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とあるダンジョンの探索記  作者: アイネコ
序章、見習い冒険者マーク
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新たな仲間たち



 ダンジョン再起動まであと3日、俺とマークは今後のことを雑談を交え、お互いの事情を確認した。



「まあ、こんなとこだろうな」


「ほぇ…… サトシさんは凄いです」

「ん? そうか? 200年必死だっただけなんだが……」


「いえ、凄く考えて行動しているし、なんていうかとにかく凄いと思います!」


「うん、まあ時間だけはタップリあったからな」


 仁は苦笑いしながら、呟いた。


「ところで、マークはどうしたい?やりたい事があればサポートするぞ」


 マークは『??』な顔をしている。


「あー、なんだあれだ自身のこともそうだが誰かに何かしてやりたい事はあるか?」


「あっ、はい…… えっと、弟や妹たちが冒険者に成りたいらしいんですけど、指導してくれる人が居ないんです」


「うん、要するに心配という感じか……」


「はい、僕にはアレクさんが居ましたから何とかやって来れましたが、もうすぐアレクさんのランクが上がって、別の町に行ってしまうので……」


「そうか、それは残念だな会ってみたかったんだが」

「えっ!? 会って下さい、お願いします」


 マークが席から立ち上がり椅子が倒される程に食い付いた。


「あぁ、まあ良いけど…… ん、そうだな、そのアレクが居なければ、こうして会えなかったからな」


「はい、是非会って下さい!」



 こうして翌日に会うことになったが、どうしてこうなった?



「申し訳有りませんでした!」


 アレク達パーティーが土下座していた。


「うっ…… わ、判ったから土下座はやめろ、つうかマークまで辞めろ!」


 俺は血塗れになってるが、平然と言い放った。


「しかし、オレは……」


「うん、大丈夫だ俺は不老不死だし、痛みには慣れているんだ」


 仁はポーションをぶっ掛けながらアレク達を立たせた。


「まあ俺のミスで、あの事件が起きたんだから、君達の行動は正しい、だから謝罪は必要ない、不死だしな」


 アレク達は滝のような汗をかいている。


「アリア、彼たちになにか食事でも出してやれ、俺は風呂に入って着替えてくるから」


 仁は立ち去り、アレク達は食堂に案内された。


 因みにマークの要望でハンバーグステーキセットになりました。



 ◇ ◆ ◇



「お待たせした、話しをしようか」


 アレク達を少し広めの部屋へと促した。


「まず、迷惑を掛けて済まなかった」


「いえ、いきなり斬りかかり、此方こそ済みませんでした」


「まあもう済んだ事だし、先に進もう。 俺は田中仁という。 アレク君、君には感謝する」


 仁は頭を下げた。


「マークと会えたのは、君達が居たからだ」


「………」


「気持ちは判る、気持ち悪いだろ?あれは」


 アレク達は思い出したのか、震え上がっている。


 斬りかかり蹴飛ばし、魔法を撃ちこみ、だが何事もなかったように立ち上がる、仁の姿は不気味だった。


 しかも、マークが仁は神様の使徒だと言いアレク達を諫めた。


「君達は、マークや他の子供たちの面倒見てきたらしいな、マークと会えたのは、君達の貢献があったからだ」


「ありがとうございます」


「いや、感謝するのはこっちだ。 そこでだ、君達はもうすぐランクが上がるとマークに聞いた」


 アリアが布のかかったカートを押してきたので、アレク達の前に促した。


「君達の貢献に、これを贈ろう」


 カートに掛かっていた布をはがし、アレクの前に押し出した。


 アレク達は、驚き困惑した。


 そこには、銀色に輝く剣と盾、同じく銀色の短剣、磨かれた黒く艶のあるショートボウ、杖の頭に白銀の珠がある長杖、人数分のアイテムポーチとリュックが乗っている。


「さあ、受け取ってくれ」

「いや、これは……」


「これは君達への感謝をこめた俺とマークからの気持ちだ、受け取って欲しい」


「あ、ありがとうございます」


「うん、礼はともかく君達の今後の活躍を期待しての贈り物だから、遠慮なく使ってくれ」


「あっ、呉々も他の者に鑑定はさせるなよ、狙われるかもしれんからな」


「えっ?」


「一応、認識阻害の魔法を掛けてあるし、念のためだ」


「は、はい……」

「あと、それぞれの効果だが……」


「銀色の剣と盾、短剣はミスリルの武具だ」


「次に黒いショートボウは、カーボンファイバーという素材で、軽く強く耐久性があり、この世界では作れないものだ」


「そして、長杖だがこれは魔法の使用時に魔力消費2割削減、対象に対して補正がかかる、要は敵対時は威力に、味方にはバフが強化される」


「最後に、ポーチにはポーションが100本ほどが入っている。 リュックは重量半減と、ポーチもだがマジックバッグになっている。 ただ流石に時空魔法は掛かってないから、劣化は避けられない」


