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苺ジャムと僕  作者: おもひろいひと
2/4

飲み会

僕は、


高校の時に

お世話になった


先輩、山崎さんと

会うことになった


と、言っても僕は

一滴も酒が飲めない


呼ばれた先には


"女性が二人と"

山崎さんが


待っていた



「すみません、待たせてしまって」


『いいよ、琢磨たくまいつも頑張ってるからな!』


「あ、いや全然!なんていうか好きなだけですから」


と、本心だったけど

山崎さんはやっぱり


琢磨たくまってほんとっいい奴なんだよ、だから今日は息抜きっていうかさっ!女の子を連れて来たんだよ!』


「奥さん?大丈夫ですか」


『ん?ああー、言ったって相手にされないよ、俺がこれじゃなー、ハゲだしな!あはははは』


「う、ん、でも・・それはストレスですよね!五円玉サイズにはハゲてるけど、それを理由に奥さんが気にしないなんて、俺!嫌ですっ」


うん、


僕は悲しくなった


僕を高校の時に


あんなに!


可愛がってくれたし


両親の離婚が

成立したとき


僕は凄く・・

落ち込んだし


でも先輩は僕の話を

ずっと聞いてくれた


そんな人をまさか


奥さんが

ハゲたからって


嫌うはずがない。


『琢磨ー、お~い!帰ってこーい!』


「あ、すみません」


『この子かわいいー』

『うん、かわいいー』


二人の女は

喜んでいた


「先輩!ちょっとスマホ貸してもらえますか?」


『うん、いいけど、ほら』


「ありがとうございます」


僕は


『琢磨?』

「・・・」


電話していた


「あ、俺!一影琢磨です。こんばんはっあの!旦那さんの事ハゲが理由で嫌いにならないで下さい!俺にとって先輩は"命の恩人"なんです!だから───」


『やだっ、あはは、もしかして?今日の、連れの女の子の事かしら?ふふ、別に旦那のハゲは理由じゃないの、ただ・・あの人の事信じてるから私っふふ、ありがとうね?そこまで旦那のこと、好きでいてくれて』


「あ、いや・・ごめんなさい!勝手に勘違いしてしまって。俺、安心しました。失礼しますっ」


『あー、待って!切らないでっ琢磨くん!』


「はい」


『あの時の苺ジャム!すごく癒されたのっ美味しかったの!お礼が言いたくて!私ね、琢磨くんのファンだから!じゃあ、楽しんでね』


と、直ぐに

電話が切れた


「あ・・・」


『琢磨?奥さん何て?』


「あ、いや・・何も」

『そっか、だろー』


僕は黙ったまま


あの言葉が

頭をぐるぐる


回っていた


《私ね、琢磨くんのファンだから!》


何か、


告白をされた

気分だったな


「今日は飲む!」

『ぇえ、マジ!?』


飲む、


・・飲ませて下さい!


