表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/10

【7】聞いてないよ!

こんにちは。今回は早めです。でき次第出していくのでばらつきはあると思います!よろしくお願いします。


休憩から2時間が経ち、そろそろ日も傾き始め、喉の渇きも限界が近づいてきている。腹も減ってきた。


ぎゅるるるるる


隣から腹の虫の音が聞こえてくる。


「/////////////いやゃゃ!!!」


一瞬で耳まで赤くして顔をおおってしゃがみこむ。


「あ、あー、えっと、お腹空くよね?」


何言ってんだ俺は!!!聞こえたよ?って言ってるようなもんじゃん!え!?なんて言えばいいの!?


俺も頭を抱えしゃがみこむ。すると、背中でゴソゴソと動き始めた。


「お腹空いたー!!!死んじゃう!!」


薫がついに目を覚ました。よし!ナイスタイミングだ!


「や、やっと目覚ました!薫!降りろ!重い!」


さっきのことをなしにしようと必死でかき消そうとする。


「あ!ひっど!私重くないし!ちゃんと毎日チェックしてるんだから!謝ってよ!」


背中で暴れられると歩き疲れた足には結構くる。


「おい!暴れるな!転ぶ!」


「謝ってよ!私に思いって言ったこと謝ってよ!私は軽いの!だって毎日運動してるもん!ハーゲンダッツ我慢して運動してるもん!」


半泣きで言いながら揺らしてくる。そんなに気にしてたのか、


「悪かったって!重くないよ!だから暴れるなよ!そして降りて!五時間ぐらいずっと森の中背負いながら歩いてんだからんな!」


謝ると、ならよしという感じで降りてストレッチを始めた。


「…あれ?ここどこ?」


ちょっとズレてるんだよなー!だから!


「ワイバーンに捕まって、落ちて、気絶してた薫を背負って街目指して歩いてるの!ここは森の中です!」


「あはは、そっかそっか、そうだったね。…ところでこの子は?」


お前が一緒に助けろと言った子だよ!


「あ、私エクシアって言います。ミナトさんに助けて貰って、今一緒に街に向かってます」


「あー、隣にいた子だ!私薫、よろしくねー」


こういう所でコミュ力が出るよな、


「あ、はい。よろしくお願いします 」


握手を交わして、そろそろ行こうかと声をかけようとすると、木からガサゴソと音がして、何かがでてきた。


三人がその方向を見ると、犬と狼の中間ぐらいの目を赤くした牙むき出しの何かがいた。


「ま、魔獣!」


エクシアが叫ぶと、魔獣は俺たち三人に向かって威嚇してきた。


「に、逃げろ!」


俺の声に合わせて、三人は走り始めた。

でも、四足歩行の、まして狼みたいなのに勝てるはずもなく、すぐに追いつかれ、しゃがみこむことで飛びつかれずに、頭上を越えられ、前に立ち塞がれた。


「どうする?どうすればいいの?何か武器になるものはないの?」


周りをキョロキョロ探している。


「とりあえず木の棒投げよ!ていゃ!」


そこら辺に落ちている木を投げまくる。と、当然怒らせてしまう。


グラァゥァァァゥ!!


「やばいやばい怒っちゃってるよ!」


「ど、どうしましょう!」


どうせ死ぬならできることやって死にたい!

そう思って、体が勝手に動く。


「湊!」「ミナトさん!」

二人の前に出て、かばうようにする。


「エクシア!とりあえず魔法唱えて!そこら辺に落ちてる木を拾って!服の切れはしとかでいいから巻いて付けて!松明みたいに!早く!」


「は、はい!【集え 炎よ 私の前に具現せよ ファイア】!」


服を破き、気に火をつける。そして、それを受け取って、魔獣の前に出す。


「おらー!!来るならこいやー!エクシア!どんどん付けてって!」


2つ目を受け取って手に持ってるのを投げる。繰り返して4回目、


「次ー!」

「ミナトさん!もう服が!これ以上は無理です!」


チラリと後ろを見ると、エクシアが必死に服を下に引っ張って伸ばしている。


「あ、あぁ、ごめん!」

慌てて前を向くと、魔獣は余裕をかまして、放尿による消火活動をしていた。


舐めやがって!


「どうする!?湊!」


どうするもこうするも!一か八かしかないでしょ!


今にも魔獣が飛びかかってきそうだ。


「【アクア】!」


「・・・・・・・・」


何も起こらない。くっそ!もう無理だ!


「グォゥ!」


飛びかかってきて、もう死を覚悟した。


「【ウォーター】!!」


すると水が前に現れた。クソッタレ!アクアかウォーターの違いじゃねーかよ!


なんだ!どーすりゃいんだよ!


「【ウォータースラッシュ】!」


咄嗟に叫ぶ。すると、イメージ通りに横に薄く伸びた水が勢いよく魔獣に当たるーと思いきや、ギリギリで回避される。


「くっそ!」


でも感触は良かった。


「ミナトさん!イメージです!魔法はイメージだと聞いたことがあります!」


「分かった!【ウォータースラッシュ】!!」


さっきよりイメージを強く放つと、さっきよりも鋭い刃ができた。一直線に魔獣に向かって飛んでいく。

それもとてつもなく早く。

今度は避けきれなかったのか、首を跳ねて水は消えた。


「・・・・・・・倒したの?」


1人で呆然としていると、


「「「・・・・・・助かった〜〜」」」


倒したことの喜びよりも命の安全の安堵の方が大きかった。その場でヘタってしまった。


一刻も早く街をめざしたいが、腰が抜けて歩けない。


すると、またゴソゴソと言い始めた。


またか!と覚悟すると、今度は大きめの影が複数現れた。


「おい!君たち!大丈夫か!?こんな夜遅くに!」


冒険者らしき集団だった。


「こ、これは、ワイルドウルフではないか!?これは君がやったのか?」


リーダーのような男に尋ねられる。


「あ、はい。俺がやりました。」


「まさか、そんな、武器はどこだ?」


驚いた顔で見てくる。


「あ、いや、魔法で・・・」


「魔法で!?ワイルドウルフは詠唱時間を与えない速さで攻撃してくるはずだ。Bランク以上ならまだしもこんな素人が?・・・とにかく、街に行こう。夜の森は危険だ!」


そう言うと、その集団は魔獣の頭と毛皮を剥ぎとり、それらを持って街へと向かった。

次回も早めに行きます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