表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
とあるダンジョンの探索記  作者: アイネコ
序章、見習い冒険者マーク
14/206

改装中



 マーク達が帰った翌日、ダンジョンマップを展開し状況を確認した。


 再起動まで12時間切ったようだ。


 深夜0時からダンジョンを改装中にし、作業開始しようとアリアに指示をだした。


「作業開始まで仮眠するから、アリアあとは頼むぞ」

「はい、お夕飯は如何しますか?」


「作業前にサンドイッチでも食べるかな」

「承知しましたマスター」


 俺は自分の部屋で仮眠をした。



「さあて始めますかぁ」


 俺は軽くストレッチをしたあと、アリアが作ったサンドイッチを食べながらダンジョンマップを展開した。


「うん、DPは十分あるしこれなら一気にいけるな」


 俺はダンジョンクリエイターを開始した。


・DPとはダンジョンポイントの略であり、ダンジョンの中で何かを創るのに使用するポイントである。


 尚、この世界でのDPは時間経過による回復なので、ダンジョン内での殺害とか、人々を閉じ込めたりする必要はない。


 期待をしていた方々には申し訳ないですがご了承下さい。

 (現在DP/最大DP・73600/73600)


・ダンジョンクリエイターとは、ダンジョンを、創造・修正・配置・撤去・補完・破棄・初期化・再起動などを実行し、管理をするために神様が創ったダンジョンマスターだけのユニークスキルである。


 まず現行のダンジョンを初期化し、ダンジョン内を掃除した。


 ダンジョン内から余分なもの(生物、排泄物、武具やアイテム等の廃棄物、遺体)が無くなったのを確認後、ダンジョン自体をいじり回した。


 2時間ほどかけ大体の構造を修正し終え、次に行く前に腹ごしらえしようとアリアを呼んだ。

 (現在DP/最大DP・63742/73600)


「お、おお!!今夜はカレーか!」


「はい、今夜はマスターの好物カレーライスです」

「でかした、これで勝つる!」


 テーブルの上には、大ぶりのカレーライス用平皿に大盛りライス、カレーが盛られたソースポット、最後に福神漬けとらっきょうの酢漬けが乗った小鉢がある。


 そして、テーブル横には業務用炊飯器とカレーが入っているで在ろう寸胴鍋が鎮座していた。


 これはもう、好きなだけ喰えというのだな、とアリアを見た。


 だが、アリアは俺の対面の席にてカレーライスを食べようとしていた。


「な! くっ、させるか! 俺が先に喰うんだ!!」


 ガツガツモグモグとカレーを黙々と食べる二人だった。



「ああ、失敗した」

「すみませんマスター」


 二人共はち切れんばかりの腹を抱えて苦笑いしていた。


「少し休憩しないと消化に悪いよな」


「リカバリーを使いますか?」

「いや、せっかくのカレーがもったいないからこのままで」


「では私もお付き合いしても……」

「おう! この苦しさは至福だからな」


 腹ごなしに小一時間ゴロゴロして過ごし、作業に戻った。



「さて、1階から造ってくか」


 1階に移動し入り口付近まで行き、壁面に手をかざした。


 みるみる形状が変わり、洞窟内が鉱山のような通路へと変貌する。


 何度かダンジョンを創造したのだが、マップ上から変更するのとこうやって近くから手で造るのとでは、手で造る方が早いしDPが安いのが判った。


 それ以降この様に出向き手づくりで造ることが楽しくて仕方ない。


 サクサクと1階通路を造り、右へ左へと迷路を造り、2階に下りる階段も改装する。

 (現在DP/最大DP・62925/73600)


