プロローグ2
田中 仁(24)会社員、独身、彼女無し
去年、やっと就職できて『これからだ!』と思いきや、どうやら違うらしい。
気付いたら真っ暗闇&放置プレイからの『私が神だ!』発言いただきました。
これってあれですか? お約束の異世界転生ですか? なんて思っていたら転移らしいです。
『へぇ』って思っていると、神は言いました。
『実は、もっと早くに転移出来たんだが、転移先で神と魔神が暴れて滅んだんだ……』
なんでも、転移先の復旧に時間が1万年掛かって、今になったそうな。
(何なんですかね? 1万年って、どういう事ですかね? 誰か分かり易く、説明をお願い出来ませんかね? 神と魔神とか、目の前にいる人も神って……)
『そろそろ落ち着いたかね?』
「はい…… すみません」
『改めて、長い間放置して済まなかった』
神は、仁に頭を下げた。
「いえ、気にしていませんので、どうか頭を、お上げて下さい」
まさかの謝罪に、仁は肝を冷やした。
『そう言ってくれると、本当に助かる』
再び、頭を下げようとする神を、仁は慌てて止めた。
神の説明によると、自分は俺が居た世界の神で、暴れた神と魔神は、転移先の神であるとのこと。
俺を送ろうとした直前に、神が気付き、慌てて転移止めるのも当然で、転移先の復旧を待つのも納得である。
なんて良い神様なんだと思った。
なので、パニクって当たってしまった事を、謝罪するのであった。
「申し訳ありませんでした!」
仁は、神様に土下座をした。




