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時間表現のネタ

 毎度ながら思いつきで書いている。


 明らかに時計や最悪暦すらない世界観で転生や召喚された主人公以外が、秒とか分とか何時間後とか表現するのはメルヘンな風味に合わないのでは? と思ってしまったのだ。


 それでメルヘンでファンタジーな世界感に馴染む時間経過の書き方をちょいとまとめてみる。


 と言っても実は時計って紀元前からあるので時間単位だと大抵の世界では不自然でもなんでもない(砂時計や水時計や日時計)。機械式も中世中ごろにはある。

 あくまで個人的にちょい雰囲気を出したいというだけのネタだ。

 



①長時間の表現


 まず既に出ている水時計や砂時計や日時計。これらはそのまま使うことができる。


 『この砂時計の砂が落ち切る前に私を倒せたら』『日が沈むまでに帰って来い』『蝋燭が燃え尽きる前に』などなど。

 直接『十八時』や『一時間以内』と書くよりなんとなくメルヘンっぽい気がするのだ(感覚には個人差があります)。

 一週間も『七度日が昇り沈んだ』と書けば――(繰り返すが感覚には、以下略)

 さらに長期間なら月が三度(みたび)満ち欠けを繰り返す=三ヶ月なんかも良い。


 他にも中世ファンタジー風創作世界なら”鐘”が合うことだろう。『晩鐘が鳴る前に』とか風情がある……と思う。


 ネタ:腹時計も忘れてはいけない。消化などで大体五時間ほどで空腹を感じはじめる。ダンジョンなどでは体内時計というか腹時計の感覚で何日経過したとか判断させても面白いかと(素直にランタンの減りや蝋燭の消費で見るべきか?)



②短時間の表現


 お次は一刻や半刻以下――時間単位では表せない時間。


 個人差もあるが食事を終えて煙草を一服となると三十分以上一時間以下程度か。


 10分なら例えば……『焚き火で鍋の湯を沸かすぐらいの時間』などだろうか?(尚、最近のガスコンロやキャンプ用コンロだと小さな薬缶が五分以下で沸く、火力が違いますね)


 同じくスープや汁物の温度変化を使えば、


 スープが冷める前に=二分以内

 スープがぬるくなる=五分以上経過


 と表現できる。


 ……三国○演義で某三兄弟の次兄さんは、出された熱燗が冷める前に敵将を倒してますがそれと同じですね。しかし二分以内で陣から出て敵倒してまた戻ってくるとか実戦闘時間一分以下?

 まあ、ここら辺は現代でもカップ麺ができる時間=三分、などで使いやすい表現か。


 単純に『百を数える間もなく』とか切の良い時間なら数えさせるのも手。


 ネタ:お湯やスープやカップ麺と表現が狭い範囲に集中してますが実は十六世紀ごろまで時計(機械式も)には分針や秒針が無かった。

 据え置き式や携帯時計に分針がついたとしてもそれは一個一個手作りされたもので大多数の人々にまだ”分”は身近ではなかったのだ。

 十五世紀の英国の宮廷料理レシピなどでさえ『何分焼く』『何分煮る』などは書かれていません(『一晩漬ける』などはありましたから時間に対する意識はあったのでしょう)。

 概念はあっても身近ではなく”分”は実用された歴史が”時間”に比べ短いわけです。

 つまり参考できるネタ元が少ない。



③極短時間


 一分もかからない数秒単位の時間表現です。


 花びらや葉が地に落ちる=十秒以上

 杯の酒や茶を飲み干す=約十秒

 一呼吸(吸って吐いて)=約五秒

 声を上げる間もない(吸う前、或いは吐く前)=二秒以下

 一歩=約一秒

 競技の弓(近距離)が的に当たるまで=約0.5秒

 瞬き=約0.1秒

 稲妻(光速で天地を繋ぐ時間)=十万分の一秒以下


 稲妻とか瞬きだと時間よりどれだけ速いかの表現になってきますね。


 ネタ:上でも書いてますが数秒単位だとどれだけ速いかの表現方法として使うことが多いでしょう。

 ですので時間は横に置いて速度のネタを(ネタが切れたとか突っ込まないで)。


 音速マッハ=時速1225キロメートル

 チーターの走る速さ=時速110キロメートル

 ツバメの飛ぶ速さ=時速30~60キロメートル(瞬間時速100キロメートル)

