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騎士のネタ②

 魔王軍でもメイドでも執事でもなく騎士その②。作者のいい加減さが分かりますね。

 今書いてる首なし騎士の話のネタ調べてたら書きたくなりまして。


 さあ、弁解よりも騎士の話いきましょう。


 前回の騎士のネタでは、騎士の定義や馬に乗る理由に騎士道など騎士のイメージ、つまり完成した騎士像からネタを得た。

 今回は騎士像が成立するまでの不完全な騎士をほじくり返そうと思う。


○騎兵から独立した騎士


 最初期(紀元前数百年~)この二つに大きな違いはない。

 ローマだろうがゲルマンだろうが裕福な家の男子が移動や指揮の利点から馬に乗っていただけだ。

 基本、戦える男子は全て戦士な時代ゆえに装備は自前。

 石ころや棍棒で武装した貧乏戦士(というべきか?)もいれば馬に乗り鎖帷子を纏い兜を被った騎乗戦士もいた。

 ここら辺は騎士のネタ①でも書いてるが馬に乗ることは戦闘においてかなりの優位性を持てる。

 もちろん維持コストを支払える前提だが。


 騎士と騎兵が分かれるのは、指導者の権威増大が関係する。


 王の起源は、風習言語宗教を共有する人々の指導者。

 この指導者の条件とは血筋ではない。血筋はどちらかというと王が生まれてから(詳細は爵位のネタで)。

 いかに人々を豊かにするか、が重視された。

 具体的には食べ物を確保し略奪者から民を守ることが求められる。周辺の別集団に食べ物を奪われるような指導者は指導者足り得ない。


 そんな弱肉強食修羅の時代、指導者様が装備や馬を出資して貧乏戦士を武装させるわけだ(一族とかに配ってまだ余ったか、やたら強い貧乏戦士がいたかは不明)。

 雇われ騎兵ともいえる。

 彼らは自前で武装を揃える富裕層の兵とは違い、主に忠誠を誓う騎兵だ。

 常備軍であり、指導者の私兵であり、人々の中での支持者となる。


 そう、彼らは指導者を王に押し上げる存在。

 たとえば私的軍事力を持つ指導者が、自身の息子を後継者に指名したら誰か反論できるでしょうか?


 答えはノー。


 これで王とその子孫に恩(俸給)と引き換えに忠(軍事力)を捧げる職業軍人というか他人出資型騎乗戦士が生まれる。

 彼らは、就職の経緯から主からの賜りモノである馬や武器(剣)を大切にする習慣を持つことになります。


 王権の確立と騎士の誕生です。


 なおここら辺日本の武士も似ている。位や土地を貰う代わりに軍事力を提供する形式。


 ……成立からしてなんと現実的。あー騎士(knight)の語源はcniht――従僕、従うものとのこと(爵位のネタでも書いたかな)。


・創作小ネタ


 さてどうネタにしましょうか。あまりにも現金な誕生経緯に困ります。

 ここはハイファンタジー風でメルヘンな騎士様を誕生させましょう。


 契約対象が神様。

 先に神様と契約して戦う使徒としての騎士があり、人間がそれを模倣したという世界観。

 これなら神聖な雰囲気だし超常パワー満載でもOK。

 神様でてくる世界観ならこれが主流ですよね。

 弱い人間を戦力化するために神の力を与えて働かす。なんてまんま貧乏戦士の戦力化を彷彿とさせますし。



○騎士の決闘フェーデ


 騎士が大好き決闘です。白手袋投げつけて拾ったら承諾のあれ。

 騎士は戦争と決闘がお仕事と言っている人間もいます(私ですな)。

 なんといいますか戦争無いと暇で儲け口がないんですよ騎士。


 決闘の始まりは裁判の一種から、異なる主張をする双方が殺しあって正しい方が神の助力により勝つという……なお時代地域で手法に差がある。女性対男性だと男性が穴に落とされたりする場合も。


