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超能力者ミステレポートで異世界転移?  作者: ラガーさん
第1章
2/13

女神の提案

 

 あれ? 確か、目的地は学校のはずだが? ここはどう見ても僕のいた世界じゃない。

 見慣れない景色、種族。多分ここは、異世界と呼ばれるファンタジーな世界の類だろう。この謎の現象……可能性としては2つある。

 

 一つはテレポートの座標設定ミス。だが、これの可能性は薄いだろう。何故なら、テレポートはそもそも物体を瞬間的に思い浮かべた場所へ送る力だ。 失敗したとしても、違う世界へ行き来する力はない。だとすれば、2つ目の仮説……新たな力に目覚めた。これの可能性が高い。


<異世界へ移動する超能力> ラノベ好きからすれば若干嬉しいかもしれないが、やはり実際自分が行くとなると話は別になってくる。


 おいおい、普通にもう一回同じの使えばいいじゃん? と思う人よ、もうとっくに試してる。

 同じようにやっても全然発動しないのだ。多分、この力は片道切符で一度しか使えない……。









「ふぅ、やっぱり邪魔だよ超能力なんて……誰かァー! 助けてください!」


  僕が渾身の叫びをあげた瞬間、突如僕の足元に大きな穴があき僕はその穴に吸い込まれるように落ちていった。


「うわぁぁ!!」


  ドーンと鈍い音を立て僕は地面に思いっきり叩きつけられた。

 落ちた場所は、さっきまでいた昔の中世ヨーロッパのような街中ではなく、辺り一面が真っ黒な背景が広がる世界だ。

 落とし穴で落ちた場所にしては広すぎる上どこか不思議な場所だ。


  痛みを抑えながら立ち上がると、僕の前には二次元愛好家の僕ですら目に入れても痛くないと答えてしまうほど顔立ちの整った女性が立っていた。そして、その女性はまるで僕を罵るような目で睨みつけている。


「あのー、一体ここはどこーー」


「いくつか質問するから質問に答えて」

  

  む? おいおい、なんだこの可愛げのない女は? やけに偉そうだな。でもなんか、威圧が凄すぎて何も言えないな。とりあえず質問に答えておこう。


「わかりました。質問に答えます。ですが、その前にここは何処ですか? 」

  

  僕がそう質問すると、彼女は気怠そうに答えくれた。


「ここは、死者の魂の清算の場。地球に住まう生物の人生を神々が見極めて地獄か天国または転生、あるいは……なんてのを決めたりする場所、かな?」


「なんで疑問形? というかそれなら僕がここに来るのはおかしいと思いますよ? 僕まだ死んでませんし」


「なんかルール違反とか何とか言ってたわね。正直これ私だってめんどくさーいってやつなの」


  やる気ねぇーな……てかルール違反ってなんだ? やっぱ、たまに瞬間移動で登校すんのはまずかったのかな?


「えっと、すみません神のルールには疎くて。ちょっと何が何だか……へへ」


「えーと何々、現界の人間が神々の力を通さずに別世界に転移……ねぇ」


  面倒くさそうに面だけはいい女がどこから出したかも分からない調査書のようなものを見ながらつぶやく。


 んー、なんかよくわからんけど別世界に瞬間移動する事は神様(笑)? 達の間ではあんまりイメージが良くないらしい。とりあえず誤魔化しておくか。


「いやーそれ人違いじゃないですか? ほら、僕こんな感じでナヨナヨしてるしそんな力あるわけないですよ」


 自分で言ってて悲しくなるが我ながらいいと惚け方だ。


「でも貴方さっき超能力がどうとかって言ってたわよね?」


  チッ、聞かれてたか。まぁいい、まだごまかせる。いやもう面倒だし隙みて瞬間移動でもして逃げるか?いや、その前にこいつは何者なんだ?一応聞いておくか。


「まあ、そういうのは一旦置いてさ。そもそも貴女は何者なんです?」


「それを言えば洗いざらい吐いて貰える? 」


「ゴホゴホ」


「私は、転移や転生の最高責任者。女神ロゼリア。ロゼリア・ラージェリーよ」


  女神? こいつが? 女神ってもっと愛らしい感じじゃなかった? まぁ、イメージに偏見があるだけで実際この状況から女神の可能性も考えられる。

 

 確かに、少しくたびれた感じだし素行は良くなさそうだが、まぁ美女と呼んでも差し支えはないし女神の可能性も無きにしもあらずってとこか。


「自己紹介でいいんですよね? 僕の名前は荒川真司。超能力者です。正直これ以上の説明はないっていうか? もう帰りたいなーみたいな?」

  