 ダチョウの走る速さ=時速70キロメートル

 馬の走る速さ=時速60キロメートル

 熊の走る速さ=時速50キロメートル

 風の速さ(強い風)=時速50キロメートル以上


 チーター(古い和名で狩猟豹)やダチョウ(駝鳥)はあんまり創作世界に出ませんが似た様な創作生物を登場させて『××より速い』とか表現に使うのも……


 後、原付が時速30キロメートルで自動車が一般道良くて時速60キロメートル程度ですが……メルヘンな世界では例えに使いづらいですね。新幹線の時速300キロメートルとかも。



④番外:きわめて短い時間の表現用四文字熟語や言葉


 創作世界の人物に言わせると雰囲気を壊すかもかもしれませんが地の文ならこんな言葉も。


 電光石火(雷や火打ち石の火花)

 刹那(仏教の時間の概念、約75分の1秒)

 束の間(束=たば=指四本で握ることから指四本分の短い距離、転じて短い時間)

 弾指(親指の腹を中指で弾く=きわめて短い時間)

 烏の行水(烏の水浴びに例えて入浴が短いこと、やや限定的か)

 疾風迅雷(素早く激しいさま)

 打てば響く(行動に対して素早い反応)

 紫電一閃(研ぎ澄まされた剣の振りの一瞬の光の煌き)

 間髪容れず(髪さえはいらない短い時間)



⑤追加


 花時計


 感想にてリネン花時計について知ったので(花より団子な作者は花に疎い)。

 一般的な花壇に文字盤をつけた花時計ではなく、花の開花時間や閉花時間を利用した時計のネタ。


 例を一部上げると、


 午前三時 毒苺

 午前五時 青カヤナンセ

 午前十時 アザミ

 正午   ジャスミン

 午後五時 ペラドンナ

 午後七時 ゼラニウム


 という感じです(誤差は30分ほどだとか)。

 ただし季節により花の種類は代わるし、小まめに花を入れ替えなければならないため。とても手間がかかる。


 ネタ:異世界なら時刻を知らせる植物を作るのも面白いかもしれない。

 一時間おきに鈴を鳴らす時刻みの鈴蘭や日の出と共に開花し一時間ごとに花びらが散っていく十二花弁の菊などなど。

 機械時計が作れ無いなら魔法で作ればいいじゃない理論。



⑥追加2


 猫の瞳時計


 戦国大名が猫の瞳孔で時間を確認していたという話がネタ元。

 なんと猫の瞳――正しくは瞳孔は暗いと満月のように広がり、明るいと針のように縦に細くなります(知ってる人は知っているネタですな)。

 で人工の明かりが無いところで猫の目を利用し時計代わりにするという先人の知恵的話。


 しかし実のところ日の入りから日の出まで夜中は真ん丸○。夜明けからレモン→縦に置いたラグビーボール→正午に針、でまた夕方にかけてラグビーボール→レモン→○とほぼ太陽の明るさに対する反応です。


 大雑把には分かるでしょうが精度は太陽の傾きとどっこいどっこいぽいです。携帯式の日時計のほうがよっぽど正確かと。ネットで検索するとアンティーク風の日時計が色々あって楽しいです(妄想が膨らむ)。


 ネタ:猫時計が使えないなら魔法で時計を作ればいいじゃない。

 天どんネタですね。

 時刻が来ると鳴くオウム(型魔法生物)とか、唄ったり笑ったりしかできなくした妖精(改造済)とか、仕掛け時計を生物で代用する…………書いといてなんですが少々ホラーかも。


 まあ、なんにしろ機械式時計がそぐわないと思う創作世界にいかがでしょうか?

色々してたら年を越してた今日この頃。少々遅いですがあけましておめでとうございます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ファンタジー感を出しつつも、なるべく具体的に時間や速さを表現したいと思って悩んでいるときにこちらを見つけました。とても参考になりました! ありがとうございました!
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