は緊張しながら頷き、御言葉を待つ。


『現在の彼の地は、以前と比べればかなり厳しいが、その反面安全な土地となった』


 俺は少し息を吐き、ほっとした。


『だが、まだ油断は禁物じゃ』


 神は、ひとくちお茶を啜る。


『ここからが本題じゃが、君にはダンジョンマスターとして、活動して欲しいのじゃ!』


 神様は、俺をビシッと指差し、ニヤッと微笑んだ。



 ☆ ★ ☆



 俺は、お茶を啜りながら、話しを聞いているのだが

 どうやら神様は、俺が動揺していない事が、面白いらしい。


 俺は、仕事の話をする時は、相手の目を見て、黙る傾向があるのだが、それが良いらしい。


 転移先の情報を色々と教えてもらい、話が終わった後も神様は上機嫌に語り、お茶を啜っては茶菓子を食べている。


 何でも、ここまで気分良く話をしたことが無かったらしい。

 俺も、お茶を頂きながら茶菓子をご馳走になった。


『では、そろそろお別れじゃな』


 神様は、少し寂しそうに微笑んでいる。


「色々と、有り難う御座います」

『もう大丈夫だと思うが、無理せずやりたいようにすると良いじゃろ』

「はい、頑張ります」


 俺は、深々と頭を下げた。


『では、良い結果を祈っておるぞ!』


 足下が徐々に光り、視界が無くなっていく中、俺は別れの言葉を叫んでしまった。



 そして、新天地へと旅立った。



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