 でこれを騎士が悪用しまくるという。

 決闘場で騎士同士が名誉を賭けて勝負するならいいんですよ。

 好きなだけしてください。

 代理人もありですし。


 問題は強盗騎士、盗賊騎士と呼ばれる方々。

 例えば農民や商人から財産を奪って抵抗されたり訴えられても「侮辱だ決闘だ」で相手を殺して無罪放免。

 戦争になればこれ幸いとひたすら略奪。

 作法も流儀も礼儀もない。

 なんといいますかそこら辺の魔物や怪物が可愛く見えるレベルでやらかします。

 住民の暴行・誘拐・殺害は基本の三点セット。街道が廃れるほどの略奪などなど。


 その癖、正規の戦争だと役に立たないというか目立った成果がないという残念さ。いえ、悪行なら凄まじいんですが弱者相手だけです。対等以上の強者と戦ったら負けます。


・創作小ネタ


 決闘と強盗騎士のセットはそのものがネタの塊ですね。

 相手を殺せば正当性を主張できるのは弱肉強食にフリーパス与えるようなものです。

 法律や規則が暴力認めてる訳ですから。

 力さえあればいくらでも奪えて咎めはなし。

 さあ、主人公に完膚なきまでに叩き潰していただきましょう。

 普通の盗賊使うより作品に味わいが出るかと。

 有名な盗賊騎士を討ったとなれば箔もつきますし。


 他には決闘裁判が本当に神の力を受けるとか。

 正しいほうには神の助力が与えられると。

 悪人とか後ろ暗い人間は全力で神前裁判というか決闘を回避しようとする展開。

 決闘開始前に相手を暗殺するのが横行しそう。

 神前裁判を願うと神に奉仕しなければならないとか世界観として面白いかな?



○宗教騎士


 雇われから始まり強盗に励む騎士たち。

 徴税などもしていた彼らはどちらかというと民衆の嫌われ者に落ちていきます。


 そんな彼らが現時の騎士のイメージに近づくのは某一神教の影響が大きい。


 一大イベント某一神教の聖地奪還遠征軍の開始です(西暦1100~200ごろ)。


 ここら辺でやっと私達が好む騎士道とか騎士物語が出てくる。

 民衆から搾取し戦争する乱暴者から異教徒と戦う勇者に生まれ変わる。

 宗教で尊ばれる奉仕や謙譲の精神が騎士の美徳とされ騎士道ができる。

 理想の男子たる騎士は、馬上槍の真っ向勝負や飛び道具の禁止、トドメを刺さない慈悲の心などを身につけていくのだ。

 虚構のプロパガンダから本物のほうが変えられるという謎現象。まあ、身代金取りたいとか弩に撃たれるのが怖いという理由もありますが。


 しかしせっかく理想の存在になれた騎士だが百年と少しで栄華は終わる。

 フランスとイギリスで行われた百年戦争(1300~400年代)で長弓の集中運用によりさくっと騎士団の突撃が粉砕される(騎士終了のお知らせ)。


 まだ馬から下りて重装歩兵として戦えば強かったんですけどね。

 なんというか我々がイメージする騎士道精神に溢れ馬に乗って集団で突撃する騎士は本当に短い期間しかいなかったという。


 で再び強盗騎士が活躍しだします。

 騎士物語は上記の一瞬に花開き散ったわけです。



・創作小ネタ


 理想の騎士像はいずこ……いや、聖地奪還遠征軍のころは吟遊詩人が歌ってたんですよ。

 そしてその騎士像に憧れそのように振舞おうとした騎士もいた。

 ただ長弓や弩そしていずれ出てくる鉄砲に勝てなかった。


 魔法とかある世界観だと騎士ってどうするんでしょうね。

 騎馬並べて突撃したらいい的ですよ。

 騎士も魔法使うなら馬とか鎧とかどうなるのやら。

 防具は武器に応じて進化してるので魔法対策のされた防具が主流になる……はず?


 魔法が強力になれば騎士本来の武力で恩に答えることが、魔法使えないと不可能となります。

 武力=騎兵による戦闘が武力=魔法による攻撃とかになると……あ、飛行騎獣に乗って魔法で爆撃が魔法騎士のお仕事か?

 騎士のハードル高くなるでしょうな。

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