『やった!嬉しい』

『じゃあ!飲もう』


そして山崎さんと

連れの女性と僕は


居酒屋で席に着き

酒とつまみを注文


『生ビールを四つに、鶏皮の唐揚げと枝豆をお願いします』


「早く飲みたい俺」

『やだー大丈夫?』


『そうだよ、琢磨ムリするなよー』


『何かさっきあったの?』


女性は鋭いな・・・


『ん?琢磨、言えよな。俺達の仲じゃんかー』


先輩は笑ってた


「なんでもないです。酒の味が、知りたくなっただけです」


それからすぐに


ビール四つに

鶏皮の唐揚げに


枝豆が

運ばれた 


「かんぱい」

『かんぱーい♪』

『かんぱーい♪』

『かんぱーい』


四人一緒に

かんぱいした 


「ゴクゴク、ぷは~」


『ぷは~生き返る~』

『うまい~♪』

『うまい~♪』


「お酒ってこんなに!美味しいんですね、知らなかったなー」


『ん?そうか、よかったよ~倒れるんじゃないかって心配したけど、大丈夫だな!あはは、飲もう食おう!楽しもうっ俺の奢りだ!気にするなよ』


『やったー嬉しい!大好き~チュ』


『あ!私もチューするもん!!チュ♪ふふ』


なんなんだ

女ってやつは


『あー、食われてしまう~あはははは』


先輩は


大喜びだった 


「おかわりします」


『おお、じゃあ俺も』

『私も━━っする♪』

『私だって♪するよ』


呼びボタンで

店員を呼んだ


「生四つ!お願いします。それとーツナサラダを」


店員は下がり


すぐに生が

運ばれてきた


それから


ツナサラダも

運ばれてきた


「俺、ツナサラダが好きで、毎日、夜に食べるんですよね」


『ん?ツナか?苺ジャムじゃなくてか?』


「苺ジャムは、俺にとって特別だから・・・」


『ん?あーそうだった!琢磨!気を悪くすんなって、今日は忘れろっな!』


「はい」


『何々ー?特別な話でもあるんだ~いいなー仲いいんだね~』


『私達だって仲良しで~特別な話あるもーん!でしょ?』


『うん、あるよー♪でもなんかさ~男同士って憧れるなーいいよね~』


『琢磨とは、長いからな。高校の後輩だしな!』


「先輩は、俺にとって!ヒーローですっ」


『ヒーローが俺か?やめろって!笑いが止まらないだろ~』


笑われたっていい


僕にとっては

そうなんだから


『ねぇ、琢磨くん!私たちにさ聞かせてよ?山崎がどうしてヒーローなのかを』  


『あー私も気になる~』


『止めろってば、俺は何もしてねぇし』


僕は


少し考えてから


「山崎先輩は、俺が自殺を決めた日に・・偶然なのかずっと俺と居てくれたんです。正直そんなことよりも"死にたい"って気持ちが強かったせいか、山崎先輩に言ったんです《もう帰って下さいって》そしたら先輩、今日は彼女と喧嘩中で暇だし琢磨とまだ居るからな!って、俺・・涙が勝手にでてきちゃって、止まらなくて・・・そしたら先輩が言ったんです、琢磨?俺はお前の味方だぞ?何があってもぜったいに!琢磨を守るからなって。俺の、死にたかった気持ちを先輩が"俺まだ、生きててもいいんだなって気持ちに"変えてくれたんです!だから、あの時、先輩が居てくれなかったら、俺はここに居なかったから・・・」


『やっぱりか、あの日はな琢磨の様子が変だったからな・・・心配だったよ。でも、琢磨が初めて俺にさ涙を見せたから驚いたけど、琢磨が両親の離婚で苦しんでるのが俺には分かったんだよな、だからっほっとけなかった。琢磨がどれだけ両親を好きかは話聞いてれば分かるからな。きっと琢磨のお父さんお母さんだってそうなるまでには悩んだんじゃないかな?俺は両親居るけど、喧嘩もしてるし、まあいい両親だけどな、琢磨のお父さんお母さんには二人の悩みは多分あるんだろうな。子供には子供の人生に悩みがあるからな!一緒なんだよな?人間じゃん俺も琢磨もさっ』


「有り難うございました。あの時は本当に、命を救ってもらいました。先輩には感謝してます!だから俺にとって山崎さんはヒーローだし"命の恩人"なんですっ」 


『琢磨は俺の弟みたいなんだよなーなんていうのかほっとけねぇんだよな』


先輩は真剣な顔で

俺をジッと見てた


『そっか、琢磨くんは苦しんでたんだね。それを山崎が手を差し出してくれて救われたんだっ!すっごい!かっこいい山崎!』


『うん。なんかーTVドラマみたいだねー』


女は二人


キラキラした目で

二人を見ていたよ


「先輩!これからも俺の事見守ってて下さいねっ」


『任せとけ!』


僕は


普段こんなこと

話さないのにな


先輩といると


不思議と自分が

さらけ出てしまう


先輩は


親からも

奥さんからも

(当時彼女)


愛されてるから


"すっごく優しい"


