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とあるダンジョンの探索記  作者: アイネコ
第一章、始まりのダンジョン
28/206

召喚ゴブリン

仁の相棒誕生

ソロプレイ+ゲーム風なのでセーフですよ、ですよね……

すみません


 仁は焦っていた。

 「いでっ、こっちくんな!ぐっ、なっ!いってぇーーーー」

 大多数のゴブリンに追い掛けられ、血を流しながら逃げ、剣で倒すが一向に数が減らない、それどころか増えているのだ。


 何故こうなったかは判らず、足を止め倒しても増えるの繰り返しだった。

 これはダメだと覚悟し、勇気を振り絞り剣で切りまくった。


 満身創痍である。


 全身血塗れで、体が震える。

 ポーションが在ることに気付き飲み干した。

 「あー、死ぬかと思った。不死じゃなきゃ何度殺されたか判らん、しかし痛えなぁ」

 HPが1万を越えレベルが上がって体力が増えてなかったらと思うとゾッとした。


 田中 仁 Lv12

 ダンジョンマスター

 HP.15924/17500

 MP.720/720

 DP.50000/50000

 STR.37

 VIT.35

 DEX.32

 AGI.32

 INT.36

 MND.10110

 LUK.7

 スキル

 通常.メニュー.マップ.情報.召喚Lv1.作成Lv3.分解Lv5.鑑定Lv2

 戦闘.なし

 耐性.全属性90%無効.状態異常無効.精神異常無効

 加護.異世界の神(不老不死)


 流石にダメだ、服がボロボロで血塗れで大変宜しくない状態である。

 一度戻って、武器と服を作り直さねばと思い戻り始めたが、ここが何処か分からない。

 マップをだし確認すると、だいぶ奥まで来てたらしく、戻るよりも近くに小部屋があるのでそこに向かった。

 どうやら1階と同じく宝箱の部屋だった。

 ふぅ、と一息ついて中に入った。

 とりあえず、武器と服を作り直し着替えてから宝箱みた。


 1階の宝箱にはポーションが入っていたからアイテム関係が入っていると思う。


 前回は普通に開けたが、如何するか悩んだ、そして鑑定Lvが上がった事もあるし、鑑定をしてみた。


 宝箱【初級】

 ランダムでアイテムが入っている宝箱。


 な、なるほどそう来たか、まさかの鑑定結果だった。

 【初級】とかあるんだなと思い開けてみた。

 中には本が一冊入っていた。

 表紙には、初級魔法書と書いてあった。

 日本語ではなかったが、何故が読めるので、開いてみたが内容が難しく判らなかった。

 むう、と唸って考え鑑定してみた。


 初級魔法書【Lv1】

 初級魔法を覚えられる書物。

 読むにはINTが80が必要


 敗北である。

 現在36で1づつ上がっているので44……そっとリュックにしまった。

 因みにリュックはゴブリンの布を集めて作った物である。

 リュックには拾った素材が入っていて作成が楽になった。

 リュックが無かった時は持てない物は諦めていたので、何か無いかと作成を調べるとリュックが見つかり布が有れば作れるとあり、ゴブリンのアレな布で作るという暴挙にでたのである。

 作ってみると、新品なので使い始めゴブリンを倒しては布を剥ぎとり、新品の布を作りため込んだので、作成の幅が増えてレベアゲが捗ったのである。


 小部屋で仮眠を取り、探索を再開と思ったが、またゴブリンの集団との戦闘を思い出し、しばし考えた。

 何かないかと思い出し、召喚を押してみた。

 前回はなにも無かったが、今回はスライムとゴブリンが選択可能となっていた。

 おお!と思いゴブリンを召喚してみたのだが、様子がおかしい動かないでじっとしている。

 「動かないのか?」と声をかけてしまった。

 するとゴブリンは「ギャウッ!」と鳴き敬礼をした。

 なるほど、命令が必要なのかと判りもう1体召喚してみたが出来なかった。

 どうやら召喚Lv1だと1体しか召喚出来ないようだ。

 なら武器を持たせるかと思い、最初に作った棍棒をわたした。

 剣だと怖いので棍棒にしたが、容姿的に似合っていたのでそのまま連れて行くことにした。


 とりあえず召喚したゴブリンの性能を試したいので標的を捜して歩いていると、2体のゴブリンが居たので攻撃しろと思い指差すと召喚ゴブリンは突撃して2体ゴブリンと戦い始めた。