「以上だが、何か質問はあるか?」


 アレク達はマークも含め固まった。


「あ、あの、ほ、本当にこれを?」

「ああ、この先の冒険には必須だろ?」

「はい、ですが……」


「まあ金は使ってないし、今後の君達の活躍次第で、もっと良いものが手に入るから貰ってくれ」


「では、有り難く頂戴します」


 アレク達は恐縮しているが、マークは嬉しそうだった。


「アレク君はランクが上がれば、あの町を出るらしいが、次はどこに行くんだい?」


「それなんですが、以前の予定では王都へ行こうと皆で話していたんですが、ダンジョンが……」


「まあ、何となく気付いているんだろうが、もう少しでこのダンジョンは復活する」


「やっぱり!!」


 アレク達は、それぞれで何かを話し合い、決めたようだった。


「オレ達パーティーは、ここに残る事にします」


「そうか、残ってくれるか」

「はい」


「だそうだ、良かったなマーク」

「はい、ありがとうございます!」


 アレク達とマークは抱き合い、共に喜んだ。


「だがそうなると、ひとつやることが有るな」


 アレク達とマークは仁を見てる。


「喜んだそばから悪いが、君達にも契約が必要になってしまったな」


 マークは気付いたようだ。


 その後、説明すると快諾され、契約は成された。


「今後の予定でも話すか?」

「「「はい、お願いします!」」」


 マークを含め、全員が同意らしい。


「マークとも話したが、君達には強くなって貰いたい。 これは冒険者全体にもいえるがな」


「どういう事でしょうか?」


「とりあえず話しにくいから、敬語とか無しに冒険者らしく話そうか」


「お、おう……」


「まあ、追々でいいか。 さっきも言ったが、皆には強くなって欲しい」

「強くなるのはいいが、なんで冒険者全体なんだ?」


「まあ『神が望んでいる』からだな」


 全員が沈黙し、仁を見た。


「これは俺がこの世界にくる前に、神の口から聞いたことだ」


「神は、俺にこの世界の人々を育ててくれと言った」


「他にも話しは聞いているが、明確に言われたのが、これだけなんだ」


「契約にも入れたが、これは公言出来ないからな、言ってしまえば捕まるか、最悪消されるかもしれん」


「まあ、契約しとけば言えないし、言えなければ避けられるからな」


「ところで一つ聞きたいんだが、君らは俺が言ったら何でも信じるのか?」


「…………」

「そこは何か言ってくれ、否定でも肯定でもな」


「君たちはまだ若い、だから失敗し挫折もする」


「答えられないのは、恐れがあり迷いがあるからだろうな」


「俺もそうだったから、何となく判るが、俺の前では、恐れず迷わず答えて良いからな」


「「「はい!」」」


 全員が肯き話しあった。


「最後に、ダンジョンの今後なんだが、基本俺にしか出来ない事なだけに話せる事がない。 だが、要望は聞こうと思っている、なにかあるか?」


「えっと、例えばどんなことです?」

「ふむ、そうだな魔物の配置や強さの調整、ダンジョンの形状や罠の設置とかは俺の仕事だな」


「要望可能なことは、ドロップと武具とかのデザインかな」


「流石に、最強の武具をなんてのは無理だし、本人が弱ければそいつは知れたような事になるからな」


「ドロップは素材で、箱からはポーションとか武具を入れる予定だ」


「色々とあり過ぎて迷うよな」

「うん、ポーションは基本高いから欲しいし、防具のデザインはしたいかな」

「そう! 可愛いロ一ブが欲しいです!」

「オレも、カッコいい鎧とか欲しいな」

「これは夢が広がるな」


 いつの間にか、皆がそれぞれの意見を出していた。


「大体決まったか? 随分白熱してたが」


「「「はい!」」」


「それじゃあ、これにまとめてくれ、検討して可能なものは実施しよう」


 アレクに紙と筆記用具を渡し、後日受け取ることにした。




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