僕の一番の

理解者だよ


「すみませーん!生四つ下さいっ」


『琢磨くんナイス♪今日は語って飲みまくろーぃえい!』


『"私!トイレー"』

『いっトイレー♪』


女、二人は


あははと

爆笑した。


『琢磨?大丈夫か?酒強くないんじゃないのか?』


「うーん、と思ってました。でも今は飲んでるので、結構イケる口みたいです」


この日は


ベロンベロンに

酔っぱらって


全く記憶になかった



翌朝


僕は・・・


「頭痛い・・やばっ仕事!・・ぁ?休みだった助かった~」


この日は土曜日で


僕の仕事は

お休みだった


「助かった~ん?なんでこんなに頭痛いんだろ???しかも服着替えてないし?昨日確か?山崎さんと女性が二人居たよな?ん?それで・・・・・ダメだ覚えてないやっ」


琢磨は全く

記憶がなかった


「ん?スマホ光ってる」


手に取ると


lineが


『琢磨起きたか?昨日はあんなに酒浴びるように飲んでたからさ心配してるよ(笑)起きたら電話してくれよな。それと、昨日の話は俺も嬉しかった。ありがとうな』


山崎さん、、俺!?お酒飲んだの?話ってなんだろ???


僕は電話した


『はい』

「あ」

『よっ』

「うん」



『琢磨~おはようさんっ!』


「お、おはようございます、山崎さん。昨日俺全く覚えてなくてーどうなってしまったんですかね・・・迷惑掛けましたか?すみませんでしたっ」


先に謝った俺に


『そっか。そうだよなあんなにベロンベロンだったもんな!覚えてるわけないよなーあはははは、ん?迷惑なんて掛けてもらった覚えないぞ?大丈夫だ!心配するな琢磨っただ・・・』


「ただ、何ですか?」

『うん、あれだっっ』


「あれって何ですか?」


言いにくそうに


『俺の妻にな?夏美に琢磨がずっとな~話してたんだよなーあれには驚いたよ俺も夏美もな!あはは』


「え"山崎さんの奥さんに俺がですか!?なにを話してたか覚えてますか!」


『ん?そうだなー鮮明に覚えてるぞ?何かな!苺ジャムのお礼をされたときに奥さんから"ファン"だって言われてドキッとしましたとか言ってたよな。可愛いな琢磨はほんと!でも、それを意識し過ぎて俺に言えなかったって聞いて俺も夏美も笑っちゃったよ」


「あ。・・・それはそうですよーいきなりそんなこと言われても俺男だし、夏美さんは山崎さんの奥さんだし・・・はぁ、見苦しいとこ先輩に見られちゃったんですね俺は、すみません」


『ん?そんなこと無いぞ?夏美はすんごく!妬けるほどに喜んでたしな!俺もだぞ?琢磨なら許せるというか、おかしな話だろうけど本当にそう思うからな。あんなに笑って喜ぶ夏美は見たことなかったからな。琢磨ってさ、なんかそうゆう天性の"魅力が"あるんだよな。俺はそう思うよ』


「止めてくださいよ、別に俺は先輩から奪ったりなんてしないですからね」


・・・確かに、

ドキッとはしたけど。


ないないないない!


『夏美は俺が初めての男だからな。世間を知らないからなー火遊びが本気になるのは困るけど、まあ!琢磨なら許すかな俺はっそんときは宜しくな!』


「止めてくださいよ、先輩・・・」


すこし話して

電話を切った


先輩は僕を

信頼してくれてる


それがやっぱり

嬉しかったから


僕も、前の彼女が

初めてだったよ


★婚約白紙は

ショックだったし


でも、



前を向くしか

できないから



だからって別に

引きずることは


しないよ


だって、


彼女が決めた

答えなんだもん


僕は従うしか

できないから。


結婚を決めたとき

彼女の嫌がることは


しないって

決めてたから



僕にとって彼女が

一番の人だったから


幸せになってほしい



がんばるよ


★僕は


いつだってね。



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