 くそ、もっとこうガツンと言ってやろうと思ったのに何も思い浮かばなかった。コミュ障という、病気でなければもっといけたはずなのに。


「え? ホントに帰りたいの? 下界のそれも地球の人間はこういうの好きって聞いてたんだけど、帰りたいなら仕方ないか」


  あれ? すぐに帰れるのかな? てっきり帰さないよパターンかと思った。いや、よかったよかった。でも腑に落ちない。この女は嘘をついている。

 僕の超能力は他人のオーラが見える。嘘や隠し事をしている時、このオーラは微細ながら揺らぐのだ。この隠し事、恐らくだが僕をここに呼んだもう一つの理由に違いない。


「そもそも、本当はなんで僕をここへ連れてきたんですか?」


  僕がそう聞くと、彼女はほんの少し微笑みながら答えた。


「なんだバレてたんだ。まぁ、簡潔に言うならあなたの力が気になったからーーかな?」


  あれ? ちょっと待って? すごく、すごーく嫌な予感がするんですけども。


「あなたが世界の法則を無視して急にやってきた時、閃いたのよね。あなたの力があれば魔王も倒せるんじゃないのかなってね」


 うわぁ〜、ほらでたよー。よくある異世界行って魔王退治。

 女神がインキャを呼んでする事なんて異世界へ行かせて魔王退治させるか、スローライフさせるかの二択だもんな。魔の異世界デストラップ仕掛ける事くらいだもんね。


 てか、さっきもう帰れるオーラ出てたじゃん。もう異世界へ行け行けオーラだしてんじゃん。

 それとも何? 出すって言ってたのはこの黒い空間からさっきの異世界へ返すって事なの? 違うだろ? なぁ違うよなー? ま、まぁとりあえず言うことだけ言っとこう。


「言っときますけどお断りですよ。僕は面倒事とゲームのチーターがこの世で最も嫌いなんです。魔王討伐? そんな面倒な事どうして僕がやらないといけないんですか」


「でも、どちみちあなたは元の世界には帰れないわよ? 魔王を倒さないと」


 ん? 魔王を倒さないと異世界から帰れない?


「な、なんでですか?」


「帰るとき使う転移魔法が魔王の魔法で解除されちゃうのよ。諸事情で深くは話せないけど」


 なるほど、嘘はついていないらしい。正直なことはいい事だ。はぁ……


「急に僕の内側から正義感が溢れてきたぞ! そういう事ならこの僕、荒川真司にお任せください! 世界は僕が救います!」


(何が諸事情だこの自称女神(笑)め。強引な片道切符で魔王退治の十字架背負わせやがって。嫌だぁ! 魔王退治なんてしたくない!ーーいや待てよ? 呼ぶことが出来て帰すことが出来ないなんてあるわけがないよな?)


「ほんと? それはすごく助かる。じゃ任せてもOKかな?」


「もちろん! 恐らくいるであろう勇者や賢者とも協力し必ずや討伐して見せましょう!」

(お前の事をな! なにがOKかな? だよ! いいわけないだろ)


 別に僕が魔王に直接手を下す必要は一切ないのだ。一々、こいつの思惑通り動いてやる必要がない。ま、やらなきゃ僕が死ぬってんなら話は別だけど。

 え? 人でなし? 無能力男? なんとでも罵ってくれて構わない。僕はこういう人間だ。別に、正義の味方でもなんでもない。ただの健全な男子高校生なんですもの。


「じゃあ、早速あの世界へ送るからね。準備はいい?」


 行きたくはないが、変えれない事実にいつまでも文句言ってても仕方がない。とりあえずは現地に行って帰る方法を収集するか。魔王退治は意地でもやらんが。


「それと、もう一度送る際にはあの世界の言語とかも翻訳して、今のままでも理解できるようにしておいたから日常生活には支障ないはずよ」


 ほう、少しは気が効くじゃないか。たしかに、向こうに行って言葉も字もわからないんじゃ流石の超能力者でも適応には……ま、多分あんまりかからないな。


「それはありがたいですね」


「それから、あなたの財布に異世界で使えるお金を、ある程度入れておいたからしばらくはそれで生活できると思うわ」


「へー、ありがとうございますー。じゃあ、そろそろ送ってください」


 何というか、少し気が立ってるので無意識でこういう言い方になってしまう。まぁ、悪いのは女神だからしょうがない。



「はいはい。異世界へと通じし門よ転生の女神の名のもとに開け〜<ゲートオープン>」



  女神が呪文を終えると、眼前が真っ白く光り、目を開けると最初に立っていたところへ戻ってきていた。


「結局、戻ってきたよ」


  ため息をつきながら僕は財布に入っ僕てる金を見ると、その金額に腰を抜かしそうになった。


  所持金残高なんと、1000ゴールドだ。

















文章って書くの結構難しいと思う、今日この頃。ちなみに、この世界の通貨(ゴールド)は1ゴールド1円です。

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