 仁は2体のゴブリンの横から剣で薙払いで切り掛かりゴブリンが慌てだし混乱しだした所で召喚ゴブリンの棍棒が1体のゴブリンの頭にクリーンヒットし倒れ、残ったゴブリンも仁に首を切られて死んだのだった。

 以外にも召喚ゴブリンは活躍したので誉めたのだが、表情が分かり難いが嬉しそうにしているのが伝わって来て、何となく意識の底?で伝わる事が判った。



 多数のゴブリンと死闘を繰り広げた場所へと向かうのだが、こっちは2人?だ。

 なにか作戦、といってもゴブリンだし、まあ試しで指示してみるかと進んだ。


 曲がり角にゴブリンを発見。

 マップを使い確認、どうやら4体居る模様、とりあえず召喚ゴブリンを待機させ、おびき寄せから強襲しようと指示をだした。

 まず俺が先行し、召喚ゴブリン側に石を投げた。

 うん、気付かないので、召喚ゴブリンに叫ぶように、ジェスチャーで指示をだしてみた。

 すると召喚ゴブリンは、ギャギャギャと声を出し、お目当てのおびき寄せが成功

 通路の奥へと召喚ゴブリンが移動して焦ったが、ゴブリンを誘導出来たので作戦続行

 見事に誘いに乗ったゴブリン達は一列に並んだ所で、強襲開始

 1体目を首めがけ横薙ぎで切り、倒れた所で他のゴブリン3体が俺に気付いた。

 3体が俺に敵意を向けてくる。

 俺は一歩下がってゴブリン達を引き付けた。

 にじり寄るゴブリン達の後ろから、召喚ゴブリンが1体に向けて棍棒を振り落とし倒した。

 残った2体のゴブリン達は驚愕の叫び声をあげ慌てだし、その隙に俺は背中を見せてるゴブリンを袈裟切りにして、召喚ゴブリンは残ったゴブリンを襲った。

 予想外の行動があったが、想像以上に召喚ゴブリンは頭は良いのが判った。

 まだ生きてるゴブリンに留めを指し、召喚ゴブリンが相手をしているゴブリンに蹴りをいれ転ばした。

 転ばされ、起き上がろうとするゴブリンに棍棒が振り落とされ、動かなくなった。

 大成功である。

 召喚ゴブリンをほめ、肩を叩き引き寄せ握手した。

 「良くやった、すげぇな」と笑いながらコミュニケーションをとった。

 召喚ゴブリンは、頭を掻きながら照れた仕草をした。

 魔物であっても、召喚するとコミュニケーションは取れるんだと実感した。

 気になったので召喚ゴブリンを鑑定してみた。


 ゴブリン【召喚】Lv6

 主人.田中 仁

 HP.30/40

 MP.8/12

 STR.40

 VIT.40

 DEX.18

 AGI.24

 INT.10

 MND.10

 LUK.7

 スキル

 戦闘.棍棒Lv1

 加護.ダンジョンマスター(意思疎通)


