異世界の刺激を体験したくて2
「直撃! 案外楽に終わったわね……」
壊れた家の瓦礫に埋もれた僕は、瓦礫を吹き飛ばし外に出た。そこから目に映ったのは、 さっきまであった西洋じみた家や、屋台などが無残にも破壊され、荒々しい荒れ地へと変貌していた。
「今のはすごいね。僕を中心に周りの建物や地面が跡形もない。でも、残念だ。このくらいなら僕の世界にあった科学兵器でも十分できる。これで終わりなら……まぁ、期待外れかな」
「舐めた事言ってくれるわね〜。いいわ! なら私の固有魔法を見せてあ・げ・る」
固有魔法? なんだそれは? さっきから使ってるのとは違うのか? 女神め、僕に教えなかったな。
いや、そんなのはこの際なんでもいい。とっとと終わらせよう。
「余裕な顔をしてられるのも今の内ね。私の固有魔法は魔法壁では防げないから気をつけることね!」
「わかったから早くしてくれ。こんな事にいつまでも時間はかけたくない」
「固有魔法<<精神崩壊>>発動!」
遠距離ホーミング魔法
<クラッシュスピリット>
無数のホーミング弾のようなものが未知のエネルギーと重なってる? 確かにこれはやばそうだ。
「よけたほうがいいわよ! 当たれば精神はぶっ壊れ永遠に廃人のようなるから!」
「いいね、異世界はこうでなくっちゃね。あ、そうそう別に遠慮せずいつでもうっていいよ?」
「舐めるんじゃないわよ! このもやし男!」
僕にめがけて、曰く防御不可能なホーミングが300発程発射される。
そして……
「な、なんで? なんで、ホーミング弾がちょくぜんでとまってるのよ⁉︎」
焦ってるな。ま、タネくらいは教えてやろう。こいつぶち込んだら金も入ることだし。
「答えは<テレキネシス>だよ。物体などを止める超能力さ」
なんかこれ説明してる時の僕、イキり主人公みたいでやだなー。うん、凄く嫌だ。
(何よそれ! 攻撃を止めるなんて反則よ! ま、まずいわ! このままだと! こ、殺される! 逃げなきゃ!)
「ふっ、逃げるが勝ちなのよ!」
「<サイコキネシス>この距離で、僕から逃げられるわけないだろ?」
(ゆ、指先1つ動かさない! なんなのよこいつ!)
「観念しろ、お前は絶対逃がさない」
ん? この近づいてくる生体反応、千里眼で見たところ騎士団ってやつか? 丁度いい。
ーー騎士団側
「ーーおい! あっちに人がいるぞ!」
「噂通り二人組でいる! あいつらで間違いない」
そして、騎士たちは男と魔女に近づき威嚇をするように剣を向けた。
「貴様らか! 通報にあった街を破壊する2人組は! 何故、喧嘩をしているのかは知らんが同行してもらう!」
「年貢の納め時ね。えぇ、そうよ私たち2人でやったわ」ニッ
(は? 何を言ってるんだこの魔女は……。まさか! もう一人いた山賊もどきと間違えられてる!? この女、それをいいことに……)
(ふふふ、こうなったらあなたも道連れよ)
「この2人を連れて行け!」
すると、手によくわからない文字の書いた手錠をつけられた。
「あの!人違ーー!」
「黙れ! 牢屋に着くまで静かにしていろ!」
「いやいや! 僕は無「早く馬車にのれ!」
そして、僕は連行された。