 これを3階まで造り、また休憩にする。


「アリア、お茶を頼む」

「はい、しばらくお待ちを」


 この作業やアリアとのやりとりを何度繰り返したのかもう思い出せない。


「今はもう4時か、そろそろ夜明けか」

「はい、後1時間程で明るくなるかと」


「わかった、じゃ3階まで仕上げて今日は上がろう」

「わかりました、マスター」


 1階に戻り細かい作業にはいる。


 まず魔物が沸く場所を造る為、現場に行きダンジョンメニューを開き、モンスターを選択し魔物を召喚した。


 最も利便性があるモンスター、スライムである。


 最弱にしてお子様でも倒せて、ダンジョンを綺麗にしてくれるモンスターである。


 尚、スライム最強勢の方々には申し訳ないが、当ダンジョンでは御期待に答えられない事をお詫び致します。


 さてこのスライムさんを如何するのかというと、穴掘って埋めます。

 そして、埋めた上に召喚魔法の魔方陣を書いていきます。


 埋められたスライムさんにはすまないが人柱ならぬスライム柱となってもらいます。


 何故こんなことをするのかというと、POPするモンスターが半額になるからだ。


 ではさっそくスライムさんを召喚、ポン!といい音が鳴り出現した。


 スライムさんを召喚するDPは1、圧倒的にコスパの良いスライムさんが半額とか可笑しいレベルのDP0という事が判明した時は狂喜乱舞したのは良い想い出である。


 あの頃は何をするにもDPが足らず大変お世話になりました。


 スライムさんの魔方陣をあちこちと設置して、次のモンスターへと取り掛かる。


 因みに、正規に召喚魔方陣設置は1ヵ所1000DP掛かります。


 初回から自動生成させるとお高く、何事も手を抜かないことがDP削減への近道ということでした。


※召還の魔方陣は1ヵ所につき100DP掛かりPOP1回毎にDPが消費されます。


 魔方陣からPOPさせる魔物×定数によりDPは消費されるので、調整しないとDPが減少し続け、やがてダンジョンは枯渇します。

 (現在DP/最大DP・62425/73600)


 次はゴブリンあたりにしようと壁に手をあて部屋を造っていく。


 戦闘可能な空間になった所でまたメニューでゴブリンを召喚、そして徐に撲殺し埋めた。


 人の型をしたゴブリンを撲殺、穴掘って埋めて魔方陣を設置の作業は心が折れそうになります。


 最初は割り切り作業として出来たが、数百年繰り返しすと作業中は死んだ目をしているとアリアに言われてしまった。


 因みにゴブリンさんは召喚が5DPで魔方陣で2DPになります。

 これもDP節約の為、ゴブリンさんもゴブ柱として今後も使わしてもらいます。

 (現在DP/最大DP・62125/73600)

 

 これで後は採掘場と採取場を幾つか設置して1階は完成である。


 入り口の方に錫と銅、それと全体的に石炭を設置していくとして、現場となる行き止まりに生成した錫を埋め込み、素材生成の魔方陣を展開し設置する。


 後は銅と石炭も同様に設置していく。


 錫2ヵ所、銅3ヵ所、石炭5ヵ所の計10ヵ所設置したが、素材生成は魔物召喚魔方陣と違い、常時存在するので設置費用は非常にお高いのだ。


 設置費用は、生成した素材×期間なのでかなりのDPが消費されてしまうのだ。


 今回は錫・銅・石炭とランクが低い物なので、期間をひと月にして10ヵ所で5,000DPとなった。

 (現在DP/最大DP・57125/73600)


 時間が限られているのでサクサクと行こう。


 2階もスライムさんとゴブリンを多めで難易度調整し、素材系は錫・銅・石炭とキノコあたりを導入し薬品系の素材を検討していこう。


 現在最下層の3階は、スライムさんはレギュラーなので、後はノーマルゴブリンとゴブリンシーフあたりを混ぜとくかな。


 素材系は銅と鉄、石炭とキノコ、光苔を配置し雰囲気を増していく感じにしていく

 (現在DP/最大DP・43625/73600)


「よし、今日ここまでにしよう」

「お疲れ様でしたマスター」


「おう、アリアもお疲れさま」

「カレーは温めてありますが、如何しますか?」


「ん、1皿いただこうかな」

「はい、ではすぐにお持ちします」


 アリアは厨房に、俺は食堂に向かった。



DPの表記は正確なものではありません。

計算はしてますが、回復量は入れていません。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