 なるほど加護があったのか、力は俺より有るのね、運が……そうかお前も苦労してんだな、としんみりした。


 気になったことは判ったので、探索を再開した。

 その後も数体のゴブリン達を召喚ゴブリンと供に撃破して、かなりの戦利品が調達出来たので、分解と作成で素材を作り、召喚ゴブリン用の服とリュックを作り装備させた。

 これでまたレベアゲが捗るなと、ほくそ笑む。


 2階もかなり探索が進み後は下に行く通路を捜すくらいかと思い、貯まった素材で何か出来ないかと、作成出来るものを探した。

 どうやらつるはしが作れるらしい、木材さえ有れば……

 召喚ゴブリンは、そっと棍棒を差し出した。

 まじか以心伝心だな、だがその棍棒は召喚ゴブリンにこそあう武器だ。

 それを使う位なら外にいけば幾らでもある。

 よって一度外に行くことにした。

 さっさと採りに行くぞと、召喚ゴブリンを連れて向かった。

 マッピングは出来ているので、サクサクと進み、30分も掛からず外に着いた。

 ゴブリンと良さげな木を探しつるはしが完成した。

 予備のつるはしも作れたので、ゴブリンにも持たせた。

 つるはしを背負ったゴブリンも良い感じだと思った。


 ダンジョンに戻った俺は、1階で気になってた場所へと向かった。

 そこは暗いが、暗くてもてかりで光って見える部分がある壁だった。

 これって採れるんじゃね?とつるはしを振った。

 ボロボロと土が落ち、少しだけ違う土塊を拾い、つるはしで削ってみた。

 削り出てきた塊を鑑定すると、銅鉱石と鑑定された。

 キタコレとザクザクと壁を削り必要な分を取り出し、作成をした。

 作った物は「銅のナイフ」だ。

 最初に作れると思い、素材が無いと断念した物だった。

 これで心置きなく探索が出来ると、足取り軽く2階へと向かった。


 2階通路を進み、ゴブリン共を倒しつつ、気になる壁を削ってみる。

 ただの壁ばかりだが、1ヵ所だけ亜鉛鉱が採れたのでチェックした。

 新しい素材が出るとその分やる気がでる。

 だが拠点になる場所が無いと、素材を貯める事も出来ないので、いまは我慢である。

 悪あがきで気になる所を削る事は無駄ではないと思い続けるのだった。


 そろそろ3階通路に近いと思いマップを開いた。

 奥に続く通路と手前で曲がる通路があり、まず手前の通路を選択した。


 手前の通路を進むと、緩やかに下へと降る通路だった。

 奥に続く通路が正解だったかと思い戻ろうとした時、ゴブリンの腹からグゥゥっと音が聞こえた。

 そういえばずっと食事をしてない事に気付いた。

 生きているなら腹は減る、だが俺はこの世界に来てからずっと食事をしてない。

 俺は生きてるよな………

 疑問は尽きないが、とりあえず召喚ゴブリンに食べ物を与えないといけない。

 どうしたものかと考え、あることを思い出した。

 召喚に食材、作成に料理が在ることに。

 流石に通路では食事を作るのも食べるのもアレなので、宝箱の部屋へ移動した。


 宝箱の部屋に到着した俺は久しぶりの食事、約1万年ぶりの食事ならやはりカレーライスしかないと思い、作成を確認した。

 ノーマルなカレー、チキンカレー、ポークカレーと色々作れることを確認し、ここはノーマルで行こうと食材を召喚した。

 人参、玉ねぎ、ジャガイモ、牛肉、カレールーなど揃え作成で作った。

 カレー粉から作れるなら作りたいがそんな知識はないので、一部のカレー職人の皆さん御免なさい。

 部屋の中はカレーの香りが充満し、スプーンと皿を木材で作り、お米と水を召喚し作成でご飯を炊いた。

 そして仕上げに用意した皿へと盛った。

 「おお!カレーだ、カレーライスだ!」

 テンションは最高潮である。

 一口味見し、口の中に味と香りが広がり、鼻から香りが抜けて更にカレーの味が脳を刺激する。

 もうどれ程食べて無かったか等忘れてカレーの味を堪能した。

 さてカレーライスは上出来であったし、ゴブリンにもあげないとなとカレーライスを盛った。

 「さあ、召し上がれ」とカレーライスをゴブリンに渡した。

 ゴブリンは生唾を飲み込み、カレーライスを一口食べる。

 一口食べたゴブリンは止まった。

 そして、モグモグと口を動かし、涙が一滴ほほを伝い皿へと落ちた。

 そうかそれ程旨いか、そうだろうカレーは最強だからなと、俺はウンウンと頷いた。


 カレーライスをゴブリンと供に平らげた俺はふと思った。

 だいぶ一緒に居るのに、ゴブリンゴブリンとしか呼ばず、敵もゴブリンだし名前で呼ぶ方が良くね?と思った。

 ふむ、ゴブイチローゴブジローとか、だが1体だしな……、ならゴブ太郎……ゴブ太?ゴブタロかな?

 「決めた、ゴブリン、お前の名前はゴブタロだ、いいな」

 ゴブタロは一瞬考えウンウンと肯いた。

 名前も決まったし、3階を目指して通路を進んだ。



相棒ゴブタロと仁の冒険は何処まで保つのか、しばらくはゴブタロが頑張りますので、よろしくお願いします。

皆さんは何カレーが好きですか?

作者はチキンカレーが好きです。

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