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超能力者ミステレポートで異世界転移?  作者: ラガーさん
第1章
3/13

異世界の刺激を体験をしたくて1

 

  「1000ゴールドどうやってしばらく暮らせばいいんだろ?」

 

  この世界での1000ゴールドは日本円での千円だ。中学生の小遣い並みのこの金が、今の僕の生命線となっている。すごいな異世界、正直言って舐めてた。まさか来て早々にここまで追い詰められるとは。とりあえず、何かお金を稼ぐ方法を考えねば。


  などと、今後の生活について悩みながら歩いていると、壁に2人組の手配書が貼られていた。実におっかない話だ。

 懸賞首、つまり現代でいうところの指名手配犯だ。捕まえれば当然お金は貰えるが、そんな事をすれば無駄に目立つだろう。

 僕は、元来目立つのが好きじゃない。だってそうだろ? 目立てば、疲れる上に変に反感を買うこともある。見ての通りメリットがひとつもないのだ。故にここは関わらないのがーー


 ズドーン!


 爆発音だ。それもかなり大きな……。気になって見に行くと、そこには巨漢の山賊みたいなやつと、派手な魔女のような二人組が街の中央付近で破壊行為を楽しんでいた。







「大きな街はいいわねぇ〜。人の悲鳴がよく聞こえるから」


「しかし、ここまで暴れても良いのか? 騎士や魔導師、それに冒険者などに来られては面倒だぞ?」


「だからいいんじゃないのよぉ〜。この街ですぐに来れる奴らなんて、大したことないわ。だから魔導師は私が倒して、騎士はあなたがぶっ倒す。数なんてものじゃないわ〜」


「なるほど、いい考えだ。雑魚がいくら集まろうと雑魚には変わらん」


「えぇ! だから沢山暴れて人を殺しましょ〜」




  なるほど、暴れてるのはあいつらか。間違いなく手配書に載ってた2人組だな。全く、人に迷惑をかけるなと親に習わなかったのか? 素行の悪い奴らだ。僕の力を使えば、捕まえられることはできるだろうが先ほど言った通り目立つのはあまり好きじゃない。

  てか、普通に危なそうだし関わらないでおこう。それが一番……この時、脳内での沈黙と共に考えによぎったのが1000ゴールドというぬぐいがたい現実。



 よくよく考えると、鑑賞首なんて野放しで歩かせておくのも危ない。

 まぁ、ここに戦える奴はいなさそうだし。未来ある小さな子供たちが巻き添えになってもあれだしね? 僕が一肌脱ぐのもあり……なのかな? 別に金目的じゃないけどね? 



「そろそろ、何人か殺そうかしらねぇ〜」


「(偽)上級魔法<紫電時雨咲き>」


  雷で出来た雨が人の沢山いる方向に向けられて発射された。

  まずいな、一般市民ではとても耐えられない威力だ。当然、それは狙った方向に向かい雷の攻撃は鋭い音を立てて直撃した。



「快感ねぇ〜。もっと殺したいわぁ〜!」


「相変わらずイカれた女ーーん? おい! だれかがお前の攻撃を防いだみたいだぞ」


「え? 騎士の魔力も魔導師の魔力も私の感知内には入っていないはずよ? ありえないわ〜」


  どうやら攻撃をふせいだのを騎士か魔導師と疑ってるらしい。


「今のすごい威力だね。でも、危ないなぁ。普通の人に当たったら死んじゃうよ」


  砂煙が晴れ姿を見せて、僕がそう言うと少し苛立ったのか、彼女が僕をすごい目で睨みつけている。


「どうやって防いだの? 見たところ魔力は感じれないようだけど? あなたを囲ってるそのバリア……魔法障壁じゃないわよね?」


  答えてやろうと思ったが、巨漢山賊は長ったらしいのが好きじゃないらしい。

 じれったいのに耐えられないのか、周りの建物を壊しながら、僕の方へと近づいてくる。


「こいつが、何者かなどはどうでも良い! 得体は知れんが面白そうだ。この小僧は俺1人でやる、いいな?」


「どうせダメと言ってもやるんでしょ〜? 好きになさいよ」


  どうやらこの巨漢山賊は、僕を1人で殺したいらしい。全く、病んだ世界だ。いったい、どう言う教育を受けたら人を殺そうとする事に躊躇しない人間にできあがるんだろうか。

  仕方ない、せめてもの慈悲だ。ここは僕が親に代わって教育をしてあげよう。


「はっはっは! おい小僧、強そうだな。相手してくれよ」


「そうだね、あんたとは会話ができなそうだしコミュニュケーションを取るのは諦めるよ」


「ハッハッハ!! 中々達者だな。だが、嫌いではない。魔術でも妖術でもなんでも使え。手加減なしで全てをねじ伏せよう」


「手加減なんてお願いしたってしないでしょ?」


  会話が終わった瞬間、空気が少し変わり山賊の目は殺意に満ち溢れていた。



「では、行くぞ!」


 そう言った瞬間、山賊は地面を蹴って加速したスピードに、2メートルほどの長剣を僕の首にめがけて大きく振るった。



  ガキーンと大きな音が鳴り既にそれはバラバラに崩壊していた……そう、山賊の剣が。



「確かに斬ったはずだが、見えん魔力壁のようなもので守っているのか? だこの剣は、魔法ごと断ち切る特別性のはず。そういえば貴様からは魔力が一切感じぬ……貴様、何者だ小僧」


「なに、ただの超能力者さ」


  少しだけ見せてやるか。この世界にはない力、超能力を。


       《念動力》発動


「なんだ! う、動けん……指一本すら動かせん」


「じゃあね。もう暴れちゃダメだよ山賊もどき」


  デコピンで、山賊もどきを空の彼方へ吹き飛ばした。




(まさか、ゲオードがやられるなんて。 おそらくあれは魔法じゃない! 魔力を使用しない魔法をも越えうる恐ろしい力。ここで殺さなくてはマズイ!)

「す、すごいわねぇ〜。でも私は、彼ほど甘くないわよ」


「期待してるよ。この程度で終わるんじゃないかって焦ってたとこだからさ」


「あなた、見た目によらず辛口ねぇ〜。モテないわよ」


「嘘がつけないタイプなんだよ。あと、モテないは余計だよ」


「安心しなさい〜、やさしく撫でるように殺してあげるから」


  何を安心すればいいんだろう?


「それよりあなた、後ろのあれって何かしら?」


「ん? 何が?」


  後ろに何かあると言うから振り向いたが何もなかった。ひやかし? と思い体勢を戻すと前から波動光線 のようなものが僕にめがけて飛んできていた。僕って騙されやすい子。













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